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犬を連れてカナダ-日本間を往復しました
はじめに
今年(2024年)の秋に飼っている犬を連れてバンクーバーから東京に一ヶ月ほど一時帰国をしたので、その際の輸出や輸入手続きなどについての体験談です。
2年前に日本から犬を連れてカナダに移住する際におトムさんのブログに大変に助けられたので、私も何か残してみようと書いてみました。
※あくまで2024年時点の一個人の体験なので、正確な情報についてはカナダ・日本の検疫局の公式情報をご確認ください。
犬のサイズや、輸送方法などで色々と状況は変わってくると思いますが、私の場合はこんな条件でした:
犬種:ジャックラッセルテリア
体重:7.3 kg
輸送方法:Pets in Cabin(手荷物として足元に置いておくやつ)
航空会社:Air Canada
大まかな手順
輸入するための要件については日本の動物検疫所の 犬、猫の日本への入国 ページに基本的に従いました。
カナダから日本へ
犬の日本への入国条件を満たす(到着の180日前までに)
航空券の取得
日本の動物検疫所への事前輸入届出(到着の40日前までに)
カナダの獣医による輸出前検査(出発の10日前以降)
カナダ当局(CFIA)による輸出国証明書の取得(出発日までに)
日本の空港にて輸入検査
日本からカナダへ
輸出検査の予約
(Optional)再入国する際に必要な証明書の取得
日本の空港にて輸出検査(出発日)
カナダの空港にて輸入検査
カナダから日本へ
犬の日本への入国条件を満たす
犬、猫の日本への入国 に記載のように、犬猫を日本に輸入するためには、1/ マイクロチップの埋め込み、2/ 狂犬病ワクチンの接種、3/ 狂犬病抗体検査、4/ 180日間以上の待機、が必要ですが、私の場合は2年前(2022年)に日本からカナダへ移住する際にこれらを一通り行なっており、狂犬病抗体検査の2年間の有効期限以内だったので今回の帰国にあたっては特に何もする必要がありませんでした。というか検査の有効期限が切れるというのもあってこのタイミングでの一時帰国を決めました。。
ただ狂犬病ワクチンについては未接種の期間が生まれないようにカナダでも継続的に接種していました。
航空券の購入
航空会社の選定では、直行便かつ犬の客室への手荷物としての持ち込みを許可している唯一の航空会社としてエアカナダ一択でした。(日本の航空会社はいずれもペットの客室への持ち込みを許可していないです😢)
航空券購入前の前提として、エアカナダのPets in the Cabinの要件を満たせることを確認する必要があります。ペットを入れるケージのサイズが最も注意を払う必要がある部分になると思います。客室内ではケージを前座席の下(自分の足元)に置くことになるので、機体ごとにケージの最大サイズが定義されています。そのため乗る予定の便の機体を調べた上でケージサイズを確認する必要があります。ケージの選定についてはおトムさんのブログを大変に参考にさせていただきました。うちでは2年前に日本からカナダに行く時に購入したこちらのソフトケージを今回も使用しました。拡張できるタイプにすると空港内での待ち時間などに犬様に広々したスペースを提供できるのでいいと思います。
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Amazon.caで「dog carrier air canada」なんかで検索するとAirline準拠を謳った商品が結構出てくるので、カナダで購入する際は参考にするといいかと思います。
航空券の購入については一便に乗せられるペットの数に限りがあるようなので、狙いの便にペット枠の空きがあることを確認した上で購入することをお勧めします。私は狙った便を決めた上で今すぐ購入できる状態でエアカナダに電話をかけ、オペレーターに空きを確認してもらったら電話を繋いだままの状態でオンラインでチケットを購入し、その通話上でペット枠の予約もしてもらうという感じで購入しました。エアカナダは電話が繋がるまで1時間とか待たされるので1本の電話で終わらせる!!という気持ちである程度準備してから電話をかけるといいかと思います。
