ルールを知ること
現在、医療の専門職の方々と連携して、災害対応に当たっている。
そこで、つくづく思う。自分の本分を全うすることが大事、だと。
災害対応マニュアルを改定するまで、上司から「医療関係者の知見なく、業務が回るようなマニュアルを作ること」とオーダーがあった。私は「医療的知見もなく、事務方が判断できることはない。」と説明を重ねても、聞き入れなかった。
生兵法は危険だ。ましてや、人命と直結する医療の部分である。循環器やら透析やら、さらにその専門用語となると全くわからない人間が群れをなしたところで、クリティカルな意見が出るはずもない。また、適切な判断ができるとも思えず、ひいては重大なミスによる人災となるのがおちだ。
では、どうするか。
まず、非常時でも医療の専門家と円滑につながれるような体制を作り、助言を仰げるようにすること。また、医療の専門家の専門外である、法の枠組みや事務的な知識を蓄え、いつでもこたえられるようにしておくことが重要ではないか。それこそが、事務方の本分であり、素人が中途半端に介入することが害悪だ、と考える。
その「法の枠組みや事務的な知識の蓄え」を組織として行うために、初級管理職である私は、今回の対応であぶりだされた組織的な知識の不足箇所を洗い出し、整理し、啓発することが、私の本分だ。
不満を垂れ流すのではなく、建設的な一歩を踏み出せるようにすることが肝要である。