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2025年以降の採用市場における動向をポテンシャライト視点で考えてみた
2025年以降の採用市場をどう生き抜くか?
みなさん、こんにちは!ポテンシャライトの峯です🙋♀️
「エンジニア採用って、どこから手をつけたらいいの?」
「スカウトを送っても反応が薄い…」
「採用はできたけど、定着率に課題がある。」
このような声は、ポテンシャライトが創業する前から現在に至るまで、全国で発せられていた悩みだと思います。
また、特に2025年以降、採用市場はこれまで以上に複雑化し、企業にとって新たな課題を突きつけています。
その背景には、AIの普及や働き方の多様化、そして少子高齢化といった大きな社会変化があります。これらの要因が、採用の在り方を根底から揺るがし、「企業が候補者を選ぶ時代」から「候補者が企業を選ぶ時代」へと変化していることは、もうすでにみなさまお気づきですよね?
具体的には、単純なプログラミング業務の多くがAIによって自動化される一方で、俯瞰的な視点を持つハイレイヤーエンジニアやデータ関連職の需要が急増しています。しかし、こうしたポジションに適した人材はそもそも市場に少なく、採用競争は熾烈さを増すばかりです。
加えて、求職者の価値観も変わりました。「安定した雇用」だけではなく、「柔軟な働き方」や「企業文化との共感」が求められるようになり、企業は「選ばれる存在」であることが求められています。
ここで重要な問いを一緒に考えたいと思います。
「採用活動にここまで労力を割いても、短期間で離職されてしまうとしたら、そのコストは果たして正当化できるのでしょうか?」
採用は、決して終着点ではありません。それはスタートラインにすぎず、採用後のオンボーディングや組織の在り方まで見据えることが必要です。優秀な人材を迎え入れるだけでなく、彼らが長く活躍できる環境を整えることが、今後の企業にとっての勝敗を分ける鍵となるでしょう。
そこで本ブログでは、これからの採用市場を見据え、以下の視点から「採用と組織の未来」をポテンシャライト視点で考えてみたことをアウトプットしてみようと思います。
AIの普及や働き方の変化が採用市場に与える影響
候補者に選ばれる企業になるための具体的なアプローチ
採用後の受け入れ態勢を整え、定着率を上げるためのヒント
2025年以降の採用市場を生き抜くために、企業が今から取り組むべき課題とアクションを一緒に探っていきましょう。
それでは、始めていきます!
1. AIの普及によるエンジニア市場の変化
エンジニア採用において、AIの普及は今後、避けて通れない大きなテーマです。
特に近年、AIがプログラミング作業の一部を担い始めたことで、エンジニアに求められるスキルや役割が大きく変化しています。ここでは、プログラマーからハイレイヤーエンジニア、データ関連職まで、現在の市場で起きている変化を紐解いていきます。
1-1. プログラマーの需要の変化
まず注目すべきは、単純なコーディング業務を担うプログラマーの需要が減少している点です。これまでプログラマーの主な役割は、設計や要件をコードに落とし込むことでした。しかし、AIの進化により、こうした単純作業は次第に自動化されています。
たとえば、GitHub CopilotやChatGPTのようなツールは、コードの補完や生成を瞬時に行います。これにより、企業はより少ないリソースで開発を進めることが可能になりました。その結果、プログラマーには単なる作業者ではなく、全体を俯瞰し、設計や問題解決に関わるスキルが求められるようになっています。
この変化に適応できないプログラマーのポジションは、将来的にさらに減少することが予想されます。一方で、俯瞰的な視点を持ち、課題を解決できるエンジニアの価値は高まり続けるでしょう。
1-2. ハイレイヤーエンジニアの需要増加
次に注目したいのが、システム全体を設計し、チームを統括するようなハイレイヤーエンジニアの需要増加です。これらのポジションは、従来の技術力に加えて、組織全体を見渡しながら課題解決をリードできる能力が求められます。
たとえば、以下のような役職が挙げられます
・エンジニアリングマネージャー(EM):チームを統括し、技術とビジネスの橋渡し役を担う
・VPoE(Vice President of Engineering):技術部門全体の戦略を描き、組織の成長をリードする。
・CTO(Chief Technology Officer):企業全体の技術戦略を統括し、未来の競争力を構築する。
