帰ってきたビンテージピアノ


現在「高木クラヴィア松濤サロン」に鎮座する
EX The Glee の New York Steinway

今年6月末に惜しまれながら閉店した
「神楽坂The Glee」
先日「偲ぶ会」にお誘いを受け渋谷区松濤にある「高木クラヴィア松濤サロン」に行きました
https://takagiklavier.com

店内に入ると開店創業当時のスタッフの皆さん、オーナーの木下さん等々、久しぶりの顔ぶれに嬉しさが湧き上がってきます

そして分かる人には分かる「初期の料理」がテーブルに並んでいます

「ピアノ!戻ってきたよ!」と指さされた先には、The Gleeの看板であった
Vintage New York Steinway が😍

競売にかけられていた所を買い戻したとのこと
「何処かのお金持ちの手に渡ってもコンディション維持が出来ない状態では楽器として死んでしまう。それだけは避けたかった」
との思いを高木さんから伺いました

音楽、楽器の価値、文化をわかっている人だからこそ出来た事だと感じました


おん年99歳になるこのピアノ🎹
2012年頃僕がPAで初めて入りそれからというもの
「悩みの種」のような時期が暫く続きました

響きが独特
音が出る方向性が複雑で、マイクで集音すると必ず
「拾いきれないよ〜💦」という周波数帯が出てきます
これでは分離が取れずオクターブ感も悪いゴテっとしたサウンドになってしまう
そこをゲインとイコライザーで処理しようとするのですが、アコースティックホールの複雑な響きと相まって、ソロならまだしもエレキベースやドラムと一緒になるとバランスの取り方聞かせ方が本当に難しい

そもそもマイクなんて使うことすらない時代
あっても上から吊り下げたノイマン一発だけとか
そんな時代のピアノです

YAMAHAのピアノはここが素直に一定方向の音の飛び方をするのでマイクに乗り易い
どんな録り方をしても音像が崩壊しない
こういうところが現代的な楽器なのだなと理解出来ます

とりあえずボーカルマイクやリード楽器だけ出してモニターだけ返して
あとは下げちゃう出さない
EQは使わない
これじゃプロの仕事とは言えませんから

毎回挑戦です

マイクのセレクト、狙い方、場の捉え方、イコライザーやコンプレッサー、ゲイン値等々駆使する中で随分色々出来るようになりました

このピアノに教えてもらった事が沢山あるのです

この子の個性的で複雑な響きに悩まされなければ知り得なかった事が沢山ある
そんな感じです

もう会うことも無いと思っていたので驚きと共に本当に嬉しかったです
なんだか人と同じですね

僕がピアノもっと上手に弾けたら更に良かったですが

ギターやベースばかりなもので😅


warp jamのアルバム「Farewell for Today」CD版限定のボーナストラックとして収録した
「PLAYGROUND」でワキマル・ジュンイチ氏によるこのピアノのサウンドが聴けます
CD版発売中 配信版は10/21より開始です

Masahito







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