「リンク型竜剣士」の展開まとめ(遊戯王マスターデュエル)
はじめに
本記事では,「リンク型竜剣士」というデッキタイプについて解説します.先攻は,名称ターン1制限のない圧倒的な展開力を持つ竜剣士モンスターを使って大量のリンクモンスターを相互リンク状態で並べていき,さらに紅蓮の指名者を確定サーチで構えることで,ほぼ勝利が確実な盤面を作ります.名称ターン1制限のない宇宙展開を行うSPYRALのような先攻展開に近いものを作ることができます.後攻は,紫毒やビヨンド,イグニスターPなど,相手の盤面に触ることができるカードを使って手数で展開もしつつ妨害も踏み越えていくことを目指します.
デッキレシピ
先攻展開の基準となる盤面:ウーサ + 3相互トラゲ + ジーランティス + グリフォン + 紅蓮の指名者
このデッキの先攻展開の基準となる最終盤面です.ウーサによるモンスター効果複数回無効,トラゲによる万能無効除外,グリフォンによるモンスター効果封じ,ジーランティスによる戦闘補助妨害(バトルフェイズまでに4枚も相手モンスターが並ぶことはほぼないですが一応これだけで最大4妨害になります),紅蓮の指名者によるドローフェイズハンデスとなります.ウーサの素材数を明記していないことには理由があって,このデッキの先攻展開は特定の2枚初動を引けたかどうかでどこまで伸びるかが決まらず,それぞれの竜剣士モンスターをどれくらい素引きしていたかとか,紅蓮の指名者をそもそも素引きしているか(代わりにシラユキを落としてリンク数を増やせるため),とかによってその場で出力できるリンク数の合計に応じて最後の盤面が微妙に変わるためです.また,グリフォンやファンタズマで手札コストを合計2枚要求するため,盤面のリンク数管理だけでなく手札のリソース管理も重要です.リンク数が伸びるような最大展開では,ここに加えてさらにランク4エクシーズを追加したりできますが,そもそもこの5枚の盤面が強固すぎるので,万が一盤面を崩された時の返しのターン用に超天神龍を手札に温存しておくのが良いでしょう.下手にたくさんモンスターを出しても,超融合が裏目になってしまいます.
このようにその場その場に応じて作れる最終盤面が微妙に変わるものの,少なくとも基準盤面に近いものが作れるかどうかは2枚初動の組み合わせのみで決まり,その2枚初動(準2枚初動も含む)の組み合わせは以下の通りです.
通常展開可能となっているものはどの展開パターンも,
ビヨンド召喚(初動次第でこの前後のどちらかでイグニスターP召喚)
エレクトラム召喚
ジーランティス + イグニスターP + エレクトラム + アストログラフ + ダイナマイトP 成立
の流れを基本としつつ,初動の種類に応じて少しだけ展開の仕方をアレンジするだけです.ラクーンP + イグニスP (残り手札は適当にうらら3枚などと仮定します.実際は,残りの手札3枚次第でイグニスターPで何を出すかなどを変えたりするので完全に同じルートになることはないです.これが竜剣士の難しいところであり面白いところでもあります.)の2枚初動の展開例を以下に載せます.
ラクーンnsマジェスティサーチ
マジェスティ&イグニス Pスケールセット
マジェスティefダイナマイトサーチ&イグニス破壊,イグニスef→マジェスティss
ダイナマイト スケールセットefマジェスティss
マジェスティef虹彩サーチ(手札コスト1)
虹彩発動
イグニスターss(マジェスティ&マジェスティ)efマジェスティss
ビヨンドssef(ラクーン&イグニスター)ファンタズマサーチ
ファンタズマ スケールセット
ps マジェスティ×2
マジェスターxsef
マジェスターefイグニスss
セレーネss(ビヨンド+マジェスター)
セレーネefマジェスティss(この段階で墓地の竜剣士はマジェスティPが一枚)
エレクトラムss(マジェスティ&イグニス)efアストログラフEXへ
虹彩efダイナマイト破壊超天神龍s
エレクトラムef虹彩破壊アストログラフ回収
超天神龍Pスケールセットefイグニスターssアストログラフef超天神龍s
イグニスターefダイナマイトss
ジーランティスss(セレーネ&マジェスター)
ジーランティスef
ここまでは共通の手順ですが,以降は(というかそれ以前もなのですが)手札枚数や盤面などによってその場その場で考えながら出力できる最大盤面を作ります.特に注意すべき点を列挙しておきます.
