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超長編小説。
目が覚めた。絶望した。
そこで泣くことにも飽きていた。
なんで生きているのだろうと思う。
眠りについて、そのまま死にたかった。
ベッドから這い出る。
墓から、社会のゾンビが蘇る様子。
今までずっと、死にかけで生きてきた。
流石に死んだと思っても、まだ生き続けた。
冷蔵庫を開ける。
消費期限が切れた食パンがあった。
表面はカビで構成されていた。
不幸中の幸い、
それを食う分にはゾンビが適役だった。
少し前までは消費期限切れのものは避けていた。
でも、最近は無心で食べている。
むしろ、食べたいのかもしれない。
奇跡が起こって、死んでしまえたらそれでいい。
神様、お願いします。
食パンと少しの希望を口に運ぶ。
幸せを噛み締める。
毎日のなかで数少ない、生を感じられる瞬間。
永遠の命は、そこで泣くことにも飽きていた。
200年前、
ノーベル生理学医学賞を受賞した男は、
今日も死に続けた。