カップルでも夫婦でもやったらあかん争いは「勝ち負け」やの #4 妻のパンチライン
オムツ替えて、荷物の再確認して、靴を履かせて……なんで5分で出発できると思ってんの!? 「それ、私の言いたかったこと!」と、全国の妻たちの共感を集めている、ツイッター発の話題本『妻のパンチライン』。切れ味鋭くも、愛情深い言葉の数々は、夫婦にとって本当に大切なことを思い出させてくれます。そんな本書の中から、思わずシェアしたくなる「パンチライン」を厳選してご紹介します。
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夫婦は「チーム」なんだから
「カップルでも夫婦でもやったらあかん争いは、勝ち負けやの。稼いだほうが勝ち? 家事したほうが勝ち? こんなの右手と左手でジャンケンして、勝敗決めるようなもの。チームなのよ。相手の動きが悪くてもダメなとこあっても、その裏側の才能を見ないと。自分もロクでもない世界に住むことになるやろ」
私の場合、いろんなことが重なって自分の限界がきた時、絶対に生産的な話にならないと分かっていても売りたくなる喧嘩があります。それは「私のほうがやってる合戦」です。
あなたは稼いでるけど、育児に休日はないし、何もしなくてもみんなお腹は減るし、部屋は散らかる一方。仕事から家庭へシーンが一つ変わるだけで実質タスクゼロになるってうらやましいなと、感謝も忘れて恨めしく思うことがあります。
このままエスカレートして爆発することもありますが、「あれ? 私なんでこの人のこと好きなんだっけ?」と出会ったばかりの初期の記憶にできる限り巻き戻すようにしています。ちょっと怖い言い方をすると、現状と過去を天秤にかけているんです。文句は忘れにくいんですが、良いところって日常にかき消されやすいので、素敵なところを思い出す筋トレをしています。
夫は、結婚当初アマゾンの僻地に住んでいたのかと思うぐらい家事を知らない原始人でしたが、そこそこ家事ができるビジネスパーソンならぬホームパーソンになりました。新卒で入った会社をすぐ辞めた割には、素直に妻式家事を受け入れてくれています。
そんな夫を見て、「家事の知識が広がることで女性へのリスペクトが仕事にも現れはじめているかも、ムフフ」と、自分に都合よく転換してモチベーションを調整しています。
「この男の妻は(怒)」と心をかき乱される女性を一人でも出さない世の中に、私も一役買っている、そうだ、まだまだ育て合うぞ、と私のなかの天使と悪魔の喧嘩をいなしています。ですが、高確率でエスカレートすることは、今はナイショに。
「かわいい?」って聞かれたら
「どう? かわいい? って聞かれた時に、なんて答えたらいいかわからんことあるやろ? その時の正解教えたろか。『どう? かわいい? って聞いてくるとこがかわいいなぁ!』って言ってほしいの。聞くほうも実は恥ずかしいんやから。答えとしては間違いやけど、ぽわぁーんとなるやろ。これが長期的な正解」
「かわいい?」なんてあやふやなことを聞く時って、ちょっとした不安を解消したいだけなんです。
例えば白を着たい気分だけど、シャツワンピにするかゆるいシャツにするか迷い、結局着なれてる白のワンピにしたとします。夫には、当日有効の「間違いなくイケてます」の承認印を押してほしいだけなんです。家庭の中ぐらい承認欲求を満たしてもいいでしょう?
ぶっちゃけ顔も体型も一切変わらないので、夫からすると「しょうもなっ」の質問をしていることは承知です。でもこっちは、当日限り有効でいいのでその判子をいただきたいんです。
ここで、「シャツはお尻が大きく見えるね」、などと販売員さながらのガチの返答をしてしまう人もいると思いますが、自分の容姿偏差値は痛いほどわかってる30・40代。もれなく思いやりの仇討ちがあなたに返って来ることでしょう。
だから、これぐらいざっくりとした褒め方で大丈夫だと思います。意見を聞きたい時だったら「こっちとこっち、どっちが良いかな」など最初から具体的に聞きますから。正しさより楽しさを時には選択、これでよろしくお願いします。
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