どんな実践も取り入れるとなると大変なものです。
今回もこちらの書籍を読んで感じたこと,考えたことを。
非認知能力に限らず,学校教育において取り入れたい理念や実践などであふれている現代。それらを上手に取り入れることができるか否かは教師の力を見る上でも大きなものを占めると考えています。
学ぶことは真似ぶことですから,上手に真似したいですよね。
今回は非認知能力を中心に考えながら,どのように真似ぼうか考えてみたいと思います。
まずはどうして取り入れたいのか考えてみよう!
結構この段階が個人的には大事だと思っています。
この情報過多の時代,素敵な実践や理念は手に入れようとすれば割と少ない労力で手にすることができます。
1冊本を買うだけでも,クリーンヒットすることもあるでしょう。
ここで大事にしていきたいのは,なぜその実践や理念をいいものと感じて,それを取り入れようと思ったのか,自分を見つめなおすことです。
私の場合は「非認知能力」の考え方を重視することが大切だと感じたので,このようにnoteにコーナーを設けているわけですが,それはなぜかというと,『学び合い』の理念が自分の軸にあるからです。
「子どもたちがこれから,他と関わり合いながら幸せな人生を歩んでいくための教育」をしたい。という私の願いに「非認知能力」の考え方がヒットしたからです。
『学び合い』という私の大きな部分を占める「よりどころ」に「非認知能力」の分野を学習することはとても有益なことのように感じたのです。
次は今置かれている環境を整理してみよう。
自分の在り方を考えたところで,さっそく実践してみたくなりますが,もう一呼吸。
今自分の置かれている環境を観察します。
1.自分にはどのくらいの裁量があるのか。
2.所属校での取り決めは何か。
3.実践することで他に与える影響は何か。
4.実践する際に事前に説明は必要か。
5.自分の裁量の範囲内で責任が取れるものか。
6.自分のしたい実践はどの程度他に受け入れてもらえそうか。
などなど,一回自分の身の回りの様子を確かめます。
ここを怠ると,自分の実践があらぬ方向でとらえられたり,良かれと思って他に伝えたときにいらぬ問題を引き起こしてしまうこともあります。
例として,ICT教育における端末の使用については,使う側と使わない側で大きなずれが生じていますよね。
非認知能力においても,私の周りではそこまで理解が浸透していないように思えますし,誤解や極端な例を持ち出して,それに対応する考えの理解を浸透させるのは難しいように感じているので,静かに,丁寧に,少しずつ実践をしていこうと思っています。
とりあえず,私はICT教育担当を仰せつかっていますので,いろいろ情宣できる立場にあります。その立場を利用して,「非認知能力」に関するトピックを水面下で展開し,職員室全体に忍ばせています…
と,こんな感じで「なんかしてるな。」的な空気を漂わせているところです。
自分に,目の前の子どもたちに,効果的だと思うものを取り入れてみよう!
非認知能力の分野においては,まだまだ情報不足なような気もするので,とりあえずは自分の実力と目の前の子どもたちの様子を見ながら実践を積み重ねています。
基本,『学び合い』の精神で授業を展開していますので,随所に語りたいなぁというときがあるのですが,そこで「非認知能力」の考え方を意識しています。
意識して取り入れようとしていることは,
①非認知能力は自覚化することで言語化したり強化したりする側面があること
②継続的な指導が必要なこと
③他者評価より自己評価が効果的な面が多いこと
以上の三つを意識したうえで,
①『学び合い』の中の語りの場面で「非認知能力」に関する話をする。
②自己評価できるような場面を設定する。
ことを心がけています。
これは現段階ですが,次のステップとしては,
①継続評価するためのシステムの構築(ふりかえりなど)
②誰にでも受け入れやすいものにするような柔軟なものにすること。
③どの学年でも実践可能にすること。
などがあげられます。
今回は,私の知る限り「非認知能力」に関わる手ごろな実践が少ないために,今の自分のスタイルにどう取り入れるかを考えてみました。
ですが,本来であれば,世に出ている実践は一度,そのままそっくりやってみることを大切にしています。
というのも,はじめから自己流にアレンジしてしまうと,その実践の発信者の真意がくみ取れない可能性が出てきたり,中途半端なものになってしまう恐れがあるからです。
一度は発信元の実践を忠実に読んで理解し,実行。そして,自分のものにするように気を付けています。
分析して,粘り強くトライし続けよう!
やって満足ではいけませんので,次は分析していきます。
現段階での分析は,
非認知能力の考え方が主体的な学びの評価と密接な関係を持っているので,この考えを手放すということはあり得ない。
ということと,
評価に関わらず,幸せに生きるために必要な能力であるために,『学び合い』の理念とも深いかかわりがあるということ。
大きく子どもの見方が変わる大事な視点であるということ。
です。
実践の良しあしではありませんが,確かにこれからも研究を続けたい内容だと思っているところです。
次にトライしたいことは,
①いかにしてこの分かりずらい非認知能力を指導として教員間で共有できるか考えたい。
②引き続き,随所で非認知能力をにおわせてサブリミナル効果を狙っていきたい。
ということです。
また,語りの具体例を集めていくのもいいかと思っています。
思考をブラッシュアップしよう!
このような手順を踏んでいくと,自分の思考の仕方が磨かれていきます。
とりあえず良さそうと思うものがどんどんセンスのいいものになっていくということもあるでしょう。
流行に振り回されない。でも,トレンドも見落とさない。
それを下支えするのは,確かな自信の思考だと思いますので,ここまで来たらもう一度,一番はじめの,どうして自分はそうしたいのか考え直すといいですね。
こんな感じで,非認知能力はこれからもお勉強していきたいと思います。
今回もお読みいただきありがとうございました。
誰かの「よりどころ」になりますように。