Ponydiffusion v7について:Youtubeのインタビュー動画まとめ的なもの
全く追いかけて無かったのですが、11月15日にcivitaiのyoutubeにPonydiffusion v7についてのインタビュー動画が出ていました。
なんと、1時間にわたる英語のインタビュー動画です。
ただ、そのあと、まとめ記事とか出ているわけではなく、もう1か月ぐらい経過しています。
最近はilloustrious系が出ていますが、それまではpony一色の時期があり、現在でもpony系自体は叡智な画像生成において高レベルなものを生成出来たりしています。
このyoutube動画は1時間もあり、ログを出力したところ、5万字ごえでした。
GPT-01を使用して、このログをすべて渡した上で、youtubeの会話ログを以下の9つに分けて日本語にまとめてもらいました。
o1凄いなと改めて感じました。
表記名の誤記やハルシネーションがある可能性もあります。その点はご容赦ください。youtubeのログ出力も不十分なところがあるため、一部不正確な部分があるかもしれませんが、それを動画を見つつ判断するのは無理なのでしていません。
① イントロダクション:プラットフォーム紹介 / 配信の目的とゲストの紹介
今回のインタビューは、civitaiというジェネレーティブAIアートコミュニティプラットフォーム上で行われたものだ。司会進行はcivitaiのコミュニティ・エンゲージメントマネージャーである。civitaiは2022年創設の、AI生成アートを中心とした作品投稿・共有プラットフォームで、ユーザーは多数のAIモデルを使って生成した画像を投稿し合い、コミュニティで交流しながら成長してきた。civitaiはデジタルアートプラットフォームとしては、現在数百万人規模の利用者を抱え、Discordには9万人以上が参加、Twitchコミュニティも拡大中である。設立から2年目の誕生日を迎え、今なお急成長している状況だ。
この配信の狙いは、人気モデル「Pony Diffusion」の開発者であるAstralite Heart氏を再びゲストに迎え、現在進行中で注目を集める「Pony Diffusion V7」について、最新の進捗や展望を深く探ることにある。前回のインタビューは約5~6ヶ月前に行われ、当時はPony Diffusion V6(以下、Pony V6)がすでに大きな成功を収めていた。
Pony Diffusionはテキストからイメージを生成するモデルで、その第6版はコミュニティで爆発的な人気を博した。V6は主に人間や動物キャラクター(特に「ポニー」)のスタイルで高い品質を実現し、ユーザーたちは創作活動に活用している。今回のゲストであるAstralite Heartは、このV6を開発し、さらにはその先を行くV7へ向けた改良・拡張に携わる中心的人物である。
冒頭、civitaiはV6の現状統計を示し、その圧倒的な人気を強調した。V6リリース後10ヶ月で45,000件の「いいね」、46万8千回のダウンロード、サイト上での累計1億6千万回以上の画像生成、4万1千件以上のレビューを得ており、非常にポジティブな反応が続いている。また、civitaiでは24時間あたり3500個以上のLoRAがトレーニングされているが、その大半はPonyベースであることも明らかにされた。このデータだけでも、Pony Diffusionがコミュニティにおいて確固たる地位を築いていることがうかがえる。
今回のインタビューの主題は、この絶大な成功を受けてのV7開発状況、技術的な課題、新機能導入の意図、そしてリリース予定と今後の方向性などだ。Astralite Heartは、V6の予想以上の成功が次期モデルへの大きな期待とプレッシャーを生み出していると述べる。より高い品質、幅広いスタイル対応、データセットの拡大、キャプション生成手法の強化、より洗練されたモデルへの進化など、多くの要素が課題として浮かび上がっている。その一方で、多くの外部モデル(Stable Diffusion 3および3.5、Flux、Orlowなど)が登場・進化しており、これらもPony V7の方向性に影響を与えている。
