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感覚でじぶんを表す

 11月7日にNPO法人青春基地の活動で、千葉県立松戸向陽高等学校に行ってきた。NPO法人青春基地とは、「生まれ育った環境を超えて想定外の未来をつくる」というテーマで、一人ひとりの個を活かす公立高校の学びづくりをしている団体だ。

 今回のプログラムでは、「わたしを知る」ことをテーマに、4回の授業が構成されている。「わたしを知る」ことを全体テーマとして、第1回は「わたしを書き出す自分マップ」第2,3回は「わたしを表すコラージュ」、第4回は「わたしを語るふりかえり」の流れだ。青春基地は第2,3回目の授業を担当し、7日は雑誌を切り貼りして作る、コラージュの作成部分の授業を行ってきた。
 教室には男女合わせて30名程度の生徒がいた。コラージュを作成しているときの教室の様子がとても印象的だった。個人で集中して取り組む子、グループで話しながら進める子、床で雑誌を切り貼りする子、進め方は人それぞれだった。残り15分ごろになったとき、1人の男子が話しかけてきた。「紙濡らしたいんだけど、濡らしてきていい?」私はこの問に驚いた。コラージュを説明するときに、切る、やぶる、張る、描くの4つの技法は説明をする。しかし、これらの技法を超えた“濡らす”というやり方があるのかと、とても面白い発想だと思ったし、私の中の想定外だった。
 私がコラージュで大事にしたいと思っていたことは、生徒自身のこれだというフィットする感覚、出ちゃう感覚だった。素材(雑誌の紙)を選びながら「こういうのないかな」と想像を膨らませる人、「この素材なんか違う、やめよう」と感じる人、作成中に「あ、なんかこれかわいい」「はさみを使うより破いた方がいいなあ」と言葉をもらす人、これらの言葉は、自分の感覚を素直に受け入れ、「なんかいい」という自分にフィットする感覚を大事にしてくれていると実感できる言葉だった。この「なんかいい」という気持ちが、高校生が、いつかじぶんの好きや興味を広げるきっかけになるのかもしれないと思っている。私はこれらの言葉が聞けて、本当にうれしかった。
この授業はまだ完成しきっていない。次回は、鑑賞パートの授業になる。今回は作品づくりだけだったから、きっと「楽しかった!」という気持ちで終わってしまっていると思う。来週の鑑賞では、それぞれが「自分はこんな感じなんだ」という発見でじぶんを知ることができるように、ファシリテーションの言葉や振る舞いを考えていきたい。

青春基地インターン生



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