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ビジネス法務・2023年12月号

ビジネス法務・2023年12月号が発刊されました。

もう「12月号」ということで今年ももう終わりが近づいていると思うと、時間の流れのはやさを感じますね。

この記事では、最新刊(2023年12月号)においてIT企業法務において参考となる記事をピックアップします。


【連載】法務部が知っておくべき景表法の最新論点「アフィリエイト広告・ステマ広告」

インターネット広告はIT企業において最も用いられているマーケティング手法である一方、広告の仕組みが複雑であったり、2023年10月から施行されたステマ規制が開始されるなど、景表法の正確な理解に基づくコンプライアンスが重要な分野となっています。

この記事では、アフィリエイト広告とステマ広告について、以下のようなポイントを中心に基本的事項が解説されています。

  • 「アフィリエイト広告に関する責任は一切負わない」という表示を自社のWEB上で記載することは事業者が景表法上の不当表示責任を免れるために意味のある記載とは言えず、むしろ、アフィリエイト広告は事業者の責任が認められる可能性が十分にあることに留意すべき。

  • ASPを通じてアフィリエイターに対して「広告掲載の禁止・注意事項をまとめたリスト」の提供は事業者の表示主体性を否定する事情になりうる。

  • インフルエンサーへの自社製品の宣伝の依頼について、いかなる場合にステマ規制が及ぶかの論点について「①事業者の表示であって、②そのことが一般消費者に明瞭となっていない表示」の要件を慎重に検討すべき。

IT法務においても、自社の実施する広告の法令適合性審査は最も基本的かつ重要な仕事の一つですが、この記事で景表法の基本的知識についてのアップデートすることができます。

【特集】民法上の「代理」要点解説

代理は民法総則における基本的な論点の一つです。

企業法務においても、たとえば以下のようなよくある典型的な場面において、代理に関する検討は必要不可欠となります。

電子契約における契約締結担当者の代理権をどのように確認する?

電子契約による企業の契約締結の場面においては、実務上は代表権を有する代表取締役は契約締結業務に携わらず、契約締結担当者や電子契約用のメールアドレスを利用して電子契約サービスによる契約締結を行っている企業が多いのではないでしょうか。
このような場面において契約締結担当者の代理権を確認するためにどのような対応を行えばよいかについて、この記事は参考となります。

グループ会社間で同じ人物が役員を兼任している場合の注意点

グループ会社間で役員兼任がなされている場合においては利益相反取引が生じるケースが多くなりますが、会社法上は株主総会・取締役会の承認が必要となり、承認がない場合には民法108条により無効となるため、注意が必要となります。
グループ会社間での取引が頻繁に予想される場面では、取引の種類・数量・金額・期間等を特定したうえで、あらかじめ包括的な承認をする方法があることが解説されています。

企業法務においては、代表者以外の契約締結やグループ会社間の利益相反取引以外の場面でも、たとえば販売代理店の活用、外部弁護士への法律事務の委任、M&Aにおける仲介アドバイザーの利用といった様々な場面において、代理の理解が不可欠となるため、この記事を通じて代理に関する基礎知識を確認することはとても有用ではないでしょうか。

【特別企画】総まとめ知財一括法

特別企画として、今年の知的財産法の改正に関する解説がなされており、IT企業法務において重要となる知的財産法に関する知識のアップデートにおすすめです。

本年度の通常国会で成立した「不正競争防止法等の一部を改正する法律」、すなわち「知財一括法」は、「知的財産の分野におけるデジタル化や国際化の更なる進展などの環境変化を踏まえ、スタートアップ・中小企業等による知的財産を活用した新規事業展開を後押しするなど、時代の要請に対応した知的財産制度の見直し」(経済産業省ウェブサイトより引用)を目的としています。
かの発明王・エジソンも取得に苦労したといわれる知財権にかかわる法改正について、いざ総チェック!

「ビジネス法務 2023.12」 119頁

この記事では、不正競争防止法、商標法、意匠法、特許法に関するそれぞれの改正ポイントが解説されています。

今回の法改正における実務上のもっとも大きなポイントをあえてあげれば商標法の「他人の氏名を含む商標の登録要件緩和」(同・127頁)ではないでしょうか。
また、不正競争防止法においては、①ブランド・デザインの保護強化、②営業秘密の保護強化、③外国公務員贈賄罪の拡充という観点でそれぞれ改正がなされています。

法改正が自社にどのような影響を与えるのか(あるいは与えないのか)を確認するためにも、最新の法改正を追うことは非常に重要であり、そのためにも網羅的に知財一括法を解説したこの特別企画は役立つものとなっています。

まとめ

2023年12月号は、上記で紹介したほかにも、【連載】周辺学で差がつくM&A「バリエーション(企業価値評価)-理論編-」や、【実務解説】「CVC投資における業務提携契約締結の留意点」が解説されており、IT企業法務において役立つ論点の記事がとりあげられています。

社会人として業務に従事しているとなかなかまとまった時間をとって勉強するのは難しいですが、毎月ビジネス法務は必ずチェックする、ということを習慣化すると、ほかの人に差をつけることができますよ!

以下に記事としていますが、法務パーソンの知識のアップデートに「ビジネス法務」、おすすめです。


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