紅蓮の指名者を素引きしていない場合は,キュリオスで落としに行きます.まずさきにアストログラフとダイナマイトPでダイナスターPを作り,ダイナマイト効果で竜剣士を1枚回収しておきます.イグニスPの効果を使っていなければイグニスPを回収するとよいです.このデッキでのキュリオスの作り方は,炎属性3体(エレクトラム・イグニスターP・イグニス)水属性(ジーランティス・ダイナマイトP・ダイナスターP)ですが,基本的にはジーランティスは戦闘補助用妨害として優秀で残しておきたいので,炎3体でのキュリオス召喚を狙いましょう.そしてそれを後でグリフォンで回収します.
リンク数に余裕がないときはキュリオスから直接2素材アポロウーサなどに行き,もし余裕があって4素材アポロウーサを作りに行ったりしましょう.
ダイナスターを使うときは,なるべく竜剣士を手札から出さずに墓地から出すように意識します.グリフォンやファンタズマの手札コストを確保するためです.
最初の初動にイグニスPのチューナーリクルート効果が絡まなかった場合は,最初のイグニスターPのリクルート先をイグニスPにするなどをしておき,のちのダイナマイトリリース時に回収することで,2回目のエレクトラムによる破壊効果をPスケールのイグニス対象にすることでリンク数を1増やせます.
ここまでが2枚初動で目指せるパターンですが,Pデッキですのでここに書いてあるもの以外にも手札に応じてアドリブで盤面形成をできるケースがたくさんありますし,基準となる最終盤面には劣ってもそれなりの妨害を構えらえる妥協展開も色々考えられます.特に後述の通り,ラグなどで存在が予想できる増殖するGをビヨンド直後に打たれてうららで無効にできないことをケアしたい場合は,ビヨンドなしでエレクトラムのみでの展開をアドリブで行う場合も考えられます.
通常の先攻展開が決まりさえすれば,よほどのことがない限り捲られることはないです.モンスターでの妨害に加えて紅蓮の指名者でドローフェイズに一番危険なカードを抜くことができ,そのあとさらにトラゲなどの妨害をどこに充てるのが適切かが予想できるためです.捲られる可能性があるとすると,紅蓮の指名者チェーン超融合→アースゴーレムを出されたり,紅蓮チェーンリブート→ラー玉,ラー玉2枚引きなどでしょうか.ただしもし盤面を返されてしまっても,ファンタズマがPゾーンに残っていれば,返しのターンに超天神龍を回収しイグニスターPを再度召喚することでまた盤面を盛り返すことができ,リソース勝負になってもファンタズマとイグニスターPが除外されない限り半永久的に戦うことができます.
採用選択枠カードについて
竜剣士デッキの採用確定カードは
マジェスティP 3枚
イグニスP 3枚
ダイナマイトP 3枚
ラスターP 1枚
ドクロバット3枚
ラクーン 3枚
アストログラフ・マジシャン 1枚
超天神龍 3枚
マスターP 1枚以上
だと考えています.ここに各種誘発を入れたり,展開補助や捲りになるカード,最終盤面を作るためのカードを入れることになると思います.
展開系デッキということもあり,うららや墓穴はさすがに最大枚数搭載すべきだと思いつつ,それ以外は割と個人のデッキのバランス感覚次第で調整してよいところです.以下に調整の余地がありそうなものを列挙しています.