次のステップである輸入検査の事前申請が日本到着の40日前に行う必要があるので、航空券に関してはかなり前もって購入する必要があるでしょう。今回私は9月18日着の便を約3ヶ月前の6月16日に購入しました。
日本の動物検疫所へ事前輸入届出
犬、猫の日本への入国の手順5に当たる輸入検査の事前申請は日本到着の40日前までに行う必要があります。申請の際は到着予定の便を記載する必要があるので、この申請は航空券購入の後に行うことができるようになります。(最悪便が決まってなくても申請はできるかもしれないです)
NACCS というWeb上のポータルを使用して申請ができるので必要情報が揃っていれば申請自体はそれほど難しいものではありませんでした。日本到着時に書類不備によりペットが係留されることは絶対に避けなければならないので、申請後は申請番号を添えて検疫所に申請情報と書類の確認をお願いするメールを送りました。動物検疫所側も係留は避けたいので、とても親切にレビューしてくださりました。指摘いただいた部分を修正したり何度かやり取り繰り返したのちに受理してもらえたので、ある程度時間がかかることは折り込んでおいた方がいいと思います。
届出が受理されると、空港到着時の輸入検査の事前予約をNACCS上で行うようにお願いされたので、それに従い申請を行いました。
カナダの獣医による輸出前検査
犬、猫の日本への入国の手順6にあたる輸出前検査では、出発日の10日前以降に民間獣医師による犬の健康診断と狂犬病ワクチン証明書などの書類の確認をしてもらい、前ステップで日本の動物検疫所より使用するように言われた書類に獣医師よりサインをもらう必要があります。私の場合はFormACというフォーマットのものを使うように言われました。
この検査が終わった後に、次のステップである輸出国の証明書の取得を行う必要があるので割と日程がタイトになります。私は事前にかかりつけの獣医に事情を話して出発9日前の日に健康診断を予約しておきました。
健康検査自体は簡単に心音などを聞く程度で、15分くらいで終わりました。この時サインしてもらう書類を印刷してきておらず動物病院で電子データを渡して印刷してもらったのですが、この時印刷されたもののインクがとっても薄いのを気にしなかったことが次のステップで厄介な事態を引き起こしたのでした。。。
カナダ当局(CFIA)による輸出国証明書の取得
犬、猫の日本への入国の手順7にあたる輸出国証明書の取得は、カナダから出国する場合は Canadian Food Inspection Agency (CFIA) に証明書一式を確認してもらい一つ前のステップで獣医にサインしてもらったFormに追加でサインをもらう必要があります。このステップが私にとっては最もフラストレーションの溜まるものとなりました。
CFIAのオフィスはこちらから検索して近くのオフィスを見つけてコンタクトすればよいです。バンクーバーから一番近いオフィスはバーナビーのオフィスでしたが、ググった情報だと混み合うオフィスはアポイントがなかなか取れないとか直前すぎると対応してもらえないなどと書いてありました。私がズボラなのもありこの時すでに出発まで一ヶ月を切っていたので、焦ってバーナビーのオフィス含めてGreater Vancouver Areaの3箇所ほどのオフィス全てにアポイントを取るためのメールを送りました。幸いにもバーナビーのオフィスから1日ほどで返信があったので、他2つに送ったメールは追伸でキャンセルしました。
1度目の訪問では証明書一式とFormを渡して1時間ほど待機したのちに呼び出され行くと、書類は問題ないけどFormの印刷が薄すぎてこれではダメだと言われ却下されました。このFormにはすでに獣医によるサインがあるので、印刷し直すとなると獣医の方からのサインも再度もらわなくてはなりません。飛行機の日程も迫ってきているので、急いで印刷しなおして再度動物病院に行ってサインをもらい直しました。その足で再度CFIAオフィスに向かい業務終了15分前に滑り込みで提出したのですが、今日はもう終わりだから明日また取りに来てねとあしらわれてしまいました。書類の確認はもう済んでるのだからサインするだけじゃないか、などと言ってはみましたが動いてくれそうになかったので諦めてその日は帰りました。
