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しんちゃんとゾウさん踊りをした夢

道を歩いていたら、向こうからしんちゃんが歩いてきた。僕は、しんちゃんに憧れていたから、そっと彼の後についていった。そしたら急に
「あ! オラちょっとアクション仮面のヨウジ思い出したゾ!」
そう言いうと、僕の方へ振り向いて
「セカイヘーワ、たのんだゾ!」
しんちゃんは一目散に走り出した。「セカイヘーワ」よりも「アクション仮面」。すごく、しんちゃんらしい。
 でも、僕は思わず、
「そんなの僕には無理だよ! そんなの、しんちゃんだからできるんだ! しんちゃんだから、しんちゃんだから『セカイヘーワ』を守れるんだ!」
 夢中で、5歳児の背中へ向かい叫んでいた。そしたら、しんちゃんは走るのをやめ、再び僕の方へ振り向いた。
「んもう~したかないなぁ~、これだからオトナは手がかかるゾ~」
しんちゃんは、突然パンツを脱ぎ捨てた。
「ゾーウさん、ゾーウさん、オーハナが~」
 道の真ん中で、あの「ゾウさん踊り」をする5歳児。
ああ、僕は、しんちゃんにやきもちを焼いていたんだな。そのくせ、やる前から「僕に『セカイヘーワ』なんて守れない」なんて、自分で自分を勝手に決め込んでいた。僕はモーレツに、そんな自分の事が恥ずかしくなった。
 僕はパンツを脱ぎ捨てた。
「ゾーウさん、ゾーウさん、オーハナが~」

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