夫婦は最小でありながら「最強のチーム」。私たちも仲良しでいよう #5 妻のパンチライン
オムツ替えて、荷物の再確認して、靴を履かせて……なんで5分で出発できると思ってんの!? 「それ、私の言いたかったこと!」と、全国の妻たちの共感を集めている、ツイッター発の話題本『妻のパンチライン』。切れ味鋭くも、愛情深い言葉の数々は、夫婦にとって本当に大切なことを思い出させてくれます。そんな本書の中から、思わずシェアしたくなる「パンチライン」を厳選してご紹介します。
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「天然記念物」みたいな夫婦になる
「お互いに敬意を持ち、心から支え合ってる関係は天然記念物よ。存在するだけで周りを幸せにする。子どもは両親が仲良しだと自信を持って自立する。大人も仲良しの夫婦を見ると人生が前向きになる。時には病気や障がいも超えていく。カップルは最小でありながら最強のチーム。私たちも仲良しでいよう」
夫婦仲が良いことの価値は、社会的に軽く見積もられていると思います。
はじめの子が1歳8か月になった時、フリーランスとして社会復帰をしたことがありました。一時保育を利用して子どもを預けて、仕事時間にあてました。家庭と育児に軸足を置きたいと考えていましたが、いざ仕事がはじまると調整しなければならないことも多く、思うように進まないことだらけでした。
余裕がなくなると夫婦でもコミュニケーションが雑になり、家庭のことを仕事の邪魔をする面倒事とすら思ってしまうこともありました。時間はあるけど気力が残っていなくて、夕飯にコロッケと惣菜を買って帰ることも多かったです。
「家事って自分じゃなくてもできる地味な作業だし、達成感も感じにくくて切り換えてモチベーションを上げてするほどの大役でもない。誰かが自分の代わりにやってくれるなら関わりたくない。だって家事って得ないやん」。
そんな自分の本音が突き刺さったお陰で、初めて夫の目線が見えてきました。短時間労働するだけでこんなに面倒に感じてるのに、一日中働いている夫は本当に良くやってるなと感心すらしました。
そうか、主婦として私のやらなければいけないことは、夫の面倒くさいことだったんだなって発見したのは、社会復帰以上の資産です。家事は夫婦でやって当たり前でしょってノリは、自分の靴下を洗濯カゴに入れるのすら面倒くさい人に、伝わるわけがありません。それを前提にすると、頼み方も変わります。
相手を労っての「ありがとう、あなたがいると本当に助かる。疲れてるのにこんなにしてくれて嬉しい」という感謝の言葉が、何か頼む時のセットになりました。
お父さんはミッキーマウス?
「リモート会議終わったら公園に来て」と妻からLINEが。「夕方だしどうせもう帰ってくるでしょ?」と返すと、妻が、
「あなたが公園に来るだけで、子どもたちはディズニーランドでミッキーと遭遇したみたいに、わぁ~! って駆け寄ってくるやん? たった5分であんなに感動させられるのよ。そんな仕事ある?」
家族みんなが幸せになれる視点は、妻の中に眠っていることが多いと思います。夫一人では引きだせない価値観だからこそ、あえて言葉にして伝えることを意識しています。
お父さんって家族のシンボルなんです。こんなに無条件に歓迎される大役は、ミッキーマウス以外になかなかいないと思います。
平日の公園にお父さんが登場することは、本人が思っている以上に、子どもにとっては一大イベント。仕事よりも優先して自分のためにわざわざ来てくれたというのは、承認欲求の大きな満足に繋がります。
そこに気づいていない過小評価のお父さんって多いと思いますし、無意識のうちに諦めてしまっているお母さんも少なくありません。でも私は、妻として夫に子どもの目線からの新しい価値観を吹き込むことは優しさだと思います。
結果、お父さんの時間の使い方が変われば子どもたちも嬉しいし、子どもたちに喜んでもらうことで夫も嬉しい。こんなに良いことってないと思います。
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