翌日の朝再度訪問し、無事Formにサインをいただきました。しかし、その夜Formをスキャンし日本の検疫局に確認のメールを送ろうとした時に気づいてしまったのです、2箇所サインが必要なのに1箇所しかサインされていないことに😞
翌日再度の訪問で事情を説明し、もう1箇所にサインをしてもらうようにお願いしました。今日は別のOfficerが担当しているので再度書類を確認するためまた処理手数料がかかると言われて、納得いかない気持ちはありましたが、もう早く終わらせたいし終わらせなければならない状況だったので、渋々従いました。数えて4度の訪問を経てようやく輸出国証明書を取得することができました。
もっていく書類は落ち度がないように入念にチェックすること
返却されたフォームはその場で必要箇所にサインがされているかチェックすること
CFIAに行く時はこの心構えが必要だなと分からされました。Google Mapのレビューを見ると不満を持った人たちがたくさんいるのが分かると思います。
カナダ出国 →日本入国
カナダを出国する際は、犬連れの場合はオンラインチェックインができずエアカナダのカウンターで犬のケージのサイズの確認などが必要になります。
フライト中飛行機内では基本的にケージから顔を出したりはできないので、10時間ほどの空旅を狭いケージの中で過ごしてもらわなければならず忍びなかったです。
日本到着後は、預け入れ荷物をピックアック後に動物の輸入検疫に行く必要がありますが、検疫所の方が親切にも自分の名前が書いてあるプレートを持ってピックアップカウンターのところで待っていてくれました。やさしい。 輸入検査は何事もなく書類とペットの健康状態を簡単に確認して終わりでした。一ヶ月後の便で帰ることを伝えると輸出時の検査についてもその場で予約してくれました。手厚いです。
そんなこんなで、無事日本に入国できました。日本滞在中はペット可のマンスリーマンションにて滞在していました。
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日本からカナダへ
犬が日本からカナダへ入国するために必要な書類は有効期限内の狂犬病ワクチン証明書のみなので、日本入国時に比べると楽ちんです。
ただ、将来的にまた日本に帰ってくる可能性があるのであれば、日本に輸入するために必要な要件を満たしている状態をキープしておいた方が良さそうなので、うちの犬には狂犬病ワクチンの追加接種と狂犬病抗体化検査を受けてもらいました。滞在先の近くのこちらの刈谷動物病院グループの動物病院にて採血等していただきましたが、日本の動物検疫の要件をよく理解されていて採血の研究機関への発送なども代理でやっていただき非常に信頼できる動物病院だと思いましたので、お近くに刈谷動物病院グループの動物病院がありましたらおすすめです。
日本出国時は空港にある検疫所のオフィスにおいて輸出検査をして、輸出検疫に合格した証明書を発行してもらいます。
カナダの空港に到着したあとは、税関で生きた動物の持ち込みにチェックを入れておくと検疫所に案内されるので、日本で発行された輸出検疫証明書を渡して手数料を払い3分ほどで完了という感じでした。
おわりに
今回狂犬病抗体化検査の有効期限が切れるタイミングで犬を連れて一時帰国してみましたが、書類の準備にかかる時間や日本では犬連れの滞在先がかなり限られることなどを考えると労力に見合うかは微妙なところだと思いました。10時間以上狭いケージに入れておかなければならないということで犬へ与えるストレスも大きかったようで、到着後2週間ほど嘔吐をしたり食欲がなくなったりと心配することもありましたので、今後はよほどの理由がない限りは連れて帰ることはないかなと考えています。
滞在中は元々お世話になっていた保護団体に挨拶に行ったり、当時の散歩コースに行ってみたりと犬にとっても楽しい滞在となったと信じます。
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