【TRPG事故お焚き上げ Vo.1】相方PCがNPCに狂ってしまった🔥
〜 はじめに 〜
このnoteはこちらのGoogleフォームにお寄せいただいた、「TRPGのセッションでの嫌だった体験談」をお焚き上げする目的で書いています🔥
ここ寄せられた、辛かった、悲しかった、虚無になってしまった。
そんなネガティブな記憶を「じゃあ、KP/PLとして遊ぶときに、自陣でこういったことが起こらないようにするにはどうしたらいいんだろう?」というポジティブな角度で供養していきます。
書き手の私の主観がだいぶ入った内容になってしまうので、ここに書いていることが完璧で正解というわけではないですし、どんなに頑張っても防げない事故は存在すると思います。こうあるべき!と受け取らないで、あくまで参考にしてください。
賛否もあるとは思うのですが、このnoteを見た方々が自分の日々のセッションを見つめ直したり、自分一人では気づかない観点を知ったりすることで、同じ思いをする人が少しでも減ったらいいなと思っています。
お願いなのですが、このnoteがきっかけで世にお気持ち表明が増えるのは本当に望んでいません。私もこんな思いをしたことがあって……と話したい気持ちになった方はぜひこのフォームを利用してもらえたら嬉しいです。
また、私がCOCの畑に生息しているので、偏った内容になっているかもしれません。なお、GM/KPなどの表記はCOCに準拠して記載します。特定の誰かや、PL/KP/シナリオが悪いなどと批判する目的はありません。あくまで体験談をまっすぐ受け止め、何ができるかを書いています。
今回のテーマは寄せられた体験談の中でもかなり多かった、
「相方PCがNPCに狂ってしまった」
という記憶をお焚き上げしていきます🔥
※掲載させていただいている体験談については、このような形で取り上げることに同意をいただいています。
※寄せられたお声はシナリオなどがわからないよう、全文ではなく一部抜粋してお焚き上げしていきます。
第一回:お焚き上げ案件
🔥相方PCがNPCに狂ってしまった🔥
<寄せられた体験談>
自分にとって相方だと定義されているPCがNPCしか見てない、っていうのはSNSでの嘆きツイートでもたまに話題に上がりますが、当事者にとってはつらい体験ですよね。シナリオ前に「相方」と定義され、お互いへの感情移入をしてね〜って書かれているのに梯子を外されてしまうことの切なさ。
バディ/相方ポジの人って、2人でいるシーンが多いわけで。そのタイミングで片方がNPCとしか喋ってなかったら残された方は何の発言もできないまま相方&NPCのRPの聞き専の時間が続くんですよ。
だんだん「この時間は何だろう?」「私って何のためにいるんだろう?」っていう虚無感に襲われていって……
終わったら終わったで「楽しかったね〜」という締めくくりになって、不満があっても空気的に水は差せないし、誰かに伝えようにもクローズな界隈だからすぐに自陣にバレそうで黙るしかない…..みたいな。
体験談には、ずっと溜め込んでて誰にも言えなかったから、こうして吐けてよかった、と言ってくれた方もいました。
あなたが今、楽しいセッションをたくさん遊んでくれてたらと思います。
<相方PCがNPCに狂ってしまった問題、どうすれば防げる?>
ここからはこうした体験が生まれないようにするにはどうすればいいのかを私なりに考えて書いていきます。ネガな話はポジに変換しましょう!
