トップガン マーヴェリック

泣くの早かった。びっくりするくらいに。
オープニングで、戦闘機がたくさんの人の手をへて、離陸したとき、すでに泣いてた。メカチェックして、滑走路が整えられて・・・いちいちポージングもカッコよくてワクワクしていたところで、ギューーーーーーンと飛び立ったとたん、涙が出てた。
もうなんで泣いてるのかもよくわからなかったけど。

そもそも、1986年当時、「トップガン」が大ヒットしていたとき観ちゃいなかったから、この作品に思い入れがあるわけではなかった。むしろ、いまさら「トップガン」を作る必要があるんだろうか?と思ってた。

なのに。
大人の格好よさを見せつけられた。
トム・クルーズasマーヴェリックは完璧なる主役。ただただカッコよく描かれている。
よく、物語の主人公は歌うことしかできない、描くことしかできない、走ることしかできない・・・とかあるけれど、マーヴェリックは飛ぶことしかできない男。難題にぶつかったときに、飛んで“見せる”ことで状況を打開して、もう何も言わせない。「おっさん」呼ばわりする若きパイロットたち(しかも精鋭揃い)も、飛ぶことで圧倒する。

私が子どもの頃は、大人は格好よかった。乗り越えていくべき相手だった。
敵わないって思うのって幸せだなって思うんだ。
まだ先を目指せるというか、戦えるっていうか。
でももう若くないからよーーーくわかる。私は、マーヴェリックにもアイスマンにもペニーにもなれない。
それでも、ときどき格好いい大人を観て心が揺さぶられて意味もわからず涙すると、また先に進めるような気がするのかもしれない。もうすっかり大人になっちゃったんだけど!

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