手札誘発:モンスターの手札誘発のほうが,先攻展開のリンク値稼ぎとなるためべターです.ただし,抹殺を入れるならに無限を1枚は入れたい気もします.
デュエリスト・アドベント:ラスターPの2枚目になります.
増援:イグニスPの4枚目になります.
ダイナミスト・チャージ:ダイナマイトPの4枚目になります.
魔術師出張セットの枚数バランス
フェンリル:先攻ではリンク値稼ぎかつ手札コスト稼ぎになり,Gを打たれて止まらざるを得ない時にも妨害として残せます.後攻ではP展開をする前に相手の妨害を確実に踏めます.
シラユキ,ムドラ,ケルドウ:先攻ティアラ対面などのアギケル爆発に抗える余地が残せる.また,先攻展開で素引きしているとリンク値稼ぎかつ相手ターン妨害にもなり無駄がないです.シラユキはセレーネの蘇生にも対応しておりとても有能です.
レスキューラット:リソース回復用.ただ正直先攻なら展開しきって絶対に勝てる盤面を作ったほうが良い気がします.
コードブレイカーたち:リンク数を大量に稼げます.ただ正直エクストラデッキを2枠も使うのはかなり厳しいです.メインにも1枚不純物を入れることになりますが,それはまだP召喚で出せるので許容できるかもしれないです.
他のデッキタイプについて
竜剣士は最終盤面に何を構えるか次第で十人十色のデッキタイプを考えることができます.ここでは,それらを思いつく限り列挙してみます.アポロウーサやバグースカのように多くの竜剣士デッキで採用されそうなものは省略し,そのデッキの個性が出るようなものを紹介します.完全にお互いが排反というよりは両立するものもあるかもしれないです.これだけ圧倒的な展開力があるので,先攻展開が決まったら(多くの捲り札すら無力にさせるような)確実に勝てる盤面を目指しつつ,後攻でも勝てるように,さらに事故率を減らせるようにゴミを減らす,というのが究極的な目標になるかと思います.
紅蓮の指名者
キュリオス→グリフォン
シラユキ
キュリオス
ヴァレルロード・サベージ・ドラゴン
シンクロ8は出しやすいように見えてラスターPの制約のせいでシンクロ召喚が意外としにくいです.
ボルテックス・ドラゴン
オッドアイズ・ディゾルヴァー,プリースト,アークペンデュラムなどを採用して融合します.
7エクシーズのオッドアイズ・アブソリュートから出します.
パキケファロ(ジーランティスやタイタニックで守るのがよさそう)
キュリオス→クロシープ
御影→スカルデッド
トライゲート・ウィザード
3相互は簡単に作れます.
ファイアウォール・ドラゴン・シンギュラリティ
まだMDには実装されていないですが,,
先攻展開の誘発貫通力について
相手の妨害が全くない場合の先攻展開については,2枚初動とはいえ組み合わせが多く安定して展開できることが分かるかと思います.ここでは,誘発貫通についてそれぞれ考察してみます.
増殖するG
まずGについては,うららのみを所持している場合,ビヨンドの効果発動直後に投げられるとうららの効果を発動できないため,バグースカで止まるしかありません.もしMD特有のラグによるGの予想ができる場合で,相手にGの打ち所の知識があることが分かっている場合は,意表をついてビヨンドを経由せずにエレクトラムによる展開をすることも一つの手です.紅蓮の指名者を構えるところまではいけない可能性が高いですが,それなりの妨害数は構えられます.
ちなみに手数を生かしてGつっぱして相手のデッキをからすことも不可能ではなく成功体験も数回ありますが,かなりギリギリなのでうらら+αくらいの誘発がさらに飛んでくるときついです.