大前提、NPCへの感情移入はシナリオに没頭する上でとても良いことだと思っています。しかし、KP/PLどういった形で参加していても、同卓者がこういうストレス抱えて終わっているのは悲しいことですし、防ぎたい気持ちはみんな共通のはず。
KPとしてできること、PLとしてできることに分けて、思ったことを書いていきます。
⭐️ KPとしてできること ⭐️
まず、体験談③にある、シナリオ想定外のセルフ感情積んでこられている場合は、CS提出時点でKPが弾くが一番良いかと思います。
バディシはKPとしても二人の掛け合いを重視したいと思うので、はっきりやめてくださいと言ってOKかと。途中で恋愛感情を出された場合はNPCの口から「そういうの嫌なんだよね」と言ってもいいですし、PLに注意するのもありですね。
そして①~②の体験談について……
難しいのが、そもそも沼るNPCって「シナリオ的に沼らせたいNPC」っていうことが多いので、KP目線に立つと狂ってもらいたいんですよね。
NPCに関係するイベントがシナリオの山場になっていたりするから、がっつり感情移入してもらっていいドラマになると、KP目線「シナリオにとって正解のキーパリングしてるな」って思っちゃう。
結果、誰かがストレスを抱えていても、KPは間違ったことはしていない……って結論に至ってしまうのではないかと。
KPとして、こうした事故を防ぐ上で意識すべきなのは、
「NPCに狂ってもらうことがシナリオの目的ではない」
と再認識することだと思います。
この体験談が生まれている要因って、感情移入しやすいというPLの性質以外に「NPCに狂ってもらったところでKPが満足してしまっている」というケースもあると思うんです。そのせいで置いてけぼりの人がそのままになっている。
その後のセッション内でのNPCとPCのドラマがどれだけ魅力的でも、こうなったら残された方には遺恨が残ります。KPとしても悲しい気持ちで終わっているPLがいるのは嫌ですよね。
「でも、シナリオ通りに回していたら、どうしても相方さんが置いて行かれてしまう……」
そんなこともあるかもしれません。ですが、そこからがキーパーの腕の見せ所です。しっかりフォローをしていきましょう。
この場合のフォローは大きく3パターンあると思っています。
🟥 A. 対NPCと同じくらいの感情を、相方PCに対して持ってもらう
🟦 B. 自分の感情移入すべき相手がNPCではないことを自覚させる
🟨 C. 相棒関係をやめさせる(最終手段)
具体的なアプローチとしては以下のような形。
大事なのは「このシナリオにおいて、うちの子の存在意義はちゃんとあったな」という後味がしっかり残るようにフォローすること。
相方に沼られてしまった方は、私必要だった?という虚無感がなによりつらいので、KPは「あなたはこのシナリオにおいて必要な存在だったよ、輝いていたよ」と伝えるようなキーパリングができると素敵だと思います。
フォロー以外のアプローチとしては「このシナリオはあなたたち相棒の物語です」など、シナリオ開始前に「シナリオから探索者に求められる遊び方の方向性を明示すること」です。事前に2人の絆が大事ですよと伝えることで、その方向に切り替えてくれるPLさんは多いです。
また、NPCに沼りやすいシナリオだとわかっている場合は、キャラ練りの時間を事前に取って、お互いへの感情移入をバチバチにしてから遊んでもらっても良いですね。
⭐️ PLにできること ⭐️
まず大事なNPCがいるHOもらったりした場合。
ガッツリエピソード込みで練って、思いっきり感情移入したい!と思う人の気持ちはめ〜ちゃくちゃわかります。特にPL専で憑依型だったり、没入して遊ぶ方は重めに感情を乗せることが多いのではないかと。遊び方としては全然間違ってはいないんです。
ただ、どんなシナリオに参加する時も少しだけ引いたPL目線を持つことで、自分以外の人も楽しませるプレイングができる、という意識は大事ですよね。これは自戒も込めて。
自分と相方のポジションのPCがいる場合、
「自分が相方よりもNPCくんLOVEなキャラ設定にしたら相方がどう思うだろう」
「そもそも、このシナリオにおいて、ここまでこのNPCに傾倒して大丈夫なん?」
などの意識があれば、今回のような体験談は防げるかもしれません。
しんどかったなら言ってほしい、と感じるかもしれませんが、空気感などで言えないことももちろんあります。
私はよく、自分の方から「今こういう感じでやってるけど大丈夫?」「今の言葉強かったかも、ストレス感じてたりしない?」など聞いてみるようにしています。
