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年の瀬

あの電柱までと過ごしてたら、明日でいよいよ仕事納め。

今日も今日とて、ゴリゴリの寒さ、肌から粉雪〜♪の乾燥の日々で朝起きるのが、億劫。

弁当等の支度を済ませ、ゆったり家を出ると、駅に向かう途中で、上の階のお住まいの方がダッシュで自分を追い抜いていく。
ダッシュしない日を見た事がない。

「黄色い点字ブロックの内側へお下がりください」のアナウンスを聞きながら、頭の中は、あ〜どこか出掛けたいなぁと妄想。



トレンチコートにハットを目深に被り、キャリーバッグを引きながら、タクシーを適当に止めたら、運転手さんに訳ありオーラで「海が見えるところまで飛ばしてくださる?」と。(なぜオネェ)

ちびまる子ちゃんのヒデじい風の紳士の運転手さんは、なにも詮索せず、「畏ました。空調の調整ございましたら仰ってください」とだけ言い出発。

どのくらい経ったのだろうか。ウトウトを繰り返しているうちに峠を越え、乱反射された碧いガラスのような海が見え、私は自然に涙を流していた。
 


なんて、、無断欠勤する気概もなく、くだらない妄想しながら、通勤電車に乗り、いつもの時間のいつもの車両のいつもパズドラに熱中する猫背おじさんの側で、今日は何聞こうかと悩むいつもと変わらない朝。

変わったのは、そのパズドラおじさんの服装がTシャツから長袖、そしてジャケットと季節の移り変わりを間近で感じていた。
恥ずかしがり屋の秋には、あまり会えなかった気がする。

そして、もう気付けば、年の瀬。 
 

帰省の準備もしなくちゃと、大きいリュックに諸々詰め込みながら、忘れ物はないか考える。

あ、甥姪のお年玉のポチ袋を買い忘れてる。
去年の暮れは、干支「辰」の消しゴムハンコを作った。
ポチ袋にハンコして渡したんけど、誰も気づいてくれなかった。。

それより、甥姪にお年玉を上げても即、親に渡しているのがすごーく寂しかった。
おじさん寂しかったぞー!(5歳未満なら、まだ分かるよ、お小遣いじゃないだろうしさ。でもさ、でもさ、みんな5歳以上だしさ、まるで借金返済みたいに兄夫婦に俺が金渡してるようなもんじゃーんと思ったから。)

そんなことを思い出しながら、使い余った消しゴムを見つめてた。


少し前に父親からLINEが来て、「うまい焼酎たくさん仕入れたから飲もうよ」と、友達みたいな連絡をもらった。

誰とも忘年会をしてなくて寂しいけど、2024の締めくくりを家族で飲みながら過ごせるから幸せだよね、としみじみ。
 
那由多の雪が降る町で、僕を待ってくれている。

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