灰流うらら・無限泡影などの効果無効系
うららや泡影については,ビヨンドや1回目のイグニスター効果,マジェスティss時の虹彩サーチ効果などいろいろありますが,初期手札の残り3枚が展開に使えるカードであれば結構貫通できることが多いです.例えばビヨンドに打たれた場合は,本来サーチするはずだった下スケールのなにかを素引きしているだけで,超天神龍1回分が減りますが,そのまま誘発貫通して展開できます.それ以外にも2枚初動+αのカードでうまく貫通できるように誘導できることが結構あります.注意点としては,ラスターPとイグニスPの2枚初動のような,通れば動けるがうららをくらうとPスケール数の問題で身動きできなくなるような初動の入りは極力回避しましょう.もちろん100%貫通できるわけではないですが,残り3枚の手札に応じて誘発ケアできそうな最適な展開ルートを模索しましょう.
原子生命態二ビル
二ビルは,ジーランティスの効果を使う直前・直後に使われると莫大な被害を受けてしまいます.幸い,マスターデュエルではラグの存在で二ビルがあるかどうかに気づきやすいです.明らかに5体目の特殊召喚でラグが生まれた場合,途中でアポロウーサを出す妥協展開に行くのもありかと思います.基本的な先攻展開では,ビヨンド成立時 or イグニスターPでの特殊召喚時が召喚5回目になることが多いですが,手札に虹彩やファンタズマを持っておくことで,相手がこちらがもう少し展開するところまで二ビル発動を待ってきたらウーサを先に出してウーサ+グリフォン(+フェニックス)のような妥協盤面を目指します.相手が二ビルをウーサ成立前に出して来たら,手元にある虹彩とファンタズマでグリフォンを作りましょう.
ビーステッド
このデッキは,メインモンスターの竜剣士のほとんどが光・闇以外であり,デッキのエンジンであるEX竜剣士たちも光・闇以外ですので,ビーステッドに対する耐性がかなり高いです.そもそもPモンスターたちは場から離れると基本的にEXデッキに行くため,アストログラフ・マジシャンのような除外されると困るカードは墓地に行くこともありません.ビーステッドの主な使いどころとして,セレーネの蘇生効果で光・闇の魔法使い(魔術師たちやヴェーラーなど)を蘇生するときに使ってくることが多いですが,セレーネは対象に取らない蘇生のため蘇生対象を2枚以上用意しておけばほぼ無傷です.先攻展開の多くでは,マジェスターPのエクシーズ素材にマジェスティPなどを含む魔法使いを2枚入れておけばそれだけで十分なケアになりますし,そもそもマジェスティP2枚でエクシーズすればビーステッドを食らいません.よく相手が勘違いしやすいですが,闇属性のビヨンドはリンクモンスターのためセレーネでそもそも出せません.
相手の妨害を考慮した後手捲りについて
マジェスティPの誘発効果
恐竜におけるミセラの劣化版,のような使い方ができます.無限泡影やサリークなどの対象を取る効果が竜剣士モンスターに効かなくなります.また,破壊効果からも守ることができるため,デスフェニのようなフリーチェーン破壊への耐性をつけることができます.ただし,例えばこちらの先攻で相手の無限にチェーンしても手遅れなので,現実的な使い道としては後手での捲り用になるかと思います.とはいえ,マジェスティPはこちらの展開にも使える重要なカードであるため,その他のカードで十分展開が可能で余裕がある時に使うことになるかと思います.
展開中に相手の場に触れるカード
後手捲りを行っていく際,展開の過程で使えるカードでかつ相手の盤面にも触れるカードは以下の通りです.これらを頭に入れながら相手の妨害をどうやって乗り越えていくかを考えましょう.
フェンリル
先手でも有用なのに後手でもほぼ確実に最初に1妨害踏める優秀なカードです.
紫毒
スキルドレインなどの永続罠を割れるのがとてもえらいです.次元の裂け目・マクロコスモスなどが発動されていても紫毒は除外されますが破壊効果は使えます.
イグニスターP
対象を取らないデッキバウンスなので,非常に有用です.割るカードとして紫毒やイグニスを選ぶとさらなるアドも取れます.
ビヨンド
ジーランティス
3相互トラゲ
深淵アーゼウス