このイントロダクションでは、まずプラットフォームcivitaiの特色と成長、コミュニティがPonyモデルに寄せる大きな関心、そしてモデル開発の先頭に立つAstralite Heart氏とPony Diffusion V7への期待感が示される。これが今後のセグメントでより深く掘り下げられる布石となっている。
② Pony Diffusion V6の成功:モデルの普及状況と利用統計 / 開発者が直面した期待とプレッシャー
Pony Diffusion V6は、リリース後短期間で爆発的な人気を獲得したモデルだ。その成功は数字が如実に示している。リリースから約10ヶ月経過した時点で、ci.com上では以下のような実績を誇る。
いいね数:約45,000
ダウンロード数:約468,000
サイト上での累計画像生成数:約1億6,000万回
レビュー数:約41,000件超(総じて好意的な評価)
このような統計が示すように、Pony V6はコミュニティで「定番」と言える存在になっている。この人気はPony Diffusionシリーズ全体の特長である、豊富なスタイル、適応性、多様なキャラクター生成能力に起因する。また、civitaiで行われる1日あたり約3,500件ものLoRAトレーニングの大半がPonyベースであることも、V6がモデル開発の基盤的存在へと成長したことを証明している。
こうした成功は、Pony Diffusionを単なる趣味プロジェクトから本格的な事業、フルタイムの取り組みへと発展させた。Astralite Heart氏は、V6の成功を受けて意識が大きく変わり、シリコンバレーでの本職を辞して、Pony開発へフルタイムで注力する決断を下した。理由としては、より高品質なモデルや広範な機能拡張を実現するには、膨大な時間・計算資源・データ整備が必要であり、「片手間の趣味」では限界があるからだ。また、V6の大成功によって生まれたコミュニティの期待値は極めて高く、V7をこれ以上の水準へ引き上げなければならないという強いプレッシャーが存在する。
Pony V6の成功は、開発者にとって両刃の剣でもあった。一方では、モデルが確実に市場ニーズを掴み、利用者から熱狂的な支持を得ていることは大きな励みである。しかし他方、V7への期待は「V6を超えるもの」という高いハードルを設定してしまう。そのため、V6後の数カ月は、新モデルに求められる性能像や技術的基盤を練り、より多くのデータを蓄積・整理し、実験的な機能拡張を行う地道な準備期間となった。
外部からの影響もある。Stable Diffusion 3と3.5、Flux、auraflowなど新たなモデルが次々と登場し、それぞれが特長的な技術的優位性を持つ。これらの登場は、Pony V7に対するコミュニティの欲求を一層かきたて、「より優れたプロンプト理解能力」「多様なスタイル再現」「安全性や倫理面での配慮」など、さらなる改良点を提示する要因となった。
結果的に、V6の成功は次世代モデルに対する高い要求を生み、Astralite Heart氏は「より強いモデルをフルタイムで開発」せざるを得なくなった。期待と圧力、この二面性がV7開発の大きな原動力となっているのである。
③ V7の進捗と技術的課題:データ管理とキャプション生成 / 他モデルの影響
Pony Diffusion V7の開発において、最も大きな焦点は「データとキャプションの質的改善」、および「モデルアーキテクチャ選択」にある。Pony V6後、Astralite Heart氏は長期間にわたりデータ整備やキャプション生成の自動化・改良に集中してきた。その作業は想像以上に困難で、最先端のキャプション生成パイプラインを構築するために数度も仕組みを作り直さなければならなかったという。
V7開発では、データ量・質ともに格段に拡張している。V6では約1000万枚程度の画像データを用い、その中から数百万枚を精選してトレーニングしていた。一方、V7では3500万枚もの原データを扱い、その中から700万~1000万枚を最終的なトレーニングデータセットとして使用予定だ。これにより、これまで不足していたリアル系画像や背景オブジェクト、アニメ、フォトリアル、さまざまなスタイルが大幅に増強される見込みだ。
