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ナスの定植直後からトンネルを利用するメリット
前回は「ナスのアグリハック 定植適期の判断」と題して、ナスの苗を定植するタイミングについてどのような判断をするのか具体的な事例を挙げてご紹介させていただきました。
今回は、定植についてもう少し深く掘り下げて、トンネル利用もご紹介させていただきたいと思います。
私たちの産地では、肥料袋を筒状に切り取り、竹を使って支柱を作るという金のかからない方法を実践しています。この方法は、コストをかけずに効果的な支柱を作ることができる優れたアイデアです。
肥料袋を利用することで、リサイクルと資源の有効活用も促進されます。また、竹は自然素材であり、環境にも優しい素材です。この組み合わせにより、経済的かつ持続可能な支柱の構築が可能となります。
この方法を取り入れることで、ナスの栽培において予算を抑えつつもしっかりと支柱を確保することができます。また、肥料袋を利用することで栽培におけるリサイクルと環境保護にも貢献できます。
是非、この金のかからない方法を試してみてください。効果的な支柱を手軽に作ることができ、ナスの栽培をより効率的かつ持続可能なものにすることができるでしょう。
とはいえ、そこそこ手間もかかりますし、トンネルを利用することで収穫時期を早くすることが可能になりますので、今回はその利用方法について共有します。
ナスの収穫時期については、通常は一定の成熟度に達した果実を収穫することが一般的です。しかし、ナスは本来は多年草であり、最適な条件下ではいつでも収穫することができます。
条件がナスにとって最適な場合、つまり温度や湿度、日照時間などの要素が適切であれば、ナスの生育は継続され、収穫期間が長くなることがあります。このような状況では、ナスは連続して新しい果実を結び、収穫することが可能となります。
この特性を活かすことで、ナスの収量を増やすことができます。長い収穫期間を確保することで、時間をかけてナスが成熟し、より多くの収穫が可能となるのです。
したがって、ナスの栽培においては、条件がナスにとって最適な状態を維持することが重要です。適切な管理や環境条件の調整により、長い収穫期間を実現し、総収量を増やすことができます。
いつでも収穫できるというナスの特性を活かし、より効果的な栽培を目指してみてください。
ナスのトンネル栽培においては、夜間の最低気温がトンネル内外であまり変わらないことをご説明します。
トンネル内外の気温差が少ない理由は、夜間の放射冷却が起こることにより、トンネル内の温度も下がるためです。トンネル内外で気温がほぼ同じであることは、ナスの生育にとっては好ましい状況とは言えません。
一方で、太陽光があればトンネル内の気温が上昇し、適温の時間が長くなります。また、地温も上がるため、ナスの生育が促進されるというメカニズムがあります。
太陽光の影響により、トンネル内の気温が上昇することでナスの生育環境が改善されます。この効果を活かすためには、日照量の確保や適切な通気などの管理が重要です。
つまり、トンネル栽培においては、夜間の最低気温による温度差よりも、太陽光の影響による温度上昇と地温の変化が重要な要素となります。
これらのメカニズムを理解し、適切な管理を行うことで、トンネル内の温度を最適化し、ナスの生育を促進させることができます。
※私の畑は丹波盆地にあって、そのあたりがコントロールできる範疇となります。
トンネル栽培によるナスの出荷開始の早さは大きなメリットと言えます。通常の露地栽培よりも約2週間も早く収穫が始まることから、市場での需要に追いついていない時期に出荷することができます。
特に、ハウス栽培のナスの出荷が終わり、露地栽培のナスの供給量がまだ少ない時期にトンネル栽培のナスを出荷できるという点は、市場競争が比較的少なくなり、価格が上昇する「ボーナスゾーン」となります。
このような状況下では、トンネルに投資することによって、早期に出荷できる利点を活かし、高い価格での販売が期待できます。そのため、トンネル栽培に投資することは十分に価値があると言えます。
供給と需要のバランスが優位になる時期において、トンネル栽培によるナスの出荷は需要に追いつかない状況を生み出し、結果として高い収益をもたらす可能性があります。
これによって、農業生産者は収益の増加を見込むことができるだけでなく、市場において需要を満たす役割を果たすこともできます。
以上のように、トンネル栽培によるナスの供給戦略は、市場ニーズと販売価格のバランスを考慮した有効な選択肢となります。
トンネル開閉方法
トンネル栽培における開閉方法は、日中の高温や通気の調整を目的として重要です。
トンネルを開く際は、被覆資材の裾を持ち上げてトンネルの骨との摩擦によって固定します。この方法により、トンネルを開いた状態を安定させることができます。開いた状態では、直射日光や高温を避けるために通気性を確保し、作物の環境を調整します。
一方、トンネルを閉じる際は、被覆資材の裾を下に引っ張るだけで簡単に閉めることができます。この方法により、トンネルを閉じることで室内の温度を保ち、作物を保護することができます。閉めることで室内の温度が上昇し、日中の高温を緩和する効果が期待できます。
この開閉作業の方法は、作業効率の良さも兼ね備えています。トンネルを開く際には固定が容易であり、閉める際も簡単に行うことができます。作業効率が良いため、効果的な温度管理を行いながら、作物の健康な成長をサポートすることができます。
開閉作業は日々の農作業の一環として重要な役割を果たし、トンネル栽培の成功に欠かせない要素です。適切なタイミングと方法で開閉を行い、作物の健康な生育をサポートしましょう。
強風対策として、トンネルの被覆資材に不織布を使用する方法が有効です。
不織布は風通しの良さと柔軟性があり、風による力がかかっても破れにくい特徴があります。そのため、強風時にも被覆資材が安定して保たれることができます。また、不織布は通気性があり、湿気や温度の調整もしやすくなります。
このアグリハックでは、毎日の管理や風対策の負担を軽減するために、ビニールではなく不織布を使用しています。不織布の柔軟性と強度により、トンネルの被覆資材がしっかりと固定され、風による損傷や破れのリスクが軽減されます。
また、不織布の通気性によって温度や湿度の調整も容易に行えます。作物の健康な成長をサポートするために、適切な通気や湿度の管理が重要です。不織布を使用することで、風通しや湿気の調整を効果的に行いながら、作物の環境を最適化することができます。
不織布を活用することで、強風による被害を軽減し、作物の安定した成長を促進させることができます。日々の管理の負担を軽減しながら、より効果的なトンネル栽培を実現しましょう。
今年は是非チャレンジしてみてくださいね!
それではまたお会いしましょう!
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アグリハック研究会
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