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愛には届かない

沙耶は泣いた。

「なんでー!?お母さんの事好きじゃないの!?」

父、悟は沙耶に覆い被さっていた。

初めてだった。

悟のこんな姿を見たのは。

沙耶は壊されてゆく。体で反抗はできなかった。

目が点になったまま悟に叫んでいた。

「いいんよ。そんな事ではないんよ。」

悟はそう言いながらも沙耶の陰部をまさぐり自身を出し入れし始めた。

「やだーー!!やめてよ。本当やめてよ!」

「いいんよ。いいんよ。」

悟は止めない。

手早にコンドームらしきものを素早く沙耶の陰部をはめた。

「やめて!何するの!?」

悟は自身を沙耶に押し込んだ。

いったみたいだ。

次に沙耶の陰部を指でまさぐってコンドームを取り出した。

沙耶は泣いていた。

悟は何事も無かったかのように口笛を吹きながら服を着、部屋から出て行く。

それから沙耶は記憶がない。

悟と沙耶は血の繋がりのない親子だった。

でも、それでも、沙耶は父の事が好きだった。

でも今回の件で関係が崩れ落ちた。

記憶が無くなった沙耶は父とあまり話さなくなった。

普通に生活していた。

泣いていたのを知っていたのは悟と沙耶だけだったから。

誰にも言えないのではなく、ショックで記憶喪失になっていた。

沙耶は寂しそうに歩いていた。

帰り道。

ぼーっと帰路に着いた。

体が重い。よく鬱病になると体が重くなると聞く。

高校受験まであと1年。

死ぬ気で勉強した。

喪失感に侵されないように。

でもまだ終わらない。

全部「嘘でいい」と


涙はもう流れない。




おわり


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