Slackの機能をメタバース・アプリ化してみたら
みんな大好きコミュニケーションアプリ『Slack』の機能をメタバース・アプリ化してみたら?と考えてみた。以下、メタバアプリと略記する。
方針
VRChat、Horizon world/workrooms、Virtual desktopのような生産性向上ツールを見ていると「アバターが出てきて一緒にコラボレーションする」か「コンピューター画面を空間に置く」というユーザーインターフェースが多い。
基本はそのような方向性を前提にして、もう少し生産性アップに寄与しそうなインターフェースを考えてみたい。
前提
利用者が使うデバイスについて前提をおいておきたい。
エヴァンゲリオンの「エントリープラグ」を思い浮かべてもらいたい。パイロットが座るシートの操縦桿型のキーボード、全天球ディスプレイ、感覚フィードバック。実際には、これの廉価版のようなものになるだろう。
ゴテゴテと入出力デバイスのついたレカロシートのようなものになるのだろうか?F35のようにヘッドマウントディスプレイを兼ねたヘルメットを被ることになるかもしれない。
Slackの機能をメタバアプリ化する
Slackの主要機能ごとにメタバ化を考えてみた。
ワークスペース
メタバースの中にはテーマに応じたワークスペースが作られる。これがそのままSlackのワークスペースに対応する。
空から鳥の目で俯瞰することもできれば、アリの目で拡大して見ることもできる。
スペースを切り替えれば、周囲の風景も変わる。自分が今どこで何をすべきなのかよくわかるだろう。
チャンネル
部屋に入るようなイメージだろうか?部屋の中には、いろんな人がいる。インテリジェントなBOTもいる。
視線を向けて(メンションみたいな役割)お話することもできる。
メッセージ
非同期・テキストコミュニケーションを実現するSlackの主たる機能。
自動校正、自動翻訳機能がほしいところだ。TwitterやFacebookでのメッセージ翻訳機能のようなものだ。
入力は音声でもキーボードでも、使いやすいものを選べば良い。
今は上から下に向かって時系列にメッセージを並べ、スレッドを使って階層化している。これに加えて、三次元空間にマインドマップのようなネットワーク構造で表現することもできる。
共有
画面共有は自分のアバターを表示させて、その周囲に共有したいデータを浮遊させておく。引き寄せてみてもらってもよし、遠目に見てもよし、好きな空間に配置しても良い。
今までのような二次元のデータでも三次元動画データでもよい。表現力は格段に増すことになる。
データを作るツール自体もメタバアプリとして進化するだろう。グーグルのTilt brushを触ったことのある人なら容易に想像できるだろう。
オフィスアプリ製品やデザインツール、アプリ開発のIDEもコンテンツのリッチ化に合わせてメタバアプリ化していく。
ハドルミーティング
複数名での音声会議機能であるハドルミーティング。概ねそのままだろうが、会話している人の方向についての情報を付加しても良いかもしれない。
例えば、重要な人は正面で、サポーターは隣といった具合だ。こそこそ話もできると良い。
スレッド
これは、メッセージによる対話の履歴だ。
メタバアプリなら、前の対話の記録を見るためにスクロールする作業は無くせる。なんといっても無限に広い画面があるのだから。
時計の針をくるくると逆回しにすると、昔のメッセージが見えるようになっても良い。
サイドバー
ここはワークスペース全体を見渡せる場所だ。すべてのチャネルへのハブになる場所。
Slackでは、チャネルが多すぎると視認性が悪くなる。
リストではなく地図のようなもの(ウインドウズのスタートメニューみたいなもの)を天頂方向に貼り付けておいてもよい。上を見上げると、地図があり、選べば好きな部屋(=チャンネル)に飛ぶことができるのだ。
メンション
この機能の実現にはハプティックデバイスかぴったりだ。肩を叩かれたり、声をかけられたり、いろんな方法でメンションされるようになる。
Bot
秘書やペット、家具を配置しても良い。それらに様々な役割を与えられる。その他のメタバアプリとの連携も重要だろう。
まとめ
試みにSlackを贄にしてメタバアプリを考えてみた。ただのVR化といった感じになってしまったが、私の想像力不足なのでご容赦いただきたい。
メタバースというキーワードのもと様々な技術が登場してきている。それらを横目に見ながら、更に考察を進めていきたいと思う。