しかし、この膨大なデータを有効に活用するには、画像内容を的確かつ精細に記述する「高品質なキャプション」が欠かせない。V6で用いていたキャプション生成手法はV7の巨大データセットにはスケールしきれず、数度の試行錯誤が行われた。最終的にはパラメータ規模400億もの巨大な言語モデル(LLM)を用いたキャプション生成が投入され、一部手動監修や修正も行われた。これらのプロセスは莫大な計算リソース(高性能GPUの長期稼働)と人力を要し、コスト的・労力的に膨大なものであった。
また、他モデルからの影響も大きい。Stable Diffusionシリーズ(3、3.5)、Flux、auraflowといった新興モデルは、それぞれ異なる強みと課題を持つ。V7では、基本アーキテクチャとして「auraflow」というモデルを使う方向が示唆された。auraflowはプロンプト理解力が高く、Pony V7の方向性に合致しているが、一方でVRAM消費が大きく、ツールチェーンやサポート体制が未発達な部分もある。また、auraflowモデルなどを基盤にすることで、より高度なプロンプト理解やデータ適応を目指すが、これらはまだ前例が少なく、手探りの状態だ。
こうした技術的課題を乗り越えるべく、V7は段階的に開発が進められている。まずは小規模データでの「V7マイクロモデル」を試験的に構築し、それが望ましい挙動を示すか検証するステップから始めている。この初期実験だけでも有望な結果が見えており、auraflow系モデルの潜在的実力に期待がかかる。
まとめると、V7ではデータ量とキャプション精度を飛躍的に高め、より優れたベースモデルと組み合わせることで、プロンプト理解や生成品質を大きく改善しようとしている。その道のりは険しく、技術的課題は膨大だが、初期結果は将来性を示している。
④ 新しい技術の採用:Pony Flow V7におけるAuraflowモデルの活用 / モデル設計と課題
Pony Diffusion V7は「Pony Flow V7」という呼称で示されるように、AutoFlowモデルを基盤技術として採用する計画が進められている。AuraFlowは、基本的にはStable Diffusionライクな構造を持ちながらも、プロンプト理解能力に優れる点が特長だ。テキスト指示を的確に反映し、様々なスタイルやシーンを生成可能なモデルとして期待されている。
しかし、AuraFlowをベースに選ぶことは同時に課題も内包する。まず、VRAM(GPUメモリ)使用量が多いことだ。高解像度画像(1024x1024)を1枚生成するだけで24GB程度が必要になるなど、一般ユーザーが手持ちのGPUで気軽に動かせる水準ではない。このため、後段で「量子化」や「ディスティレーション」などの手法を用いてモデルを軽量化し、8GBクラスのGPUでも運用可能な環境を整える構想がある。まずは重いモデルを学習し、その後に軽量版や圧縮版をリリースする、という二段構えを想定している。
さらに、AuraFlow自体は現時点でさほど普及していないため、Stable Diffusionのような充実したツール生態系が整っていない。例えばControlNetやLoRAトレーニングツールが未成熟である、汎用的な拡張機能やUIサポートが少ないなどの懸念点がある。ただし、Pony V7が成功すればコミュニティは急速にこれらの問題を解決し、関連ツールチェーンを拡充していく可能性は高い。
もう一つの課題はベースとなるVAEなどアーキテクチャ上の要素だ。Stable Diffusion XL (SDXL)由来のVAEが使われており、16チャンネル対応ではなく8チャンネル対応に留まる点が懸念材料として挙げられた。より高度なディテール再現には16チャンネルが有利とされ、Fluxモデルなど他モデル基盤への移植や、AuraFlow開発者との連携による改良など、将来的な改善策が検討されている。
こうした制約下でも、AuraFlowは「強力なプロンプト理解」という稀少な特長を持つ。そのため、Pony V7ではまずこの基盤モデルで最大限の学習を行い、その後コミュニティのフィードバックを受けながらアップデートや軽量化、周辺ツールの整備を行う方針だ。一度V7がリリースされ広く利用されれば、コミュニティ主導でエコシステムが充実し、ControlNet対応やLoRA開発ツール、量子化済みモデル配布など、実用面での利便性が大きく向上する見通しである。
