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何度も聴きたいロック名盤をご紹介 ⑭

アーティスト:エコー&ザ・バニーメン
名盤:オーシャンレイン

エコー&ザ・バニーメン(Echo & the Bunnymen)はイギリスのポストパンクバンド。耽美な音世界を築き、1980年代前半のネオサイケ・ブームの中で人気を博しました。
6枚のアルバムを発表した後、1993年に解散しますが、1996年に再結成を果たします。
1978年にイギリスのリヴァプールで結成され、メンバーはボーカリストのイアン・マッカロク、ギタリストのウィル・サージェント、ベーシストのレス・パティンソン、そしてバンド名の由来にもなったドラムマシンの「エコー」です。
1979年に地元のインディーレーベルからシングルを発表した後、1980年にピート・デ・フレイタスが「エコー」に代わってドラマーとして参加、こうしてメンバーが揃いました。
僕にとってエコー&ザバニーメンとの出会いは衝撃的でした。「キリングムーン」を偶然にFMラジオで聴いたのですが、その瞬間身体に電気が走った感じで数秒で虜になりました。
『OCEAN RAIN』は1984年に発表されたECHO & THE BUNNYMENの傑作4thアルバムです。
ジャケットをそのまま音にしたような、あまりにも清冽で美しいアルバムで、バンドの最高傑作に位置付ける作品かと思います。
地元リヴァプールとパリでレコーディングされたこのアルバムからは、「Silver」全英30位、「Seven Seas」全英16位、そして全英9位の「The Killing Moon」が生まれました。
通して聴くと整合された雰囲気があり、コンセプト・アルバムのような感覚も覚える、溜息の出るような美しさ、あっという間の37分です。
印象的なジャケットは、イギリス・コーンウェルにある採石場跡で撮影されました。

主なアーティスト
イアン・マッカロク  –  ヴォーカル、ギター
  ブルージーで粘りがありエモーショナルな声、表現力。伸びのある太い声      は時々ホーンのように聴こえたりする。
  公言する影響を受けたミュージシャンは、ジム・モリソン、ヴェルヴェッ      ツ、デビッド・ボウイ、レナード・コーエンなど。
ウィル・サージェント  –  ギター
  リバーブなど空間系のエフェクターを巧みに操るギタリスト。
  フェンダー、グレッチ系の粒立ちの良いギターの音色と攻撃的なハイ・テ      ンションのキレの良いカッティングが持ち味。

1 "Silver"
アコースティック・ギターのイントロに導かれダンサブルなリズムが心地良いオープニング・ナンバーです。
歌のバッキングとギターソロのバッキングでストリングスの入れ方をはっきりと変えているアレンジが素晴らしい。

2 "Nocturnal Me"
ストリングスとホーンのアレンジが素晴らしく、異国情緒漂うゴシック・ロック。荘厳な1曲に仕上げられていてリラックスして聴けます。

3 "Crystal Days"
爽快なポップなナンバーで新境地を開いた感がある。イアンのリズム・ギターがカッコいいし、ウィルのギターリフは音色がマージー・ビートしています。

4 "The Yo Yo Man"
イアンの歌声が重なり合う陰鬱なサイケデリック・ロックです。
ブラシを使っていると思われるドラムがドライブするグルービーな印象。イアンのツイン・ボーカルも凝っていて凄みすら感じます。

5 "Thorn Of Crowns"
静と動の対比が凄い、エキセントリック&アヴァンギャルドなプログレか。
オリエンタルなムードのトリッキーなリズムの曲で、統制の取れた演奏は、唯一無比としかいいようがない。鬼気迫るイアンのボーカルも素晴らしい。

6 "The Killing Moon"
ノスタルジックな哀愁メロディにのせ人生、運命を歌う佳曲。ミディアム・ナンバーのヒットシングル。ソロ部分のギターとベースの対位が何度聞いても感動してしまう。
特徴的なイントロ&サビが好き。80年代の隠れ名曲だが邦盤シングル未リリースの不遇曲。

7 "Seven Seas"
これぞネオアコな優美なポップ・ソング。
軽快なテンポのヒットシングル。リバプールライクなギターリフがいい。

8 "My Kingdom"
癖のある歌声に癖のあるギターがマッチしたギター・ロックです。
印象的なベースラインはイアンのツイン・ボーカルがクールな1曲。音のメリハリ、明暗、陰陽の対比が問答無用のカッコ良さ。

9 "Ocean Rain"
波間を漂うような雰囲気が良いメロディアスなバラードです。
ブラシとウッド・ベースを使用しているのか、音があたたかい。アルバムラストを飾るに相応しい、全てを洗い流していくような美しいクロージング・ナンバー。
イアンの渾身のボーカルがいつまでも耳に残る名曲です。

以上が今回のアルバム評となります。ロック入門の一助になればと思います。ご参考になればうれしいです。

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