会計ソフトのリプレースに挑んだら、社内の根本的な問題が浮き彫りになった話
こんにちは、jojo太郎です。
年商300億円規模の未上場企業で、経理財務の仕事をしています。
経理財務の仕事以外に、(肩書きにはありませんが)ガバナンス強化や業務フロー改善なども(誰もやる人がいないので)少しずつ行ってます。
今回は、会計ソフトのリプレースに挑んだら、いろいろ気づきと学びがあった、という話です。
社内は導入したものの本来の使い方をしていないソフト、重複している機能、連携しないソフトが横たわっていた
なんせ、私は会計ソフトをリプレースする、なんて経験は初めてです。
色んなベンダーさんと話しをして、一つ一つ手探りで学んでいく毎日。
と、そこで気づいたのは、当社が各部署で色んなソフトを導入しており、その導入具体がかなり異様である、ということ。
ソフトの異様な導入事例3つ
■事例1
当社グループ(14社)では会計ソフトを5種使っていました。
1.obic7(4社の会計ソフト・経費精算・ERP)
2.弥生会計(10社の会計ソフト)
3.Money Forward(1社の会計ソフト)
4.Freee(1社の会計ソフト、5社の出納帳)
5.スマイル(かつて使っていた会計ソフト。14社の過年度データを参照するため)
■事例2
ERP人事ソフト(obic人事)とタレントマネジメント(カオナビ)という、機能が重複しているソフトを導入している。そのため、ソフトのランニングコストが二重でかかるだけでなく、社員マスタを二重管理する工数がムダに発生していた。
■事例3
勤怠管理ソフト(ジョブカン)を導入したのに、打刻以外では活用していない。有休休暇管理を勤怠管理ソフトを使わずにエクセルで申請させ、管理している。
・・・やばいですね。
「なんでこうなった?」=各領域にプロがいないから
上記のようなことがなぜ起こるのか?なぜなぜ、で掘ってみました。
・本来の機能を活用せぬまま多くのソフトが導入されている
↓ why?
・業務フローを考えずに、新しいツールに飛びつき、導入している。
↓ why?
・新しい物好きの役員に反論できる社員が居ない。
・各部署の管理職が、業務の実務について知識不足。
↓ why?
・数年で本社内で部署異動させている。
・プロ人材を中途で採用せず既存営業社員を本社の管理職に据えている。
・管理職が自社ルール以外、学んでいない。
他にも、下記の様な事例がありました。
事例2つ
■事例4
・給与と会計で同じERP(obic7)を使っているのに、
データ連携機能を使っていない。
(給与の部門配賦を、ERPの外でエクセルで行っている)
■事例5
・人事と給与で、異なる社員マスタを使用している。
上記2例も、なぜなぜで掘ってみると
先程の3例とはまた違った問題が見えてきます。
「なんでこうなった?」=全体の生産性を上げる業務フローを考えてない
・個別業務の最適化のみで選ばれ、ソフトや部署間でデータ連携しない
↓ why?
・全体の業務を理解している人がいない。
↓ why?
・全体の業務に対して責任を負う役職(管理本部長)が存在していない。
↓ why?
・全体の生産性を上げる業務フローを考える視点が経営にない。
・・・経営課題の芯を食ってきた感がありますね。
似たようなことは他組織でも大なり小なり起こりうる
例えば、数年ごとに部署異動する役所なんて、かなり近いことが起こっているのでは。
営利法人でも、中小企業では管理本部長が機能しているところと、機能していないところがあるのでは。
コンサルに選定・まとめさせて結論は自分=賢いやり方?
組織内にナレッジが貯まっていないからと言って、ソフトの選定をコンサルに丸投げしちゃってたりしてませんか?(当社は少し前までそうでしたね・・・)
コンサルにやってもらうと、ナレッジはいつまで経っても社内に残りません。そしてコンサルへの依存度が増していきます。コンサルからアドバイスを貰うのは良いですが、手を動かすのは社員がやった方がいいです。自分たちでベンダーと話して、まとめて、考えて、意見をコンサルにぶつけて確認する、というのがいいやり方だと思います。
あなたの周辺では起こってませんか?
ソフトの乱立、起こってませんか?
ソフトのリプレースの時、コンサルが入り込んでたりしませんか?
少しずつ絡まった紐をほどくように、
業務フローを整えていく作業、
私もこれからやっていきます。
あなたもそうなら、一緒に頑張りましょう。