結果として、新技術採用にあたってのコストは高いが、その見返りとして、Pony V7はより高い生成精度、柔軟なスタイル再現、豊かなプロンプト適応性を獲得できる可能性が高い。VRAM問題やアーキテクチャ的不完全さを乗り越えることで、革新的なモデルとしてコミュニティに新たな価値を提供できることが期待されている。
⑤ アーティストスタイルと倫理的配慮:アーティスト名の使用 / スタイルクラスタリングとモデルの多様性
Pony Diffusionシリーズでは、初期からアーティスト名をモデルに組み込むことを避ける、または削除する方針が採られてきた。これは法的問題よりも倫理的・創作者への配慮の問題として捉えられている。アーティスト名を使うと、特定の芸術家のスタイルを容易に模倣可能になるが、これは作者の意図に反する場合や、コミュニティ内で摩擦を生む可能性がある。Astralite Heart氏は、Ponyモデルを単なるコピー機ではなく、「創造的ツール」として発展させたいという強い信念を持っている。
V6では、スタイル差異を学習させつつアーティスト名を露骨に使えないような工夫がなされたが、これによりモデルが全体として似通った「デフォルトスタイル」に偏りやすくなった。そこでV7では「スーパースタイリスト(仮)」という新たな手法が導入される。これは膨大な画像データを解析し、似通ったスタイルを持つ作品をクラスターごとにまとめ、そのクラスターをひとつの「スタイル傾向」としてモデルに学習させる手法である。こうすることで、特定アーティスト名なしでも類似系統のスタイルを再現でき、かつ多様な表現がモデル内に蓄積される。
このスタイルクラスタリングは、アーティスト名の代わりに「潜在空間」内の座標情報を活用し、数多くの画像を分析して抽出する。結果的に、特定のスタイル傾向をまとめたクラスターをモデルに組み込み、ユーザーが「特定のアーティスト名」を使わずとも近似的な表現を引き出せるようになる。例えば、Pixar風、2. 5Dアニメ風、ドラゴン系ファンタジー風など、各クラスターはある種の「スタイル特化ゾーン」として機能する。
これにより、従来の「アーティスト名=スタイル」の単純な呼び出しではなく、より抽象度の高いスタイルコントロールが可能となる。これは、創作者に対する敬意と、ユーザーが多様なスタイルを享受できる実用性の両立を狙ったアプローチだ。また、一部のアーティストは明確な一貫性あるスタイルを持つが、多くの場合、同一アーティスト内でも複数のサブスタイルが存在する。クラスタリング手法はこうした微細なスタイル差異もモデル内部で整理し、結果的にPony V7はより柔軟な表現性を獲得する。
倫理面でも、この「スーパースタイル」アプローチは、アーティスト名問題を迂回し、かつ複雑な著作権問題を避ける可能性がある。モデルを使うユーザーは、特定個人のスタイルをトレースすることなく多彩な表現を試せるため、アートコミュニティとの軋轢を軽減する狙いがある。
総じて、V7におけるスタイルアプローチは、アーティスト名削除ポリシーを維持しつつ、より豊かなスタイル表現と倫理的配慮の両立を目指した一歩となる。
⑥ データセットと安全性:新しいデータセットの統計と内容 / センシティブコンテンツの管理と安全性の調整
V7では、データセット規模が飛躍的に拡大され、多様なコンテンツを包括する方針が取られている。V6が約1000万枚のうち数百万枚を精選したのに対し、V7は3500万枚もの大規模データを準備し、その中から700万~1000万枚を最終学習用に抽出する。データの多様化により、実写的表現(フォトリアル)、アニメ、背景オブジェクト、ファンタジー、成人向けコンテンツ(NSFW)など幅広い分野をカバーできるようになる。
一方で、安全性や倫理面は、ますます重要な検討事項となっている。Pony Diffusionは基本的に「非検閲」モデルであるが、現実には不適切なコンテンツ(特に未成年を想起させるものや過度に有害な表現)は避ける必要がある。Pony V7は、こうしたコンテンツをモデル内部で生成しづらくするために、データセットからの厳密なフィルタリングや、学習プロセスでの工夫を行う。