これらの役職には、「高度な思考力」や「チームマネジメント力」、さらに「技術トレンドへの深い理解」が必要です。こうしたスキルを持つ人材はもともと限られており、採用市場では激しい競争が繰り広げられています。
1-3. データ関連エンジニアの台頭
AIの普及がもたらすもう一つの重要な変化は、データ関連エンジニアの台頭です。企業がデータを基盤に意思決定を行う時代となり、データを活用する役割を担うエンジニアの需要が急速に高まっています。
具体的には以下のポジションが挙げられます
・データエンジニア:データの収集、構造化、パイプラインの構築を担う。
・データサイエンティスト:データ分析から意思決定のためのインサイトを導き出す。
・データアナリスト:具体的な指標をデータから抽出し、経営に活かす。
・データ責任者(Chief Data Officer, CDO):組織全体のデータ活用戦略を指揮する。
これらの職種は、企業競争力を支える重要な役割を担っていますが、そのスキルセットの特殊性ゆえに、採用市場では非常に高い競争率を誇ります。
1-4. エンジニア採用の難易度の上昇
これらの変化の結果、エンジニア採用はかつてないほど難易度が上昇しています。特に、ハイレイヤーエンジニアやデータ関連職は、そもそも市場に出回る人材の母集団が少ないため、競争が激化する一方です。
さらに、候補者側も働き方や企業文化に対する要求が高まっています。ただ高い給与を提示するだけではなく、企業が「選ばれる存在」になるための採用ブランディングやパーソナライズされたアプローチが必要不可欠です。
たとえば、採用活動の質を高めるためには以下の取り組みなどが挙げられます。
・ターゲットを明確にした採用ブランディング:候補者が魅力を感じるポイントを明確にし、発信する。
・候補者一人ひとりに寄り添ったアプローチ:スカウト文のカスタマイズや再送、面談時の体験設計など。
・採用活動の戦略的設計:単なる採用活動ではなく、入社後のオンボーディングや定着率向上を見据えた取り組み。
AIの普及はエンジニア市場に大きな変革をもたらしています。この変化に対応するためには、企業側が採用戦略の質を高めるだけでなく、組織全体での適応力を磨く必要があります。
次章では、「候補者に選ばれる企業」となるための具体的なアプローチについて掘り下げていきます。
2. 採用活動において、候補者に選ばれるための企業とは
採用市場は大きな転換期を迎えています。
かつては「企業が候補者を選ぶ時代」でしたが、現在は「候補者が企業を選ぶ時代」へと移行しています。
この流れはエンジニアに限らず、あらゆる職種において見られるものです。少子高齢化や価値観の多様化、そしてインターネットによる情報の透明化が、この変化を加速させています。
企業が選ばれる存在になるためには、単なる採用活動ではなく、「候補者の視点」に立った戦略的な取り組みが必要不可欠です。ここでは、その具体的な方法を解説していきます。
2-1. 転職市場が「人に選ばれる時代」
現代の転職市場では、候補者に選ばれるための工夫が企業に求められています。その背景には、以下の3つの大きな要因があります。
1. 母集団の限界
少子高齢化が進む日本では、労働人口そのものが減少しており、特に専門スキルを持つエンジニアのような人材の供給は限られています。この供給不足が、採用市場での競争を一層激化させています。
2. 候補者の価値観の多様化
かつての候補者は、給与や雇用の安定性を最優先に考えていました。しかし今では、「柔軟な働き方」や「企業文化への共感」といった、内面的な要素が重視されています。企業側は、「なぜ自社で働くべきか」という意義を、候補者の価値観に合わせて明確に示す必要があります。
3. 情報の透明化
インターネットの普及により、候補者は企業の評判や文化を簡単に調べられるようになりました。SNSや口コミサイトでの評判、採用ページの充実度などが、候補者の意思決定に大きな影響を与えます。
このような時代背景の中で、企業が「選ばれる企業」になるには、表面的な採用手法ではなく、候補者視点に立った真の努力が求められます。
2-2. 自社の「採用ブランディング」の重要性
「選ばれる企業」であるためには、自社の魅力を正確に整理し、戦略的に発信する「採用ブランディング」が欠かせません。採用ブランディングを強化するためには、私たちが重要としている採用ブランディングやTIMは必須になります。
2-3. 候補者一人一人へのパーソナライズのアプローチ
