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接客に苦手意識があるわたしでも"再生”なら何かできるかも 女将塾2年目社員・奥山あかりさんインタビュー

「日本の温泉旅館を元気にする」を掲げる温泉旅館再生ベンチャー 女将塾で働くメンバーを紹介していきます。今回は、2023年4月入社・サービススタッフとして働く奥山あかりさんが登場です(記事の内容は2024/09/27取材時点での情報です)。

女将塾に就職するまで

──奥山さんが新卒で、女将塾に至るまでの経緯についてお聞かせください。

大学は経済学部で経営を学びました。理系が多い大学にある文系の学部で、さまざまなことを幅広く勉強できるところでした。中学生の頃の夢は映画監督。映画の予告編が大好きで、本編も見るのですが、予告編ばかり見ていました。高校時代には、友人たちとドラマ制作をしています。出演もしているのですが、演技が下手すぎて、台詞のない背中で語る役ばかりでした(笑)。その後映像関係の学校に進まなかったのは、憧れの制作会社の社員インタビューを読んでいたところ「映像に限らず、いろんなことを学んだほうが将来の制作につながる」との言葉があったためです。

就職活動は大学3年生の春から始めました。中学時代から憧れた映像制作会社に応募しようと思った矢先に、その会社が不祥事を起こしてしまって。長年の夢が潰えてしまいました。映像制作にかかわれたら良いなと思いつつ、自分がこれまで考えたこともなかった業界も受けてみることにしました。ちょうどコロナ禍で、説明会も面接もほとんどオンラインでした。

女将塾に行き着いたのは、地域創生や伝統文化を活かすといったことに興味があり、その軸で調べたからです。3年生の12月頃に面接していただきましたが、旅館に就職することを決めきれていなかったのが伝わったようで、「他の会社も見てきて、その後まだ興味があったら連絡してください」と告げられました。その時は「落ちたんだな」と思いました。

4年生の4月までは映像と観光業界に絞って活動を続けましたが、映像の仕事は自分の性格に合っていないのではないかと思い始めました。その後、旅行代理店から内定をいただきかけても、まだモヤモヤしていて。一度就職活動をやめて、隠岐島に長期インターンに行くことにしました。シェアハウスを借りて、レストランとお土産屋さんの仕事をして、それを続けるうちに島でホテルを運営するベンチャー企業から声がかかり、バックオフィスの仕事も始め、結果的に半年間島暮らしをしました。

インターンに行った島にて
はじめての接客も頑張りました
ホテル運営ベンチャー企業のバックオフィスの仕事も

きっかけは、就職活動をしていて出会った会社の多くが「都会を拠点に各地へお客様を送り出す」スタイルだったこと。地域創生に対して、外からのアプローチだなと思ったんです。わたしはその地域に住んで、接客をして、中へ入ってお客様を受け入れる側になりたいんだと気づきました。大学までずっと大阪で、街から出たことがなかったというのもあります。

大学時代はずっと塾講師のアルバイトをしていて、スーツを着て身だしなみを整えて、制度もしっかりしていてお給料も良くて。社会人になって仕事をしたら、これがずっと続くんだろうなと思いました。それが島に行ったら、皆ラフだし、社長がふらっと遊びに来たりして、新鮮な体験でした。バックオフィスのインターンをしていたベンチャー企業から「うちに就職しなよ」と声をかけてもらい、とても惹かれましたが、他の会社も見てみたいと就職活動を再開するために島を離れました。

戻って最初に連絡したのが女将塾でした。島にいる間もずっと心の中にありましたし、「絶対ここだ」と思ってはいました。一方で、自分に自信がなかったんです。コミュニケーションが下手だというコンプレックスがあって、自分に接客ができるだろうかと思い悩んでいました。島のインターンで経験したものの、接客にまだ不安がありましたが、バックオフィスで裏方を整理していくのが楽しかったこともあり、最終的には、温泉旅館の"再生”にかかわることならわたしにもできるかなと思いました。

ベンチャー企業が島で運営していたのは真っ白なホテルで、とても素敵だったのですが、かえって旅館で働きたい気持ちが強まりました。またバックオフィスの仕事を通して、自分が旅館の現場を経験したことがないため、指示に説得力がないことを痛感しました。女将塾は運営施設に旅館が多く、将来的には本部に異動するにしても、まずは現場をじっくり学ぶことを大切にしている会社だと面接を通して伝わったというのもあります。わたしも女将塾で就職したい気持ちが強まり、結果的に内定をいただきました。

海派なんですよね……

──最初の配属が「白骨温泉 お宿つるや」となりました。率直な感想は?

