阿佐ヶ谷姉妹のひそかな夢…今のアパートを買い取ってみんなで住みたい!
現在、人気急上昇中の女性お笑いコンビ、阿佐ヶ谷姉妹。今年、文庫化された唯一の著書『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』は、異例の発売即重版が決まりました。最近まで、阿佐ヶ谷の小さなアパートでふたり暮らしをしていた二人。そのちょっと不思議で、心が温かくなる生活をつづった本書より、妹のミホさんのエピソードをご紹介します。
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忍び寄る「老化」の足音
今、私は43歳ですが、けっこう若いんじゃないのなんて思っておりました。でも近頃あれ? 老化かな? と感じる事が多くなってきました。
大学生を見ても中学生くらいにしか見えませんし、三代目J Soul BrothersのメンバーもHey! Say! JUMPのメンバーもわかりません。どのジャニーズのグループだったら全員言えるかしら? としばし考え、SMAPのメンバーは時間がちょっとかかりましたが言えました。
姉もこの前、吉田照美さんの事をずっと吉田茂吉田茂と言っていました。炭酸を飲むのもなんだかキツイし、白湯が体に沁みまくる今日この頃です。
体の老化も感じておりまして、白髪はもちろん、以前から首にポツポツと小さいいぼみたいなのが出来始め、なんだろうと調べてみると皮膚の老化現象「老人性いぼ」と書かれていて、老人性! とショックを受けたり、風邪をひいた時に鼻をかみまくっていたら、鼻の下の皮膚がガビガビのまま2ヶ月位再生せず、背中の一部分もボリボリかいていたらまったく再生しなくなり、皮膚も半分死んでいるような状態です。
最近は腰も痛かったりするので、先に調子が悪くなった姉がなかなかいいと通っている整骨院に一緒に通いだし、ずらっと並んだ治療台に、姉や他のおじさんおばさんと並んで、体を揉んでもらっております。
最初に整骨院に行った時に先生に言われたのですが、顔、頭、手足、肩腰とにかくすべてがカチカチなんだそうです。ザブングルの加藤さんもびっくりなカッチカチやぞなのだそうです(泣)。
姉に、私の老化してる所どこだと思う? と聞くと、同じ事を何回も言う所だと指摘されました。ちょっと開いてる引き戸を見ると、
「あの隙間は猫が通りそうだな」
と必ず言うそうです。なんじゃそりゃ!
私だけじゃなく、姉もある夜鏡を見て「あら、顔が凹んでる、凹んでて短毛の猿くらい顔毛が生えてるわ」とぞりぞり剃っておりました。これも……うん、老化ですね。とにかくもう新手の老化が日々押し寄せてきて止まらない状態です。
最近、家の掃除機が壊れて電源も入らなくなったので、どうしよう3000~4000円でも買えるけど、人生で1回位良い掃除機を買ってみたい……はっっ人生で1回位なんて考えてしまった。みほ43歳人生の後半に入っているのだわと実感した瞬間でした。
私たちの老後はどうなる?
老後どうなるのだろう? たまに考える時があります。
私は丑年で動作ものんびりしてるので、長生きするのではと思っているのですが、姉は子年でチャカチャカ無駄な動きが多く、遅刻しそうな時は全速力で駅まで走っているし、見ていると自分の背後の意識が全然ないので(牛よりネズミの方が早死にですし)、いつか何かやらかすのではと思っております。
とはいえ、若い時に戻りたいとは思いません。20代半ば、お芝居がしたいのかどうしたいのか、よくわからず時間を持て余して、事務のアルバイトに遅刻ばかりしながら通っていました。
仕事中にこっそり、その当時から好きだったシティボーイズのきたろうさんのブログを読んだり、コンビを組む前の姉に手紙を書いたりしていました。コピー用紙にダルマの絵を自分でたくさん描いて便箋がわりにし、アルバイトのグチや、好きだったボキャブラ天国の感想などを書いては、ジャイアント馬場さんの顔のアップの切り抜きと一緒に送りつけたりしていたのです。
阿佐ヶ谷姉妹を結成する随分前から、私の変なノリを一番面白がってくれたのが姉だったからかもしれません。その頃のやりとりが、今の姉妹につながっているのかしら。
話はそれましたが、思い返してみるに、あんな、もやもや20代には戻りたくないと思うのです。
今は向いているのかわかりませんが、お笑いの仕事もいただいておりますし、好き勝手に生きておりますし、結婚もしなそうですし、気軽っちゃあ気軽です。
今後は、いぼは取って健康診断を受けるようにして、ストレッチをして納豆をたくさん食べて暮らしていければなと思っております。
ひそかな夢は、今住んでいるアパートを姉妹で買い取って、母や独り者の友達とみんなで住むこと。でもみんな集まっちゃうと近すぎて面倒かな? でも近い方が助け合いが出来るかしら? 姉妹で買ったら相続する時揉めると困るかな?
私はひとりっ子だから相続する人いないから大丈夫だわ、その前にアパート買える位お金貯まらなそう。貯まらないか~困ったわ~などと明け方に、コタツに半分入りながら、とりとめなく考えたりしております。