農業参入への新たな挑戦の道
前回は農業マーケティングの世界への扉を開けると題して農業とビジネスの融合によって、作物の栽培と販売を通じて新たな可能性を見出す物語の旅が始まりました。
2006年、ワイナリーを設立するという夢を追い求め、私はブドウの産地を調査し始めました。運命的な縁が重なり、ある産地に移住することを決意しました。新規就農者にとっての最初の壁となる農地を借りるという課題に対して、一般の農家にとってはごくわずかな広さの畑を借りることができたからです。
しかし、その産地はブドウの生食用の栽培が主であり、ワイン用のブドウの栽培はあまり行われていませんでした。マスカットベリーAなどの食用ぶどうは存在しましたが、ワインづくりに適した品種ではありません。
ワインづくりに向いたブドウ品種は、多くの要素によって評価されます。以下にいくつかの主要な品種を説明します。
これらは一部の代表的な品種ですが、ワインづくりにはさまざまな品種が使用されます。栽培地の気候条件や土壌の特性、ワイナリーの製造手法など、ワインのスタイルに影響を与える要素も重要です。したがって、最適なブドウ品種は、特定の地域やワイナリーの特性に合わせて選ばれることが多いです。ワイン製造者は、ブドウの品種選択を通じて、独自の個性やスタイルを表現することができます。
このように最初から躓いたわけですが当時、私が会社を退職する際に同僚やライバルメーカーの社員たちも一緒にやりたいと申し出てくれていました。そのため、後に引くわけにはいかなかったのです。そこで私たちは自分たちの得意分野である販売やマーケティングで生計を立てることを決断しました。
私たちはバイヤーと共に課題を抽出し、需要のある作物や効果的な販売計画を考え出しました。そして、販路のない農家さんに提案しながら直接販売するという新たなビジネスモデルを展開することにしました。
当時の農業業界では、農協を通じて市場に卸すのが一般的でした。しかし、私たちのやり方はまだ一般的ではなく、それでも地元の農協は私たちのアイデアを歓迎してくれましたし、農家さんたちも喜んで協力してくれました。しかしながら、当時の私たちは農協の仕組みについてよく理解していなかったのが事実です。
どうやって出荷するのか、市場にはどうやって出すのかさえわかっていなかったのです。
一緒に脱サラしたメンバーの給料をねん出するために売り上げを伸ばさなければならないというプレッシャーの中、日々奮闘しました。それまでの安定した生活から一転し、起業するわけですから家族には迷惑をかけられません。
そこで私たちの経営理念の一環として、サラリーマン時代の給料を維持することを目指すことにしました。もしもそれを下回った場合は、私たちは農業事業を終了し、再びサラリーマンの道に戻る覚悟を持っていました。このような条件を設けることで、私たちは自らのビジネスに対する責任を厳しく追求し、経済的な安定性を保つことを意図していました。
このような厳しい条件を設けることは、私たちの決断や行動に対する自己責任を強化するためであり、成功に向けた努力を促すものでした。サラリーマン時代の収入水準を維持することは、私たちの経済的な安定と家族の生活を守るために重要な要素であり、我々の意欲と情熱を高める助けとなりました。
結果として、私たちはこの目標に向かって精力的に取り組み、自身のビジネスを成長させることに成功しました。このような挑戦的な条件を設けることで、私たちは常に目標に向かって前進し、農業という新たな道においても充実した日々を過ごすことができました。
実際に取り組んでみると、この挑戦は非常に困難なものでした。私はサラリーマン時代の倍以上働くことになりましたが、それでも充実感に満ちた日々でした。この新たな道に踏み出す決断は、私たちにとって大きな意味を持っていました。
ここから先は
アグリハック研究会
アグリハックを通じたビジネスのメッセージは「農家はメーカー」であるということです 。常にマーケットを意識しながら、コストの削減や栽培プロセ…
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!