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「五文字会話」をやめるだけで家族はもっと円満になる! #3 「わかってほしい」をやめる教科書
仕事がうまくいかず、落ち込んでいる人。親しい人を亡くし、もう二度と会えないと悲しみに暮れている人。人間関係や恋愛がうまくいかない人……。東日本大震災を「予知」したことで一躍話題となり、『聞いてビックリ「あの世」の仕組み』など、多数のベストセラーを世に出してきた松原照子さん。『不思議な世界の方々が気づかせてくれた「わかってほしい」をやめる教科書』は、そんな松原さんによる「心が楽になる人生のヒント」が詰まった一冊です。中身を少しだけご紹介しましょう。
* * *
言葉を最小限にしていないか
ご家族との会話を楽しんでいますか?
明日も明後日も顔を合わせるからと、話す言葉を最小限にしていませんか?
日本語って、便利です。
その気になれば、五文字以内で会話ができるのですから。
「いる」「いらない」、「食べる」「食べない」。
「うるさい」で四文字、「うん」は二文字、「どこ行くの」と五文字で聞けば、「ちょっと」と四文字の答えが返ってきます。
メシ・フロ・ネル、なんていうのもありますね。
私はこれを「五文字会話」と名づけています。
家族だから、多くを語らなくてもわかってくれると心のどこか思っているから、家にいるときは五文字会話ですませがちなのかもしれませんが、言われたほうは、心が凍ります。
今どきのロボットだって、もっと心のこもった会話ができますもの。
それに、人間なんて勝手なもので、自分が五文字会話をしていることは棚に上げて、家族からは優しくされたい、かまわれたいと思ったりします。
こんなことを書いている私も、ひとさまのことは言えません。いけないなあ、と思うのですが、つい言葉が短くなったり、ぶっきらぼうな態度を取ったりすることがあります。わが娘に、この場を借りて「ごめんなさい」。
「相手の名前」をつけて話そう
さてさて、私と同じような反省をなさっている方は、次なることをご一緒にしてみませんか?
まず、ご家族に対してしっかりと気持ちを向ける時間を一日のなかで一分以上つくりましょうよ。
たった一分です。
三分と言いますとね、歌謡曲を一曲歌える時間です。
「行ってきます」で六文字、「ただいま」は四文字、「お帰り」も四文字。
今までご家族に「行ってきます」も「ただいま」も言っていない人は、これだけで十文字増えます。この言葉に相手の名前をプラスすると、もっと言葉の量が増え、家族の心が和みます。
もちろん職場でも、ご挨拶の言葉を増やすと、仲よく働けると思いますよ。だって、「〇〇さん、おはよう」と名前をつけて挨拶されたら、朝から気持ちがいいではありませんか。
家庭は会話しだいで娯楽の場になるし、家族は心を通いあわせる同志にもなり、もっと助けあうこともできて、すばらしい住みかになります。
人と話すことが苦手だと言う人がいますが、苦手ではなく、人と話すのが「邪魔くさい」のかもしれません。弁の立つ人はそんなに多くいませんし、おしゃべりな人だから話の内容が楽しいとも決まっていませんもの。
日頃から、ご自分の気持ちを「素直に伝えたい」と思っていないと、自分らしさがひとさまに見せられなくなります。
だからといって、無理に話の中に入ろうとしなくてもよいのです。ただ、五文字会話ですませることはやめていただきたいと思います。
言葉は人間の特権です。
「ありがとう」「ご苦労さま」「がんばってるね」、こんな言葉を言われると嬉しくなりますが、この言葉の前に「いつも」をプラスするだけで、言葉が輝きはじめます。「いつもありがとう」なあんてね。あなた様がだれかに言われたい言葉は、だれもが言われたい言葉です。
「大好き」「愛してる」、こんな言葉を待つ前に、ご自分から家族や恋人に言ってみてはいかがでしょうか。きっと、よいことが起きますからね。
話せる相手がいるだけで、
幸せなのだと気づこうよ。
「いつもご苦労さま」「大好き」「愛してる」
自分がほしい言葉を相手にかけてください。
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