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Peavey invective MHを手に入れてしまった話

バンド活動にBOSS ME-90というマルチエフェクター(プロセッサー)をメインに使っていた私ですが、遂にヘッドアンプに手を出してしまいました。

というわけで、その経緯についてつらつらと書いていきます。


経緯

宅録ではHelix Rackを長年使っており、少し前のアップデートでPeaveyの "invective. 120" のモデリングが追加されました。

このinvective. 120は、名の知れたギタリストMisha Mansoorのシグネイチャーモデルとしてリリースされたヘッドアンプで、所謂モダンなメタルサウンドを鳴らしてくれます。

これがHelixに追加されるまでは、Marshallのゲインをあげたやつだったり、LINE6のオリジナルモデルだったりを使っていました。

ちなみに私の激推し実機アンプはDiezel Herbertです。しかし、少し前に追加されたDiezel VH4(?)のモデリングは求めていたサウンドではなかったので仲良くなれませんでした。

というわけで、「好きなバンドのギタリストのシグネイチャーが悪いわけないやん」という気持ちで試したらひっくり返りました。

最高〜〜〜〜〜〜〜〜

ということもあり、最近はこのモデルの入ったプリセットを9割型使って録音していました。残りの1割はクリーン(JC)やクランチ(Marshall)です。

ME-90の音色も「JUGGERNAUT」を使っています。このネーミングで想起されるアンプの種類は限られています。

私のME-90の話は↓

JUGGERNAUTといえば↓

そして気がつきました。

クリーンと歪みの2chしか使わないなら、このモデルの実機があれば優勝じゃないか…?

元々ミニヘッドが市場にあることは認知していたので、流れるように試奏、そして購入に至りました。


機能・スペック

このアンプの良いところは、必要最低限を的確に網羅しているところにあります。

使わない機能なんてないんじゃないかと思うぐらいには、フロントパネルとリアパネルを自分好みに設定することができます。

1パーツずつ良いところを言えるのですが、そうするとキリがないのでざっくり挙げるとこんな感じ。

  • 歪み/クリーンの2ch(TIGHTを合わせると3ch)
    →フットスイッチで切り替え可能

  • センド/リターン
    →フットスイッチでON/OFF可能

  • ノイズゲート/ブースター
    →フットスイッチでON/OFF可能(同時)

  • スピーカー、ロードボックスがなくても使える
    →キャビネットシミュレーター有りのラインアウト、ヘッドフォンアウト

  • 1W/5W/20Wで出力を切り替え可能
    →家でもスピーカーでギリ鳴らせる

  • マグナカートで持ち運べるサイズ

↑はスペックを観たらわかることなので、この記事を見なくても伝わるはずです。

検索が面倒な人は逸品館さん(公式サイト)でスペックを確認してください。


使用感

おそらくこの記事に辿り着いた人が気になるのはココだと思います。

実機を入手後の使用感を前項の箇条書きのところを順にコメントしていきます。


歪み/クリーンの2ch(TIGHTを合わせると3ch)

個別にゲインを設定可能なクリーンchとリード(歪み)chがあり、付属のフットスイッチで「クリーン↔︎リード」、リードchのTIGHT「ON↔︎OFF」の合計3chを切り替え可能です。

クリーンchは、JC-120やパワーアンプ直のようなクッキリとしたサウンドがそのまま出てきます。

  • GAIN:音量

  • LOW:低音域

  • HIGH:高音域

リード(歪み)chは、結構ガッツリ歪みます。

  • PRE GAIN:歪み

  • LOW:低音域

  • MID:中音域

  • HIGH:高音域

  • POST GAIN:アウトプットボリューム

リードch時にTIGHTスイッチを押すと、ゲイン量が減ってEQ補正がかかるので、クランチ〜オーバードライブになります。

複雑なシステムを必要としないバッキングギターのようなポジションだと十分な機能性だと思います。

残り二つのノブでプリアンプ後のパワーアンプの感触を調整します。

  • RESONANCE:超低音域

  • PRESENCE:超高音域

Marshallの一般的なモデルに触り慣れている人なら特にこの辺りは問題なく操作できるはずです。


センド/リターン

モノラルのセンド/リターンがついています。

自分はセンド/リターンにBOSS RE-2(ディレイ+リバーブ)を入れています。

フットスイッチでセンド/リターンのON/OFFも可能ですが、付属のフットスイッチが一つしかないので、チャンネル切り替えに使っている人は実機を直接ON/OFFする必要があります。

