愛機入院

1992年か3年だったと思う
渋谷オンエアの近くに小さな楽器屋があって
(今はもう無い)
たまたま立ち寄った時に目にとまった
「Karl HOFNER 500/1」を購入した

Karl HOFNER 500/1

通称「バイオリンベース」と呼ばれているこのBassは、1800年代からバイオリンやチェロを製作しているドイツの老舗弦楽器メーカーKarl HOFNER社製のエレキベースで、コントラバスやチェロと同じ構造を持っている

一般的にはなんと言ってもポール・マッカートニー氏のメインベースとして有名だが、実は僕のは彼のとはちょっと違う‥

ピック・アップと呼ばれるマイクの構造とそれをマウントしているパーツの形状が全然別のもので、当然音の感じも違う
こいつの方が音のエッジが強く、立ち上がりが鋭いキャラクターのように感じる

ネックもかなり細い

購入後、殆ど使うチャンスが無く、年に何度かケースから出して弾いてあげるくらいだったのだが、一昨年warpjamで使用し始めてから、いきなり酷使するようになった

ヘッド裏のスタンプが何故か押されていない

すると、知らない間にブリッジ側のピックアップの出力が極端に小さくなってしまい、暫くネック側のピックアップのみで使用していたのだが、エレキギターやベースにありがちなアースが落ちきっていないタイプのノイズも大きくなって来てしまい、ロックバンドならまだともかく、グランドピアノとフルートとか、最近置かれている演奏環境やレコーディングの事を考えると、早く直さないとという感じでありました

一昨日あたりからちょうどレコーディングやライブの狭間になったので、馴染みの
Repair Room Takao さんにお願いして診てもらいました

プレイスタイルや考え方、音楽活動的に置かれている状況まで理解して使用楽器と向き合ってもらえる Repair Man さんと繋がれていることは本当に心強い

電気回路の老朽化による劣化が著しく、コントロールポッドと出力ジャック交換
それにピック・アップ本体をバラしてのアースの取り直し等々
テールピースパーツの取り付け具合の修正まで様々手を入れてもらい

ノイズもスッキリ無くなった状態で戻って来てくれました㊗️

その際、取り外したパーツにあった刻印等から
このBassが1979年製だということが判りました

取り外した2基のボリュームポッド かなりの経年劣化です 製造年を示す「79」の刻印が見えます

購入した時が1992年か3年で、まっさらの新品状態
メーカー保証も付いていて、保証書には
「Made in West Germany」
とあったので、ギリギリ統一前かな?だとすると1990年くらいかなと思い、お店に聞いてみると「そうですね」とのことだったので、1990年製だと思っていた

なのに、実際は購入時より13年くらい前の1979年製
考えてみると、ポール・マッカートニー氏使用の、いわゆるよく見かける500/1とはかなり違うこの楽器の仕様は1960年代後半から1970年代の特徴的な仕様なので
1979年製と言われた方が納得出来る

じゃあ何故まっさらの新品状態であったのか?有効なメーカー保証が付いていたのか?普通はヘッド裏に押されているスタンプが押されていないのか?

購入後31年が経ち、販売店もとっくに無く、生産後45年も経ってしまった今となっては知る由もないです

ともかく今のデジタル録音の状況にも対応できる状態にリフレッシュし、これからLIVEやスタジオワークで活躍してくれると思うと、とても嬉しい気持ちです

Masahito






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