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バイクライドの風景_#35 (前言撤回のキャベツ衝動買い)

毎朝9時ごろになると、30分から1時間ほど河川敷を自転車で走っている。

本日もいつもの通り、9時15分ごろに自宅を出て、河川敷に向かう。すると途中で、ご近所の奥さんが自転車で帰ってきた。自転車の前カゴからごぼうが出ている。どうやら、近くにある農協系スーパーで買い物をした帰りらしい。

そのスーパーは9時に開店するので、開店と同時に買い物をして、早々に帰ってきたよう。時には7km離れた駅の近くまで自転車で行って買い物をする元気な人だ。
「おはようございます」と挨拶をして、いつものように河川敷に向かって、自転車を走らせる。

例のスーパーは河川敷までの途中にある。駐車場に停まった満車の車を横目で見ながら、ふと思った。「もしかすると安い野菜目当てに早くから買い物に来ているのではないか?」と。そして気が付けば、自転車をUターンさせて、一度通り越したスーパーの入り口から駐輪場へと向かっていた。

サイクルジャージにヘルメットとサングラスという怪しい格好で店内に入る。靴はビンディング・シューズなので、歩き方はペンギン歩きしかできない。歩き方まで怪しい。

そんな怪しい状況で地産の野菜売り場に行ってみると、そこにはキャベツの山。価格を確認すると、290円。世間では、590円もするキャベツが290円。随分前の98円に比べると3倍だが、現在の相場では半額だ。

290円のキャベツ

つい昨晩、あるクリエーターさんの記事に「キャベツに見切りをつけました!脱キャベツで頑張るぞ!!」と書いたばかりなのに、いくら相場の半額だとは言え、ここでキャベツを買うか?それでいいのか?と、束の間の葛藤の末、買うことを決意したのだった。大袈裟だけど、葛藤は本当の話なのです….。

ところで、この店は電子マネーが使えない。財布は持っていない。どうやって払うんだ。一瞬戸惑ったが、すぐにサドルバッグに小銭を入れていたのを思い出し、サドルバックの中の小銭をとりに駐輪場に向かう。これで無事に買うことができるぞと、キャベツを手に嬉々としてレジに並んだ。そして、現金で290円を払って無事にキャベツを手にいれる。

さて、それでは一度家に帰って、キャベツを置いてから改めて河川敷に向かおう、とキャベツを手にして自転車のところまで来て、はたと立ち止まってしまう。どうやって、自転車に乗るんだ?自転車はロードバイクでカゴなどはない。本日は買い物をする予定はなかったので、バックパックもない。ロードバイクを3分間片手運転するなんてことはできない。

一度、サービスカウンターで預かってもらおうか、などと考えた末に、結局、キャベツをサイクルジャージのお腹に入れて自転車に乗って帰ることにした。サイクルジャージは体にほぼピッタリなのでお腹の中に入れても、滑り落ちることはない。側から見るとやけに腹が出たサイクリストに見えたであろう格好で家まで自転車を漕いで帰ったのだった。

(ナビ)とうちゃん、やったね!!

ちなみに、その後河川敷を30分ほど自転車を走らせて、帰りにもう一度スーパーに立ち寄ってみると山のようにあったキャベツはすでに5個ほどしか残っていなかった。どおりで昼過ぎになって行った時には何もないはずだ。

それにしても、以前の価格の3倍もするキャベツにここまで執念を燃やすのもいかがなものかと思う、意志薄弱な64歳(もうすぐ65歳)だった。

ちなみに、トップ画像は朝の散歩で毎日通るキャベツ畑。私たちの推定では1万個はあるはず….。毎朝、あらぬ誘惑に心を乱される。

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