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[DWCS]強者たちのUFC入り

先日行われたDWCSのシーズン7・Week9で、UFCの頂を目指す強力なファイターたちがUFCと新たに契約を交わした。

Week9ではバンタム級が1試合、ウェルター級が1試合、そしてライトヘビー級が2試合と比較的重量のある階級のファイターが集められている。

強敵・マゴメダリエフを退けたマウリシオ・ルフィ

引用元 Credit: Getty/UFC

UFCミドル級で未だ負けなしのカイオ・ボハーリョと同じ「Fighting Nerds」に所属しているマウリシオ・ルフィ(9-1)は、ダゲスタンの強豪レイモンド・マゴメダリエフ(10-1)とUFC入りを賭けて試合を行った。

ONEでの試合経験もあるマゴメダリエフはフィニッシュ率が高く危険なファイターであるが、ルフィは的確なディフェンスで打撃を防ぎながら、対処の効く距離をなるべく保つようにして徐々に自分のペースを作り上げていった。

その中で優劣を分けるポイントとなったのが“カーフキック”。

マゴメダリエフもルフィに対してカーフを放っていたが、ルフィの方がディフェンス処理が上手かった。

得意な距離に入り込めないまま徐々にカーフを効かされていったマゴメダリエフは強引に前へと出るが、バックステップかガードで凌がれてしまい思ったような攻めが出来ずにいた。

そんなマゴメダリエフに対してルフィは徐々に有効打をヒットさせ始める。

足を効かされ攻撃が届かずパンチをもらうようになってしまったマゴメダリエフとは対照的に、立ち上がりから一つ一つ積み上げてきたルフィは試合作りに成功していた。

最後はダメージとスタミナで消耗したマゴメダリエフをルフィがきっちりと捉えてTKOで試合を締め括っている。

タフで劣勢の状態にあっても脅威を残すダゲスタンのファイターをしっかりとフィニッシュ出来たマウリシオ・ルフィがUFCでどのような活躍を見せるのか、今後に期待が寄せられる。

圧倒的なオッズ差!KHK MMAのマゴメド・ガジヤスロフがUFCへ

引用元 Credit: Getty/UFC

ロシアからバーレーンへと帰化したKHK MMA所属のガジヤスロフは7勝0敗の戦績を持つライトヘビー級のファイター。

しかも7勝中6勝がフィニッシュによるもので、その能力の高さを伺わせている。

−1000という圧倒的なオッズ差がある中でガジヤスロフとぶつかったのは、ホセ・ダニエル・メディナ(11-2)

こちらもガジヤスロフ同様にフィニッシュ率の高いファイターではあるが、ガジヤスロフと比べるとサイズや技術に差がある印象。

ボーニッカルが相手を粉砕した時のようなオッズ差が見られる組み合わせは1Rから大きな差を見せる展開となった。

入り込めないメディナを強力な打撃で痛めつけるガジヤスロフが圧倒しており、そのまま勝負決めてしまう勢いを見せていた。

実際ガジヤスロフにはそれくらいの内容が求められていたかもしれない。

しかしメディナは1Rをなんとか凌ぐと2R・3Rも生き残り、不敵さを見せながらガジヤスロフの為の試合にはさせなかった。

試合はもちろん圧倒的なポイント差をつけたガジヤスロフの勝利ではあったが、アンダードッグでありながら意地を見せたメディナの印象も残ったようで、なんとこの試合では敗者のメディナも合格することとなり、UFC入りを決めている。

この試合では決めきれなかったが、ガジヤスロフの脅威は今後UFCの舞台で存分に発揮されるのではないかと思う。

戦績豊富なベテランがUFCに参戦

引用元 Credit: Getty/UFC

30歳という年齢で24勝4敗という戦績を誇るベテランファイターのビクトル・ウーゴが、16勝1敗と勢いのあるエドゥアルド・マティアス・トーレスを退けてUFC入りを決めた。

サブミッションによるフィニッシュが得意なウーゴに対して、組みの展開でも勝負することが出来ていたトーレスは打撃でも圧力を掛け、果敢に攻め込んでいた。

しかし経験値と技術の差がスクランブルなどの際の部分に現れてしまい、足を取られたトーレスはウーゴに膝十字を極められてしまった。

ストライキング・グラップリングどちらでも果敢に攻め込んでいたトーレスではあったが、経験豊富なウーゴを攻め落とすことは出来ず、ベテランが上手さを魅せる結末となった。

強さを見せたホドルフォ・ベラト

引用元 Credit: Getty/UFC

Week9のラストマッチはライトヘビー級の一戦。

ガジヤスロフ同様、KHK MMAからやってきた6勝0敗・3KO/TKO・3サブミッション、フィニッシュ率100%でIMMAF選手権覇者という厳つい経歴を引き下げるのはムルタザ・タルハ

それを迎え討つことになったのがホドルフォ・ベラト(10-2)だ。

10勝中9のフィニッシュを持つベラトはLFAのライトヘビー級暫定王者でもある。

彼にとってコンテンダーシリーズの挑戦はこれで2度目となっており、成長を見せる機会でもあった。

相手は勢いと実績のあるムルタザ・タルハ、これを超えれば文句なくUFC入りという試合でベラトは実に上手く戦った。

自分の距離からカーフを効かせてリズムを作ったベラトはタルハを後手に回らさせていたが、首相撲からの膝でダメージを稼ぐことを狙い過ぎたことで逆にリーチの短いタルハの攻撃をもらうことになってしまう。

それで勢いに乗ったタルハは距離を潰してグチャグチャの展開から打撃を当てる流れを掴み、結果的に良い流れで1Rを終えることになる。

しかし2R目からベラトはこれにしっかりと対応し、処理能力の高さを見せた。

ベラトは2R以降、首相撲の形をとってから膝を警戒させつつタルハよりも先に頭部への打撃をヒットさせるようになり、組み展開での優位性を奪い返すと、組んでの打撃or膝蹴りといった具合に選択肢を増やして迫ることでタルハに防戦を強いらせて手を出せなくさせた。

突破口を失ったタルハはタックルなどを仕掛けてベラトを崩しに掛かるが、悉く挫かれてベラトの攻撃に晒されると、2R終了間際に力尽きてしまい3R目に持ち込むことは出来なかった。

このような結果で幕を閉じたDWCS・Week9では、非常に優れたパフォーマンスを見せたファイターたちが新たにUFC入りを果たすことになったので、各階級の戦いはさらに盛り上がっていくことになるだろうと思われる。

彼らのUFCデビュー戦がこれから楽しみだ。


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