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企業の成長に欠かせない環境の変化とは?

前回は「経営の柔軟性を高めるには、税務戦略で選択の幅を広げる事が有効」と題して、株主構成と資金調達のバランスを考慮して資本政策を策定していけば、外部株主が拡大しても経営をコントロールしていけるので経営戦略は必ず策定しましょうという結論で結びました。

今回は、これまで解説してきた資本政策によって、「なぜ」企業が成長するのかという点について解説していきたいと思います。

増資や株式上場をしない会社であっても、達成時期にこだわらなければ企業成長は可能ですが、定めた目的に対して、年度別の成長イメージを具体的かつ意図的に実現していくためには、その成長イメージに合わせた資本政策の策定が欠かせないのです。

株式上場を目指すのであれば、資金調達の手段が増えるので、上場準備をスタートさせることがきっかけで、資本政策の立案を本格化させることになると思います。

この資本政策策定の実行によって、あなたの会社の資本金は大きく変動するので、株主や株式数なども大きく変化していき、その財務状況は一変します。

ここで適切にマネジメントできるかどうかが重要なので、資本政策を効果的かつ、力強く推進していくためには、株式上場プランと成長シナリオがうまく連動して、成長していくための財務戦略も絡みあい出すことができれば有効に作用していくのです。


株主にとやかく言われたくはないが…

新興企業向けに資本市場の整備があまりされてなかった時代には、中小企業はずっと中小企業のままだったわけですが、前記事でも紹介させていただきましたが、今の時代は新興企業向けの資本市場が整備されて、ベンチャーキャピタルや投資ファンドなど資金調達に困ることはないと思います。

社歴が浅くて収益性が高くない中小企業であっても、商品やサービス、技術に独自性や新規性があれば投資家も見つかりやすいですし、自社の成長戦略をイメージを持って投資家に話すことができれば、資金調達の可能性も高まり、結果としてそれが上場への近道となるのです。

しかし、これまで短期間に株式上場を果たした新興企業の不祥事や、2008年4月以降に開始される事業年度からのJ-SOXの適応によって、上場審査は厳格化されつつあります。

J-SOX:日本独自の内部統制のルールで、金融商品取引法によって、全ての上場会社に一律に適用される。

このような状況下であっても、今や多くの可能性のある成長企業は上場を目指すことがスタンダードな目的となり、成長に合わせて資金調達をして、採用計画を元に財務戦略の幅を拡大させ、短期間で急成長する会社が数多く出てきている状況です。

株式上場は会社としてゴールではなく、一つのマイルストーンでしかありませんし、あくまで成長する過程で得られる「手段」の一つだと認識を改める必要があるのではないでしょうか。

また、資金調達の方法やその金額は、上場する会社と未上場のままの会社では雲泥の差がついてしまいます。

いつだったかテレビでアパホテルの会長が上場はしないんですか?という問いに対して「上場なんかは金のない会社のやることですわっ」という言葉がずっと「すげぇな」と心に残っています。

次回は、資金の調達方法について金融機関の借入のみしか検討できない、狭窄した考えの経営者もいまだにいらっしゃいますが、それでは自ずと限界があって成長に制限がかかってしまいます。

柔軟で弾力的な財務戦略を策定していくために、どんなタイミングで他の方法による資金調達をするかについて解説させていただきます。

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