"誰一人おいていかない" は次世代のイノベーション 〜八幡平で体験した Leave No One Behind 〜
"Leave No One Behind" という言葉があります。
" 誰一人おいていかない "
という意味です。
これは大阪で開催が予定されているG20のテーマでもあり、持続可能な社会を実現するため、日本を含む参加20カ国が共同でとり組むことになっています。
個人的に6月は音楽の仕事をリモートでやりながら、岩手の八幡平でプログラミングの勉強しながら過ごしました。そんな中、"LNOB" は新しい。そう感じる月だったので紹介したいと思います。
僕が参加したのはスパルタキャンプという、今静かなブームをおこしているキャンプで、今回はSwift、主にiOS、MacOS用の言語を学びアプリを作りました。
参加したのは書類選考で28倍の倍率を勝ち抜いてきた15人の猛者。音楽家(僕)から人材派遣会社をバイアウトした元社長、現役信州大生、東大理Ⅱ卒のプー、キャバ嬢、ミツバチ農家のファイヤーマン....リアリティーショーさながらのメンツが揃っていました (オーディションでもしたのか!?と思うくらい濃い連中) 彼らと温泉付き付き宿舎に寝泊まりしながら、シェアオフィスに通ってプログラミングの勉強しアプリを作る...
...というと聞こえはいいですが、やはり未経験者にとってプログラミングはとても難しく、初日は全員がガツンとやられていました。講義で教わったことを確認している間に次に行ってしまうので、わかった人がわからない人を支え、皆で協力しあい何とか食らいついていく...
宿舎に帰ってからも課題や予習で一日12時間くらい勉強する。そんな毎日だったのではないでしょうか。
↓音楽の仕事はこうやって皆が寝静まってからしてました。
そんな怒涛の日々も3週目には落ち着いてきて、今度は教わるのではなく、自分たちの作りたいアプリを完成させるための自習モードに移行しました。だんだん個人プレーになっていきます。
参加者の一人に1日目2日目という大事な2日間を欠席してしまい、ついていくのに必死な人がいました。繰り返しになりますが、プログラミングはとても複雑で地道な作業で、思いついたことを形にするのにとても手間がかかります。
助けたくても、みんな自分の作品のことで、それどころではなかった頃、彼女を助けたのは理解度トップ2の現役信州大生カオルンと東大理Ⅱ卒の山ちゃ最終日になんとか間に合う形でアプリは完成しました。
彼らは 綺麗事ではなく仲間を助けることは有益であると感じていました。最後の2日間は夜が明けるまで手伝っていて、ほとんど寝てなかったのではないでしょうか。
聞くところによると人間の脳は助け合わないと死んでしまう原始時代から全く進化してないそうです。考えてみれば単純なことで、プログラミングをするのは人間で、それを使うのも人間。幸せを感じることが目的なら助け合うことが一番合理的だったりするのです。
次の時代、社会を(いい方向に)イノベートしていくのは "LNOB" の精神をもった企業や団体なんだろう。そんなことを考えながら過ごした3週間でした。
最後に素晴らしい八幡平の景色をどうぞ。
プロフィール : 田中 潤
音楽家、プロデューサー、アーティスト…etc
2003年にドリーミュージックよりメジャーデビュー、2008から作編曲家としてRhytm Zone(AVEX)に所属。2014年頃独立。
作編曲で Smap, May J., 三代目JSB, 倖田來未、土岐麻子、信近エリ、堀込泰行、宮崎 薫 、moumoon…etc に携わり、CM音楽や企業向け音楽も多数。