東方神起のジュンスを見て「メイクしてみたい欲求」が爆発! #2 無いならメイクで描けばいい
髪やまつ毛、眉毛など、全身の毛が生えない難病、全身脱毛症。そんなハンデを負いながら、美容系ユーチューバー・メイクアップアーティストとして活躍し、同世代から多くの共感を集めているGYUTAE(ギュテ)さん。初の著書『無いならメイクで描けばいい』は、そんなGYUTAEさんの壮絶な半生と、力強いメッセージが詰まった一冊。ページをめくるたびに生きる勇気がわいてくる、そんな本書の一部をご紹介します。
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小さい目がコンプレックスだった
外見にコンプレックスを抱えて過ごしていた中学校時代、僕がメイクに目覚める大きなきっかけがありました。ファンだった東方神起のメンバー・ジュンスがソロデビューすることになり、今までの印象とは大きく変わったビジュアルが目に留まったんです。
ブラックのアイシャドウで大胆に囲んだ目元、陶器のように白い肌……。もともと男らしい顔立ちの彼がメイクをすることでどこか妖艶な、独特の世界観が生まれていました。
女性が同じような濃いメイクをしていてもなんとも思わなかったのですが、ジュンスを見て「男性もメイクでこんなに変われるんだ」と衝撃を受けたんです。
早速、ジュンスのビジュアルを真似してみたくなって、初めて自分でメイクをしてみました。メイクの手順なんてもちろん知らないから、ジュンスの写真を見ながら、すっぴんの目元に黒いアイシャドウを塗っただけ。
それでも、自分のコンプレックスだった小さい目に強さが生まれて、魅力的な目元に変わったんです。
その時、冬だったのでストーブがあって。赤いあかりの前でひたすら自撮りして、盛れてる写真を見て自己満足。メイクの楽しさを初めて体験した瞬間でした。
メイクは魔法のようなもの
母もメイクをするのが好きで、コスメをいっぱい持っていました。彼女もメイクですごく顔が変わるタイプで。僕のベッドの横にドレッサーがあったから、メイクをしている姿をずっと見ていました。
もしかしたら、幼いころからメイクに対する興味は持っていたのかも……。コンビニに行くにもしっかりメイクをする母は、いつも素敵でカッコよかった。そんな母と、メイクしたジュンスの登場で、僕はひっそりとメイク人生をスタートさせました。
それからは、周りに内緒で隠れてメイクして、ひたすら自撮り。さらにTwitterアカウントを作って、盛れた写真をこっそりアップしていました。
メイクは母や兄姉が帰ってくる前に全部落とすのがお約束。母のコスメを借りてメイクをしていたし、周りにメイクをしている男の子はいなかったから、犯罪に手を出しているくらいの気持ちでした。それこそ「親にバレたら殺される」くらいの緊張感……。
それでもやっぱり、僕はメイクをやめられませんでした。メイクをした時の、自分が変わる感覚がたまらなくて。
凹凸があまりなくて覇気のない自分の顔が、黒いアイラインを引くだけで目つきが変わって雰囲気もガラッと変わる。それがすごく、自分が強くなれたような気がして。
メイクをすることで自分のコンプレックスも活かすことができる。違う自分になれる。メイクは魔法のようなものなので、自分にすごく自信が持てたんです。
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