こたつ猫
猫はこたつが好き。
これは、昔から言われていることである。
しかし、猫は熱さが分からないので、こたつはな入ると大抵は低温やけどを負うらしい。
くれぐれも、猫とこたつのある家では適正使用に努めなくてはならない。
さて、うちには両眼の見えない猫がいる。
夫の職場近くで、数日うずくまりご飯を見つけられず、言葉の通り野垂れ死にかけていたらしく
、ある日、夫が連れて帰ってきた。
この話を周りの人にすると大抵優しいねと言われるが、それは人間のエゴかもしれないので、私は優しいとは思わない。
要は自分が見える場所で、野良猫が死んで罪悪感を持ちたくなかっただけ。
考え方が捻くれているので私はそう思っている。
なので、そんな私が夫に言ったことは
「きちんと責任をとって面倒を見ること」
これだけだった。
それからというものの、猫と私たちは、動物病院通いが続いている。
最初は、お決まりの
ワクチン、去勢、ノミ取り云々
から始まって。
生まれつき身体が痒くなるという体質を元々この猫は持っているらしく、あちこち皮膚が見えるまで舐め続けるものだから、薬をもらって治しては、また通っての繰り返し。
この猫の両眼が失明した原因もその関係か、はたまた感染症かはっきりしたことは病院でも分からなかった。
ただお医者さんには
「両眼見えていませんね。治ることもありません。」
そう言われただけだった。
そんな通院に明け暮れていると、徐々にのたれ死んでいた方が猫のために良かったのではないかなんて気もしてしまうのであった。
コタツの話に戻ろう。
コタツと猫といえば、「コタツネコ」
高橋留美子先生の代表作
うる星やつらに出てくる猫(ねこ…?)をご存じだろうか。
あれは常にコタツに入ってからコタツを手放さなくなった猫だ。
世間でそうであるように、私にも、猫はコタツを好きなイメージがあった。
しかし
うちの猫はそのイメージを覆そうとしていた。
両眼が見えない分、とても警戒心が強いが新しい陣地を開拓することが好きなうちの猫である。
だがコタツには入ろうとしない。
前述の通り、火傷をさせたくはないため、常にコタツには電源入れていない。代わりに床にホットカーペットをひいている。だから尚更なのだろうが、コタツに入る意味がないのか。
それにしてもソファの下や押し入れには入ろうとするのにコタツには入らないのは、何か怖いと感じているとしか思えなかった。
まぁ怖いなら無理に入ることはない。それならそれで。
と
考えていた矢先、またも夫がやった。
思いがけない程、欲に忠実な夫が。
猫の気持ちなど知らぬというように。
ともすれば動物虐待にあたらないか⁇
そういう団体に訴えられないだろうか⁇
ヒヤヒヤしてしまう
そう
猫をコタツに入れたのだ。
いや、まじか。やっぱり優しくない。鬼である。
猫はまさか入ろうとしていなかったところに入れられて困惑。
どこだよここ。
両眼が見えないから尚更だろう。
それからだ。
怖がることなく、自らコタツに出入りするようになった。あろうことかガチ寝していたこともある。
やっぱり猫はコタツという空間が好きらしい。
ゴロゴロごろごろ。
いやはや幸せそう。
コタツに入ると、時々私の足にもフワッとした柔らかい猫の毛があたる。幸せだ。
たまに爪で引っ掻いてきたり噛んできたりもする…それは痛いけれど。
最近は、こんな姿を見て私は思うのだ。
連れてきてよかったのかなと。
少しでもこの子に幸福が訪れますように。
今日も帰ったら沢山遊ぼう。
YouTubeふーくいチャンネルにて
猫とコザクラインコの生活も配信中
文系でも理系でもない人の拙い文章なので、もし日本語間違いがあれば気軽に教えてくださいね。優しい世界ありがとう。
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