
私は大人になろうとして、なれなかった。でも、とても幸せになった話。
キャリアからドロップアウトした元ワーカホリックです。不器用ながら法人営業に9年間従事。妊娠を機に、嬉々として退職。現在、1歳娘を育てながら新たな形の働くを模索中。
この記事では、心屋仁之助さんの「前者後者論」に出会って、
人生がちょっと良くなったよという、自分語りの話です。
もしよろしければ、どうぞお付き合い下さい。
新卒から9年間務めた会社を退職した。
高校生の頃より「キャリアウーマンになって自立した女性になるんだ!」と意気込んでいた。
将来は国際的に活躍したいと大志を抱き、まじめに受験勉強した。
努力の結果、そこそこ名の通る大学に合格することができた。
大学在学中は、積極的に授業に参加し、活発なゼミを選び、長期のインターンシップにも挑戦した。
更に社会に役立つ人材になりたいと、大学院にも進学した。
「一生働き続けるぞ!」と、ここでも意気込んでいたし、
自分にはそれだけの能力があるという自負があった。
そんな私が、あっさりとキャリアを手放した。
そして、今とても幸せだ。
社会人になりモヤモヤとの闘い
晴れて社会人になった喜びは大きく、
必ず結果を出せるよう、死ぬ気で頑張ろうと思った。
私が就職した会社では、
大学院卒の学生は珍しく、上司からの期待は大きかった。
私は法人営業として採用され、
新規顧客開拓から、既存顧客との継続案件獲得まで
営業活動の川上から川下まで経験することができた。
職場環境は優しい人が多く、恵まれていたと思う。
ただ、ずっと頭の中に霧がかかって晴れない感覚を抱えていた。
どうすれば、新規の契約がとれるのか。
どうすれば、既存顧客に新しい案件を提案できるのか。
どうすれば、売上目標を達成することができるのか。
OJTで先輩たちが実践で沢山教えてくれているのに、
全く理解ができなかった。
同期は自発的に提案活動をしていて、
周囲からも面白い新人がいると注目を集めるようになっていた。
私は置いて行かれているような気持になった。
「出来ることをがむしゃらにやるしかない!」
私は置いてきぼりを喰わないように、
長時間働くことで不安を払拭するようになった。
終電を過ぎて、タクシーで帰ることも、
土日に出勤することも当たり前になっていた。
長時間労働することで、
周囲から骨のある奴だと認識してもらっていたし、
何より自分が仕事をしている気分になり安心できた。
【〇〇駅 診療内科】と検索する日々
入社5年目ごろになると、
沢山案件を抱えるようになった。
実績もついてきて、
社内MVP賞なんてものも受賞した。
しかし、一向に私の頭の中のモヤモヤは消えることがなかった。
契約は取れているが、
運で仕事が取れているような気がしてならなかった。
私には実力なんてものではないのではと。
いつの間にか私は、
長時間労働で仕事の量はこなすが、質が伴わないダメな奴だと
思われている気がして苦しくなった。
実際、後輩の方が重要な仕事を任されるようになっていた。
「こんなに頑張っているのに、何も報われない。」
私はいつの間にか、
自分のデスクに座っていられなくなった。
周囲の目が怖くて仕方なかった。
私は誰もいない倉庫や会議室でこっそりと仕事をするようになった。
気が付けば、最寄り駅近くの心療内科を検索するようになった。
会社にいると呼吸も浅くなり、
もう限界だ、早く逃げ出したいと願っていた。
そんなころ、私にある出会いがあった。
頭が「パッカーン」となった7年目
たまたま聞いていたPodcastで心屋仁之助さんのことを知った。
そこで「前者・後者理論」なるものを提唱されているのを知った。
人間には、
大人になりたくてんれなかったひとと(前者)、
大人になりたくてなれてしまったひと(後者)の二種類しかないと。
※詳しくは心屋仁之助さんのブログをご参照ください。
正直、心屋仁之助さんは何だか胡散臭い。
ただ、この考え方で「仕事ができなければならない」という
脅迫観念から解放されることができた。
私は「後者」と呼ばれるタイプで、大人になりたくてなれなかったひとだったのだ。
頭がパッカーンと割れるように、パラダイムシフトが起こった。
(※パッカーンは心屋さんが使っている表現です。)
「他の人より優れてなければならない。」
「人に迷惑をかけてはならない。」
「仕事では存在感を示さなくてはならない。」
私はいつの間にか、
沢山の思い込みに縛られて生きていた。
「仕事できなくてもいい。」
「人に迷惑かけちゃってもいい。」
「ダメな奴でいい。」
初めは心がザワザワした。
でもこう思うことで固くなった心が解れ、
普通に自分のデスクで仕事ができるようになった。
上司に怒られたり、詰められたりしても反省することをやめた。
何なら、ちょっと無視したりした。
反省しても、何もいいことがないと気が付いたからだ。
そうすると、少し不思議なことが起こり始めた。
ちょっと人生が変わり始めた
正直、人生すべてが良くなりました!ということはない。
しかし、今まで厳しかった上司が優しくなったり、
案件の受注率がよくなったりしたのだ。
根がダメなやつなので、
仕事でのストレスは消えることがなかった。
そんな時、私のことを良く理解してくれる現在の夫に出会うことができた。
娘にも恵まれ、今までしがみ付いていた「仕事」を手放すことができた。
夫と娘と過ごす日常がとても愛おしく、
私は本当に幸せを感じることができた。
受け入れて、手放したおかげで今があるのかもしれない。
今、私は真っさらになった。
これから何にでもなれると思うとワクワクする。
もしかしたら、何にもならないかもしれない。
それでも、全部OK。
だって、私は大人にならないんだから。
何でもない今と未来を楽しみたい。