少ない母集団の中で優秀な人材を確保するためには、候補者一人一人に寄り添った「パーソナライズアプローチ」が欠かせません。
1. カスタマイズされた1to1スカウト文
候補者のスキルや経験に基づき、個別のメッセージを送ることが重要です。テンプレートではなく、「なぜこのポジションが候補者にとって魅力的なのか」を具体的に伝えることで、返信率を高めることができます。
2. 再送による接点の増加
スカウトメールの返信がなくても、再送を通じて異なる切り口で接触を図ることが効果的です。たとえば、初回メールでは役職の魅力を、再送では企業文化や将来的な成長機会を伝えるなど、内容を工夫します。
3. CX(候補者体験)の向上
候補者との接点すべてが、企業への印象を左右します。以下のような施策を導入することで、CXを向上させることができます。
・面接の質向上:面談者へのトレーニングを実施し、有意義な対話を実現。
・迅速かつ具体的なフィードバック:面談後に候補者の評価や次のステップを具体的に伝え、安心感を提供。
2-4. 改めて「選ばれる企業」になるために
採用市場が変化する中、企業に求められるのは「候補者に選ばれる企業」になるための努力です。採用ブランディングの強化、候補者一人一人へのパーソナライズアプローチ、そしてCX向上への取り組みが、採用成功のカギを握ります。
これらの施策は、単なる採用活動にとどまらず、企業全体の成長や競争力向上にも直結します。転職市場の中で存在感を示し、候補者に「この企業で働きたい」と思わせるための努力を惜しまないことが、これからの企業の在り方と言えると思います。
3. 採用だけでいいの?入社後の受け入れ態勢を考える
採用活動に力を注ぎ、多くの時間とリソースを割いて優秀な人材を確保できたとしても、その社員が短期間で離職してしまったらどうでしょうか?現在、日本における若手社員の平均在籍年数はわずか2〜3年程度と言われています。この事実に驚かれる方も少なくないはずです。
「採用はゴールではなくスタート」とよく言われますが、まさにその通りです。採用後に社員が安心して働ける環境を整えなければ、採用にかけたコストや努力が水泡に帰してしまいます。採用活動に並行して、入社後の受け入れ態勢や組織文化の整備を進めることが、次なる大きな課題として浮かび上がっています。
社員が「ここで働き続けたい」と思える環境をつくるためには、組織自体、何かこれまでの当たり前を覆し、何か変革を起こす必要性があるかもしれません。
今のVUCA時代(不確実性、曖昧性、複雑性、多様性)において、組織が直面する課題は予測不可能です。このような時代を生き抜くためには、組織全体の適応力を高めることが不可欠であり、その鍵となるのが個々の成長です。
採用活動を成功させるためには、「採用」だけでなく、「採用後の受け入れ態勢」や「組織そのものの成長」にも目を向ける必要があります。心理的安全性を基盤とした議論文化の醸成や、学習する組織への転換、そしてリーダーシップの強化は、すべてが連動し、強い組織を築く土台となります。
VUCA時代において成功する組織を目指すなら、採用活動の先にある「組織の未来」を見据えた取り組みを始めてみてはいかがでしょうか?
最近はポテンシャライトの代表 山根のnoteで組織改革について多くのアウトプットを行っています。
ご興味のある方はぜひ山根のnoteをご覧ください。
4. 最後に
皆さま、いかがでしたでしょうか。
このブログでは、エンジニア採用や組織改革の重要性をお伝えしましたが、正直なところ、ここで書けた内容は私たちが伝えたい本質のほんの一部にすぎません。
採用市場の変化や組織の成長について「何かしらの手を打たないとまずいかも」と感じている企業様も多いのではないでしょうか。
実際に、最近ではポテンシャライトに「採用だけでなく、組織全体の課題について相談したい」という声をいただく機会が増えています。VUCA時代を生き抜くためには、採用活動や組織改革をどう進めるかが鍵になります。少しでも「自社に合った解決策を探したい」「方向性が合っているか確かめたい」と感じたら、ぜひ一度私たちとお話ししてみませんか?
大きな悩みでなくても構いません。まずは小さな壁打ちから始めてみましょう。
採用課題も組織課題も、手を取り合って一緒に乗り越えられることを望んでいます。
ポテンシャライトは、今このブログを読んでいただいている、あなたの企業の未来をともに創るパートナーでありたいと思っています。
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