可愛らしい道化師
外出時は神経ビンビンの私
独身の時は気にもしなかった子供の行為ですが、親の立場となった今、
いろいろな人が暮らす社会では気を配る必要があることに気づかされます。
特に社会で様々な抑圧から耐えて頑張っている人から見ると、子供の行為は自由で、身勝手で、受け入れられないのだと思います。
”邪魔だ”、”うるさい”、”出ていけ”、舌打ち、突き飛ばし、、
もちろん毎回では無いですが、外出時の周囲の対応に怖じ気づいてしまい、しばらく子連れ外出をしたくなくて駄々をこねていた私でした。
それでも外出するときは、子供が迷惑をかけないように口酸っぱく言い聞かせたり、飽きないためのおもちゃやお菓子を仕込んだり、周囲に気を引く何かが無いか探したり、手品をしてみたり、、
だんだんとマジシャンか道化師のように、進化していく自分を感じています。
トイレで出会った素敵な人
つい先日、両親に会うために子供と外出しました。
一人で3人の子供を連れての電車移動で、私はいつものように神経をビンビンに張りつめていました。
途中の駅で、下の子供(年少)がトイレへ行きたいというので、上の子二人を待たせて、並んでいました。
トイレは狭く、和式と洋式がそれぞれ一つづつ。
私たちを挟むように、二十歳位のお友達連れの若い女性が前後に2人ずつ並んでいました。
先に空いたのは和式のトイレ。
子供は和式が慣れず、
「こっちが良い~!」と洋式を指さします。
私が後ろの方へ譲ろうと思っていたら、
今まさに洋式トイレに入り、ドアを閉めようとしていた金髪の女性がサッと、
「私、実は和式好きなんだよね~!」
と言いながら、私たちには何も言わずに和式へ移って行ったんです。
並んでいた他のお友達から、
「何のカミングアウト(笑)!?」
のツッコミに、
「だってお尻共有しないじゃん」
とあっけらかん。
「何それ(笑)」
それを聞いていた子ども。
まさに4歳の大好物の単語を言うお姉さんに、
「ね、”おしり”だって、、ww!」
と、私に向かって遠慮がちに小声で、でもめちゃくちゃ嬉しそうに反応(笑)
隣にいたお友達のお姉さんの一人が、
「ね、”おしり”だってww」
と子どもに笑顔で笑いかけてくれます。
素敵な人の正体
トイレでの出来事で破廉恥で恐縮ですが、
私にとっては、嬉しさと、感動と、感謝と、照れと、、幸せな気持ちになった出来事でした。
誰にも負い目を感じさせず、感謝を押し付けず、尚且つ周りを楽しくするって、自ら犠牲になって道化師になることなんだ、、と教えて頂いた気がしました。
そんな人たちに出会えて、実際に扱って貰えて、
きっと二回りも年上の私ですが、
いろいろな感情が混ざって、カァっと頬が赤くなってしまいました。
あまりに些細な事なのですが、こんな些細なことで、人の気持ちは大きく揺れ動くものなんだな、、と実感しました。
私は人生折り返し地点でようやく、自分の子どもに対してはたまに道化師になれますが、
困っている他の人に対して、気負いを与えずに気持ちを楽にさせてあげられるには考えが及ばず、全く修行が足りません、、
いつかこのトイレのお姉さんたちのような可愛らしい道化師に自然となれるように意識して過ごそうと思いました。
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