私は純正品をもう一つ買い足しました。


ノイズゲート/ブースター

値があらかじめ設定されたゲート機能がついています。

設定値はあまりエグくないので、演奏しない時の「ブー」や「ジー」という音がいい感じに消えてくれます。

フットスイッチを使用する場合は、ブースターのON/OFFと兼用なので注意が必要です。


そしてできたのが以下のシステムです。

2024年4月現在

Shure GLXD16+(ワイヤレス)

SOUND FROG MERMAID(歪み)

ジャンクションボックス(黒)

アンプ(プリアンプ)
センド

ジャンクションボックス(緑①)

BOSS RE-2

ジャンクションボックス(緑②)

リターン
アンプ(パワーアンプ)

スピーカーキャビネット

フットスイッチのケーブルを束ねているのは少々ダサいですが、純正品のケーブルを切りたくなかったのと音質に関係ないので……

  • ジャンクションボックス(緑③):チャンネル切り替え

  • ジャンクションボックス(緑④):センド/リターンON/OFF、ノイズゲートON/OFF(ブーストは使わないのでアンプ側でOFF)

個人的に嬉しかったのは、緑(?)のジャンクションボックス(Studio Daydream)がTRSに対応している点です。

これのおかげでフットスイッチのケーブルごとボード内に組み込むことができました。

一見複雑そうですが、マルチエフェクターではブロック3-4個でできるシンプルなシステムです。

「じゃあマルチエフェクターで完結させてしまえばいいじゃないか!」と思われる方はマルチを使ってください。


キャビネットシミュレーター

リアパネルのXLRアウトとヘッドフォンアウトからキャビシミュ(MSDI)ありのサウンドが出力可能です(ON/OFF可)。

自宅練習やレコーディングで使えます。

値は固定なので、好みは分かれるかもしれません。


1W/5W/20Wで出力を切り替え可能

ありがたいことに出力の切り替えができます。

1Wって意外と音がデカいので、賃貸やマンションで使えるかというと微妙です。

練習に使うならXLRアウトからモニタースピーカーに出したほうがいいかと思います(自分はそうしています)。

スタジオやライブハウスでは20Wにして使っています。

ライブハウスだと、マイキングされていたり、ラインアウトからPA卓に送る設備があったりするので、20Wで物足りないっていうのはあまり考えられません。

どちらかというと、スタジオ練習で他の楽器に埋もれてしまう可能性があるので、その時はXLR等を駆使して対応すると良いかもしれません。


サイズ

Kemper(かまぼこ)と同じぐらいのサイズ感です。

専用のケースは残念ながら販売されていないみたいです。

Kemperの専用ケース買おうとしたらどこにも売ってなくて断念しました。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/332380/

私はSKBの「3i-1610-10BC」を購入しましたが、信じられないぐらいぴったりでした。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/235883/

ピッタリすぎてフォームごと出し入れすることになるので、クッションは適宜調整が必要です。

マグナカートで持ち運べるのは電車勢として非常に助かります。


総括

真空管アンプに憧れがありつつも、障壁や懸念材料が多い人にとっては、導入のハードルの低いヘッドアンプだと思います。

敢えて言うとするなら、音作りが定まっていない人や曲ごとに設定を細かく変える人には少々難が出てくる場合があるかもしれません。

「JC-120にお気に入りのプリアンプ(結構歪む)を使う」みたいな人には合っていると思います。

「実機アンプを持つ」というギタリストの憧れを叶えてくれる素晴らしいギアです。

アンシミュ愛好家の方は、「ジャンプ本誌のお気に入り漫画の単行本を買う」的な感覚で試してみてはいかがでしょうか。


追記

デカい方も欲しいです。

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