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キミヲボクガ
君を誘った。。。
「幹雄くん、久しぶり」
車に恵美が乗り込んだ。
「久しぶり」
僕は少し小さな声で答えた。
恵美は初恋の人だった。
高校卒業後しばらく会ってはいなかったが彼女との妄想は尽きなかった。
そして今夜やっと2人で会うことになった。
一段と綺麗になった恵美は車の窓から入る風に髪をなびかせていた。
信号待ちで恵美に見とれていた。
確か高校に入学したての頃もこんな風だった。
僕は運命の人に会えたとあの頃から思っていた。
夜景を見ようと思い、山沿いの駐車場に車を停めた。
2人でシートを倒した。フロントガラス越しにも星が散らばって見えた。
綺麗だ。
しばらくたわいもない会話をした。
その後沈黙になった。
僕はチャンスと思い、恵美にキスをした。
恵美は黙っていた。
夜景スポットに2人きりでいる時点で覚悟はしていたのだろう。
僕は興奮していた。
狭い車内で僕は恵美のスカートの裾をめくった。
「恵美、僕、ずっと前から恵美の事。。。」
恵美と僕は合体した。
獣の様な僕をなだめようとする僕がいる。
恵美は何も反応しなかった。
事が済んで僕は運転席にもどった。
するとクスンクスンと聞こえてくる。
恵美が泣いて
「ごめん、彼氏いるの。」
と言った途端、車から飛び出した。
走る恵美を追いかけた。
腕を掴んだ。
それからとっさに
首を絞めた。
僕は興奮していた。
倒れる彼女を見ていた。
妙に冷静だ。
「なんだ。。好きな奴いたんだ。」
それから僕はトランクにあった電ノコで彼女の体を切った。
寄せた車のライトで映った恵美のやけに青白い顔は綺麗だった。
僕は出会い系で知り合った好きでもない女を寝ては殺した。もう3人めだった。
恵美に会いたかった。
血まみれの恵美の遺体を前に僕の頬には涙が流れた。
「恵美、ずっと好きだったよ?」
おわり