具体的には、V6でも実施していた未成年関連コンテンツの排除や、攻撃的・違法性のある画像排除などが徹底される。また、リアリスティックな人間画像や著名人の明確な特徴を再現することによる「ディープフェイク」的利用を簡単に実現させないよう配慮する。これには著名人や実在人物らしき特徴をモデルが簡単に生成できないよう、データ面や訓練方法でコントロールする手立てが含まれる。
さらに、V7は、より幅広い表現力を持たせつつも、最終的な利用場面を想定した「ローカル使用」「商用利用」を含む多様な状況に対応するため、コミュニティとの継続的な対話を重視している。ローカルで利用する場合は、ユーザーが自己責任でモデルを扱うことになるが、公式パートナー環境や特定プラットフォームではプロンプトや生成結果に対するモデレーションを組み合わせることで、安全面を確保できる。
結局のところ、Pony Diffusionは「可能な限り自由で創造的な空間」を目指しながらも、完全な無秩序を望んでいるわけではない。そのため、発展的な安全対策やフィルタリングはV7においても重要なテーマとなっている。データの多様化と精緻化されたキャプションを組み合わせることで、モデルは「理解」できる対象範囲を拡大しつつ、不適切なコンテンツを回避する訓練を受ける。こうした緻密なデータ制御はコストも手間もかかるが、モデルを長期的・安定的に開発・公開するための重要な一歩である。
⑦ V7のリリース計画:トレーニングプロセスとコスト / 初期リリースとコミュニティへの提供
Pony Diffusion V7のリリース計画は段階的なアプローチを採用している。まず、巨大なデータセットに基づく本格的な学習をスタートさせ、初期段階で「マイクロモデル」による試験を実施したうえで、本格トレーニングに移行する。1エポック(データセット全件を一巡する学習サイクル)に3~4週間、5万ドル以上の費用がかかる見通しで、V6で約20エポック行った経験からも、多大な時間と資金が必要となる可能性がある。
しかし、Astralite Heart氏は、より少ないエポック数で優れた性能を発揮できると期待している。すでにテストモデル(V7マイクロ)段階で有望な結果が得られており、ベースモデルであるAuraFlowが潜在的に非常に強力な基礎能力を秘めていることが示唆されている。これにより、V6より短い学習期間でV7が完成する可能性がある。
リリースは段階的に進められる。最初はPony Discordコミュニティの有料サブスクライバー向けにアルファ版を提供し、その後、Discord参加者全体に公開してフィードバックを収集する。この段階で、モデルの初期バージョン(V7.0)が安定したら、civitaiをはじめとする提携プラットフォームへも提供する方針だ。この際、Civitaiとの強力なパートナーシップが活用され、モデルの公開・普及が円滑に進むことが期待される。
最終的には、Hugging FaceやCivitaiでのダウンロード可能な公開版モデルをリリースし、より広範なユーザーがローカル環境で活用できるようにする。その上で、利用者が商用利用したい場合に備えて、V7にも商用ライセンスが用意される予定だ。
また、V7リリース後にはエコシステム強化が計画されている。ControlNetやLoRAなどの周辺ツール、軽量化した小型モデル版(量子化、ディスティレーション)などが順次提供され、ユーザーの利便性向上に努める。こうした二段階・多段階的なリリース戦略は、膨大な開発コストとリスクをコントロールしながら、徐々にモデルを洗練させていくための現実的アプローチと言える。
要するに、V7の完成・公開は一発勝負ではなく、コミュニティのフィードバックや技術的調整を重ねながら達成されるロードマップを描いている。高コスト・長期スパンの開発ゆえ、段階的リリースと細やかな対応が必須となっている。
⑧ 将来の展望:V8以降の計画(動画生成やインタラクティブキャラクター開発)
Pony Diffusion V7以降、開発の射程は画像生成を超えた新たな領域へと広がっていく見込みだ。Astralite Heart氏の原点は、単なる画像生成ではなく「インタラクティブなキャラクター体験」を創り出すことにあった。3年前には、特定のキャラクター(例:トワイライトスパークル)と対話し、そのキャラが瞬きしたり表情を変えたりするプロトタイプを構築していた。しかし当時は画像品質が不十分で、思い描く体験を実現できなかった。
