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【ワイナリーという世界】コラム① 初のオーガニック認証を受けたシャトー・ラトゥール

ここでは、14世紀からその歴史を紡いできたフランス、ボイヤックの地に根を下ろす、シャトー・ラトゥールの物語をご紹介します。

複雑な買収と相続を経た後、17世紀末にセギュール家の手に渡りました。特に1718年、ニコラ・アレクサンドル・ド・セギュール侯爵が「ブドウ王子」として躍り出て、シャトー・ラトゥールは新たな高みへと駆け上がりました。

なんとこの侯爵は、わずか2年間で「第1級シャトー」と呼ばれるラトゥール、ラフィット、ムートンの3つの偉大なシャトーを手に入れたのです。

シャトー・ラトゥールのラベルに描かれた象徴的な塔は、その深い歴史を物語っています。

15世紀に海賊から土地を守る要塞として建てられ、その後17世紀に鳩小屋として再生されたこの塔は、シャトー・ラトゥールのワインが時代を超えてその極上の品質を守り続けていることを示しています。

18世紀に入ると、シャトー・ラトゥールのワインは新たな評価の高まりを見せます。特にイギリス市場での評価が火付け役となり、ボルドーのワインビジネスがヨーロッパ北部で飛躍的に発展しました。

イギリスの貴族や商人たちがラトゥールのワインを愛飲し、その評価は国際的に広がりました。

シャトー・ラトゥールの歴史は、ただのワインの製造にとどまらず、その社会的な背景もまた、ラトゥールが世界的な評価を得る基盤となっています。1855年には、その長い歴史と卓越した品質が公式に認められ、第1級の格付けを受けました。

しかし、1963年、セギュール家による経営が終わり、株の売却によってシャトー・ラトゥールの運命は大きく変わりました。

その後30年間、イギリス資本が経営を行い、この期間はシャトー・ラトゥールが新しい文化に適応し、変革を遂げた重要な時代となりました。現存するシャトーの建物も歴史の一部であり、1962年から1964年の間に建てられたもので、世代を超えて大切に管理されています。

そして1989年、アライド・ライオンズ・グループがシャトー・ラトゥールの経営権を握り、新たな土台が築かれました。

シャトー・ラトゥールの土地は、その地理的な条件によって、霜害の影響を最小限に抑える保湿効果を持っています。

特に「ランクロ」と呼ばれる区画は、メドック地方でも最も恵まれた条件を持つと言われています。

シャトー・ラトゥールは、ワインの歴史だけでなく、その社会的、地理的、気候的条件が絶妙に組み合わさって、独自の美酒を生み出しているのです。

就活生の皆さん、このような長い歴史を持つシャトー・ラトゥールの物語は、ワイン業界でのキャリアを目指す上で、大いにインスピレーションを与えてくれることでしょう。


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言の葉を綴じる杜
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