![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/95920091/rectangle_large_type_2_a768bb09f87886b45d4014e5317e5f8e.jpeg?width=1200)
支配人業にかける想い「スタッフみんなを守らなくちゃ」
静岡県伊豆半島にある海遊亭の支配人にインタビューしました!
支配人としてこれまでどのような苦労や経験をしてきたのでしょうか?
早速質問に答えていただきました。
―支配人になるまでの経緯を教えてください。
女将塾になる前の旧運営会社の時から、海遊亭でサービススタッフとして働いていました。
支配人は、前任者が辞めるタイミングで打診されました。旧運営会社は旅館業の会社ではなかったので、私がやるか、旅館業を知らない外部の人がやるかの二択でした。当初は私がマネジメントなんてやれるはずがないと躊躇していたのですが、前任者から「働いているスタッフを守ってほしい」と言われて、支配人に就くという心を決めました。
そしてほとんど支配人未経験のまま、女将塾のコンサルティングが入ることになりました。何かが変わるようなざわざわとした胸騒ぎを感じていたら、半年後に運営も女将塾に交代しました。私はそのまま続投して支配人をやることになったのですが、正直やり遂げる自信もなかったので、まずは半年くらい頑張ってやってみようという気持ちでした。
―支配人になっての変化や、苦労したことを教えてください。
女将塾に運営が変わり、お客様も増えて売り上げも好調に伸びていきました。支配人としてやるべき仕事は、本社のメンバーが手厚くサポートしてくれたおかげで徐々に覚えていきました。何かあればすぐに相談して対応できたので、安心でしたね。
一方で、海遊亭のスタッフのマネジメントには苦労していました。
自分の想いと本社からの要望がうまくかみ合わずに空回りしていて、自分が「守らなきゃ」と思っていた仲間に、自分の思いが伝わらずつらかったです。ピーピー泣いて、本社のメンバーになぐさめてもらったこともありました。けれども、あきらめずにスタッフとコミュニケーションを取るうちに、私一人で回そうとするのではなく、スタッフみんなで施設を作っていくのだと思えるようになりました。
あとは、私だけでなくスタッフの皆さんにも前向きな変化がありました。
これは女将塾の人事査定制度[1]の導入が大きいです。普段何気なく毎日やっている仕事でも、明確な基準によってしっかりと評価されることが周知されてくると、主体的に仕事を進めるスタッフが増えました。
こうして最初はばらばらだった海遊亭がだんだんとまとまっていって、海遊亭としての目標に向かって各々が行動できるようになりました。
―海遊亭の強みはどこにあると思いますか?
次々とアイデアを出して実行に移していくことですかね。
スタッフのみんなが常に考えて行動するのが癖になっていて、画期的なアイデアも決して否定せず、どうやったら実行に移せるかみんなで考えます。
実際に、食事処をリニューアルするときに、席数が足りなくてどうしようか話し合いになったことがありました。そしたら誰かが、壁をぶち抜いて食事処の面積自体を広げてしまえばよいのではないかと言い始めました。普通だったら、突拍子もないことを言い出すなと思うはずです。でも私たちは、そのアイデアに同意し、実際に工事費用の見積をとって本社との会議で持ち込むことにしました。そして結果として本社の承認を得てしまいました。
今でも、お客様や新入社員にこの話をすると驚かれます(笑)
![](https://assets.st-note.com/img/1674027844497-QlWynfyWYw.jpg?width=1200)
―きめ細やかなサービスで定評がある海遊亭ですが、サービスの改善はどのように行っているのでしょうか?
基本は、お客様に関する情報収集です。服装や会話など「え?こんなこと?」って思うことでも、サービススタッフが細かく記録しています。だから、旅行サイトのお客様の口コミにも丁寧に返信でき、リピーターのお客様の好みや人柄を理解して迎え入れることができています。
他には、スタッフ自らがサービスの企画や提案をすることもあります。例えば、スタッフの間でアイデアを出し合いセルフかき氷のサービスを始めました。夏限定の予定が大人気で年間の定番になりました。もちろん失敗例も多々ありますよ。夏の砂浜に石を置いてお絵描きできるようにしたのに、地獄の暑さで誰もやらなかった、なんてこともありました。たくさん失敗もしながら、スタッフみんなで少しずつ改良していっています。
また、良かった取り組みなどは女将塾の他の施設にも共有されるので、ライバル意識がモチベーションになっている部分もあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1673502434449-SQhiMSQOE2.jpg?width=1200)
―今後の展望はありますか?
女将塾に運営が変わって3年。スタッフの皆さんのおかげで海遊亭の運営は安定してきました。
これからは、地域の観光協会など旅館の外に目を向けていくのが目標です。
河津で一番目立つところにある海遊亭として地域を盛り上げて、活性化につながればいいなと思っています。
[1] 女将塾の人事評価制度について
https://okamijuku.com/recruit/system/