V7で画像品質や多様性が大幅に改善されれば、再び「対話型キャラクター」への道が開かれる。将来的には、Ponyモデルで生成した高品質なビジュアルを、音声合成や大規模言語モデル(LLM)と組み合わせ、ユーザーがキャラクターと会話し、その表情やアニメーションをリアルタイムで楽しむといった体験が可能になるかもしれない。こうした「キャラクターAI」は、ユーザーが創造したい世界や物語を、動的かつ双方向的に形にできる新たなプラットフォームへと成長する可能性がある。
さらに、その先には動画生成が待ち受けている。既にAI動画生成は急速な進歩を遂げており、数カ月前とは比べ物にならない品質向上が見られる。Ponyモデルが動画生成に応用されれば、高品質なスタイルのアニメーションや映像表現を、これまでにない手軽さで創作可能になる。現在、civitaiは動画生成エンジンの導入やパートナー連携を進めており、Ponyモデルのさらなる拡張が行われれば、2~3年以内に想像を超えた映像世界が展開しうる。
将来像としては、V7の完成・安定化を基礎に、V8以降でより革新的な機能を取り込み、画像から対話的キャラクター、そして動画生成へと階段を上るビジョンが示された。Pony Diffusionプロジェクトは単なる画像生成モデルとして終わるのではなく、物語・対話・アニメーションなど複合的メディア体験をユーザーに提供する総合的な「クリエイティブAIエコシステム」を目指している。
⑨ 質疑応答:キャプションモデルのオープンソース化 / 手や特定スタイル改善など
インタビュー終盤には、コミュニティから寄せられた質問への回答が行われた。その一つは「キャプションモデルのオープンソース化」についてである。V7開発で用いられた巨大言語モデル(LLM)によるキャプション生成は、極めて高度な仕組みだが、将来的にはこれを一般利用者向けに公開する考えが示された。現状は巨大なモデルが必要だが、今後は小型化・最適化を進め、Google Colab上で画像をアップロードすれば類似のキャプションが得られるようなツールを提供する目標がある。
また、「手の描写の改善」への質問もあった。AIによる手や指の再現は長らく課題であり、安定的に正しい形を描くのは困難だったが、V6ではある程度改善が見られた。V7ではさらにデータ拡充やモデル改良により、手の表現がより自然になることが期待される。完全な問題解決を約束できる段階にはないものの、質は向上する見込みだ。
言語対応についての質問もあり、多言語でのプロンプト対応を望む声がある。これに対し、Astralite Heart氏は、中間にLLMを挟むことで、入力言語(英語以外)を自動的にモデルが理解しやすい形に変換する仕組みを検討している。これにより、英語以外の言語ユーザーもスムーズにPonyモデルを活用可能になる。
最後に、アーキテクチャ変更や16チャンネルVAEの統合、V7.1や別バージョンでの改良の可能性も示唆された。すぐには難しくとも、コミュニティからのフィードバックやモデルの普及度合いによっては、AuraFlow開発者や他モデル開発陣との連携強化が実現し、さらなる機能強化につながるかもしれない。
要するに、質疑応答パートでは、ユーザーが抱く「どの程度オープンか」「特殊要件(手の改善、特定スタイルの強化、多言語対応など)に応えられるか」という具体的な疑問に対し、開発側は前向きな姿勢で応じている。すべてがすぐに実現するわけではないが、V7を踏まえた次の段階で多くの改善・拡張が可能になるだろうという展望が示された。
<このまとめを作成した個人的な感想的なもの(雑感)>
このyoutubeのコメント欄を見ると「失望」的な記載があったりしました。
それはフィルタリングが今回から入ったことに関するものかもしれません。
もともと、pony系が流行ったのは、SDXLの中でも叡智な表現がとびぬけていたというところがあるかと思います。キャラクターの部分もそうですが。
Auraflowに関しては、ベースは叡智系は生成できませんでしたので、それがどれぐらい表現できるようになったのか気になるところです。