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ソルゴーの上手な育て方

前回からソルゴーの話を連載させていただいておりまして、やはりナス栽培にはソルゴーは鉄板アイテムだという思いから、お伝えさせていただいております!

それでは今回は、ソルゴーの育て方をご紹介します。
ソルゴーの栽培においては、対倒状性が高い品種を選ぶことが重要です。種苗会社各社から販売されている品種の中から、病害に強く安定した収量を期待できる品種を選びましょう。

また、ソルゴーの価格は一般的に1kg当たり1500円前後となっています。この価格は市場や供給状況によって変動することがありますが、一般的には比較的手頃な価格帯に位置しています。

ソルゴーはその効果や利点から需要が高まっており、農家の間でも人気があります。そのため、適切な価格で入手できることは経済的なメリットとなります。

ソルゴーの栽培に取り組む際には、対倒状性の高い品種を選ぶことで病害リスクを低減し、収穫量や品質を安定させることができます。また、適切な価格でソルゴーを入手することで、経済的な負担を抑えながら効果的な防風・防虫対策を実施することができます。

ソルゴーの栽培には効果とコストのバランスが重要です。対倒状性が高く、価格も適正な品種を選ぶことで、より効率的かつ経済的な栽培が実現できるでしょう。

ソルゴーの栽培では通常、追肥は必要ありません。ソルゴー自体が肥料として土壌に栄養を供給するため、追加の施肥は不要です。しかしこの点については栽培者の好みや特定の状況によって異なる場合もあります。

追肥の必要性は、栽培地の土壌状態や栽培する作物によっても異なるため、お好みで追肥を行うかどうかを決めることができます。土壌の栄養状態や作物の成長状態を観察し、必要に応じて追加の栄養補給を行うことができます。

ただし、ソルゴーの利点の一つは、肥料効果が持続することです。ソルゴーが分解される過程で栄養が徐々に土壌に供給されるため、長期間にわたって作物に必要な栄養を提供します。したがって、通常は追肥は必要ありませんが、土壌や作物の状態によっては追加の栄養補給が適切と判断される場合もあります。

追肥の有無は栽培者の判断に委ねられています。栽培環境や作物の栄養状態を適切に把握し、必要に応じて追加の栄養補給を検討してください。

ソルゴーの栽培においては、土着の天敵であるヒメハナカメムシ類はソルゴーの周辺に生えるメヒシバなどの雑草から多く採集されることが知られています。そのため、株元に生えるメヒシバなどの雑草をこまめに除草する必要はありません。

ソルゴーの株元に生える雑草は、ヒメハナカメムシ類の生息場所となります。これらの天敵が雑草からソルゴーの株に移動し、害虫の制御に寄与することが期待されています。したがって、株元の雑草を除去する必要はなく、むしろそのまま放置しておくことで天敵の生息場所を確保することができます。

ただし、畑全体の雑草管理は適切に行う必要があります。周辺の畝や通路などで雑草が過度に繁茂すると、作物の生育に悪影響を及ぼす可能性があります。適度な範囲での雑草管理を行い、ソルゴーの株元の雑草だけを放置することで、天敵の生息場所を確保しつつ作物の健全な育成を図ることが重要です。

株元の雑草については、ソルゴーの栽培特性と天敵の活動に配慮しながら、適切な雑草管理を行ってください。

ソルゴーは防風効果やドリフトの低減、害虫の侵入防止、土着天敵の温存といった多様な役割を果たしてくれる優れた作物です。そして、ナス栽培終了後にはその利用価値がさらに広がります。収穫したソルゴーは緑肥や敷き草として活用することができ、露地のナス栽培においてはまさに鉄板アイテムの一つと言えるでしょう。

ソルゴーは栽培終了後、刈り取ることでその資源を活かすことができます。刈り取ったソルゴーは土壌改良材として利用できる緑肥となります。緑肥として土に返すことで、栄養分を補給し、土壌の健全化に寄与します。また、ソルゴーを敷き草として利用することで、地表の保水性を高め、土壌の乾燥を防ぎます。これにより、ナスの栽培において水分管理を効果的に行うことができます。

ソルゴーの刈り取りや利用は、ナス栽培における持続可能な農業の一環としても重要です。その多機能性と環境への配慮が、より効率的で継続可能な農業を実現する手助けとなります。

ソルゴーは防風効果や害虫対策に優れた特性を持ちながら、栽培終了後の利用価値も高い貴重な作物です。ナス栽培においては、ソルゴーの活用は欠かせない要素となるでしょう。その効果的な活用により、持続可能な農業の実現と豊かな収穫を目指しましょう。

ソルゴーの品種選びについて

ソルゴーの品種選びは、風に強く、甘味が強く、天敵が増殖しやすい品種を選ぶことが重要です。

まず、風に強い品種を選ぶことで、ソルゴーの防風効果を最大限に引き出すことができます。風による倒伏やダメージを最小限に抑え、ソルゴーの機能を十分に発揮することができます。

また、甘味が強い品種を選ぶことで、ソルゴーを利用する際の収穫物の品質を向上させることができます。甘味のあるソルゴーは天敵にとっても魅力的な餌となり、天敵の増殖を促すことができます。天敵の存在は害虫の自然な制御に役立つため、ソルゴーの品種選びにおいては天敵の増殖を促す効果も意識しましょう。

品種選びはソルゴーの栽培の成功に大きく関わる要素です。風に強く、甘味が強く、天敵が増殖しやすい品種を選ぶことで、ソルゴーの機能を最大限に引き出し、ナス栽培においてより効果的な防風や害虫制御を実現することができます。品種の特性を理解し、自身の栽培環境や目標に合った品種を選ぶことが重要です。

露地ナスの栽培において利用するソルゴー品種は、アブラムシ類の耐虫性を含めて以下の3つのグループに大別することができます。

① 草丈が2m以上で風で倒れにくく、かつナスには寄生しないアブラムシ類が多く発生する品種には、「ビッグシュガーソルゴー」「スーパーシュガーソルゴー」「高糖分ソルゴー」があります。

② 風で倒れにくく、アブラムシ類が比較的中程度に発生する品種には、「甘味ソルゴー」があります。

③ 風で倒れにくく、アブラムシ類が少なく発生する品種には、「つちたろう」「ゴールドソルゴーⅡ」があります。

品種によって、アブラムシの発生量や発生時期が異なるため、地域によって適切な品種の選択を行う必要があります。農地の特性や気候条件に応じて、最適な品種を選びましょう。これにより、効果的なアブラムシの管理を実現し、ナスの健全な成長と収穫を促すことができます。

また、ソルゴーの品種によっては花粉の飛散や野鳥の訪れによる糞によって果面が汚れる可能性もあります。そのため、穂を刈り取るなどの作業が必要となる場合もあります。

この作業は手間がかかるかもしれませんが、獣害柵と比較するとメンテナンスが容易であり、気軽に取り組むことができます。

ソルゴーの栽培においては、品種選びや管理作業など、さまざまな要素を考慮する必要があります。しかし、その努力に見合う価値があります。ソルゴーは防風や害虫対策など、様々な面で優れた効果を発揮し、露地ナスの栽培において頼もしい存在となるでしょう。

手間がかかるかもしれませんが、その努力は栽培の成果として十分に返ってくることでしょう。ぜひ気負わず気軽に取り組んでみてください。ソルゴーの利点を活かし、美味しいナスを収穫できることを願っています。

またお会いしましょう!

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言の葉を綴じる杜
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