自分の相方PCがNPCに狂ってしんどい場合は、ぜひKPに相談しましょう。KPはPLみんなに楽しんでもらいたいと思っている全PLの味方です(そうであってほしい!)。
ストレスを打ち開ければ、シーンの追加などアプローチをしてくれるのではと思います。
また、PCとして「NPCの方が大事なの?」「私をみてほしい」と打ち明けてみるのも一つの手段です。気持ちをシナリオ内で消化できるだけでなく、相方PLに偏りを自覚してもらえるという側面もあります。
(実体験ですが「いいわよ!どうせ私はあいつの代わりなんでしょう!!!」というくそメンヘラRPで感情をぶつけ合って、まるく収まったこともあり)
関係値によっては言いづらいこともあると思いますが、セッションが楽しくないな、という時、その気持ちを参加者に共有するのは全然悪いことではないのです。
じゃあこういう風にしたらいいね!とみんなで楽しい時間を作り上げていけたら素敵ですね。
🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥
みなさんのセッションが、
これから楽しい時間ばかりでありますようにと願って。
ここにお焚き上げさせていただきます。
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〜おわりに〜
第一回のお焚き上げはこれにて終わりとさせていただきます。
本記事は、決して「NPCを放置して相方だけを見ろ!」という主張をしたいわけではありません。KPはNPCに感情移入してほしい、相方PCはNPC感情移入したい、自PCはこっちを見てほしい……そんな思惑が重なるような時、どうやってバランスを取るかの話です。KP/PL含め、気持ちよくセッションを終えて、楽しかったねと思えるように。
当たり前のことばっかりでは?と思った人も多いと思いますが、その当たり前を教えてくれる人がいないと気づけなかったりするのが閉鎖的な界隈のつらいところ・・・
再度になりますが、ここに書いた内容はあくまで私なりのアプローチの提案であり、全部が正しいわけでもないと思います。的外れなことを書いてしまっている部分もあるかもしれません。こうあるべき!と受け取らないで、あくまで参考にしてください。
ですが、このnoteきっかけで同じような体験がどこかで一件でも減ったらと願っています。
引き続き、お焚き上げは続けていこうと思いますので、何か思いを抱えている人は気軽に使ってください。※もちろん匿名ですし、焚き上げはしないで気持ちを吐きたいだけ!という利用でもOKです。
お願いなのですが、このnoteがきっかけで世にお気持ち表明が増えるのは本当に望んでいません。私もこんな思いをしたことがあって……と話したい気持ちになった方はぜひこのフォームを利用してもらえたら嬉しいです。全力でお焚き上げします。
うちではこうしてるよ!もっといい方法があるよ!それは違うんじゃない?という方はnoteのコメントを開いているので、ぜひそこであなたのアプローチを教えてください。
今回、一夜にして50件以上の体験談をいただきまして、全てじっくり読ませていただきました。誰にも言えなくて、ずっと誰かに聞いて欲しかった。という方も多く、こうしたフォームを作って本当に良かったなと感じています。
また、この取り組みを始めたもう一つの思いが、昨今、お気持ち表明という形でセッションでの体験をまとめている方をお見かけする中で、そもそもそうした意見を聞いてくれる場所がどこにもないのも良くないのでは?と思ったためです。
そうしたお気持ちに対して「じゃあ、KP/PLとして遊ぶ我々はこうやったら解決できるかも!」というポジティブな方向の話もあまり見ません。ずっとTLが誰かへの批判と反論で埋まり続けるのはあんまり健康な形ではないなと感じます。
メンバーやシナリオの批判をしたり、誰が悪い!というのではなく「問題があるなら自分たちは回避するために何ができるんだろう」と考える場を作ること&そういう発信をしていこうよ!とみなさんに伝えていく意味でも、今回このような「お焚き上げ記事」という形を取らせていただくことにしました。
もちろん是非はあると思いますが、どこかの誰かのセッションで、少しでも悲しいことが減るようにと思っています☺️
※こちらの記事についてのご意見/感想はずんだこのDMまでお願いします。
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