正直ショックでした。山より海派なので「山か〜」と。ただ、事前にインターンに行かせてもらい、雰囲気をつかむことはできたので生活するイメージはできました。

レストラン、フロントなど部門で分かれるのではなく、マルチタスクで働ける施設で良かったと思っています。いろいろなことを経験できるのがおもしろいです。はじめの頃は、清掃が遅かったり、接客の際に言葉が出てこなかったりとうまくできずに悩みました。接客への苦手意識はまだ抜けないのですが、1年半を経て自分ではマシになったかなと思っています。

直属の上司である大口副支配人は、お母さんみたいな存在です。何を言っても受けとめてくれるし、アイデアを出すと否定せずに「やってみたら」と背中を押してくれます。佐藤総支配人は、2024年2月の改装工事の頃から本格的に動き始めたと思いますが、すごいスピード感で変化を起こしていく様子を目の当たりにして、"これが再生ということか”と驚きました。毎日の運営で必死だった中、やるべきことを思い出させてもらえました。

大口副支配人と一緒にお出掛け

お休みの日にはカフェめぐりをしています。あまいものを食べるのが楽しみなのと、カフェの空間自体も好きなのでホッとひと息ついています。はじめてのリフレッシュ休暇では旅行へ出かけて、いろいろな旅館に泊まりました。そこで「こんな人になりたい。こんなおもてなしができたら良いな」という人に出会うことができて、目標もできましたし、旅館で働く自分にも誇りが持てました。

スマホはお菓子の写真ばかりです

女将塾2年目社員が後輩指導で感じたこと

──2024年4月には、24卒の新入社員がやって来ました。指導役になった感想は?

率直にうれしかったです。わたしも入社時にメンターの先輩をつけていただきましたが、自分も後輩のメンターになりたいと思い、夢がひとつかなった形です。ただ、人に教えるのはやっぱり難しいです。学生時代のアルバイトでわたしより接客経験が長かったり、体力がある男子は清掃が早かったり、わたしもまだ不勉強なこともある中で教える立場に立って良いのかなと思ったりしました。「無理してカッコつけないようにしよう」と思えた時に、ようやく少し楽になりました。初めの頃は「しっかりしなきゃ」と肩に力が入っていたと思います。

後輩が来て1ヶ月経った4月末に、皆で一緒に外へごはんを食べに行きました。その際に「仕事があまりおもしろくない」と言われ、どうしようかと思いました。それでも少しずつ、新しいことを覚えていって、生き生きした表情が出てくるようになるとうれしかったです。最近では、「こうやってみて良いですか?」と自発的に動いてくれるようにもなっています。来年以降も、来てくれたらわたしはうれしいですが、やっぱり"山”なので(笑)。それでもまた、後輩指導にかかわることができたらとは思います。

つるやでは誕生日を祝ってもらったりしました

──10月1日から、同じ白骨温泉ですが「小梨の湯 笹屋」に異動になりますね。

お宿つるやとはタイプが異なるので、求められることも違うと思います。他の施設でも働いてみたいと思っていたので、自分にできるか不安もありますが、楽しみな気持ちが強いです。

女将塾2年目社員の今後の展望

──新卒採用で、面接も一部担当していますが、将来的にはどのような仕事がしたいなど展望はありますか?

人事をやってみたいとの希望を伝えていますが、それは宿泊業で働く人たちの環境を整え、イメージを変え、多くの人により魅力的だと思われる仕事に変えていきたいとの思いがあるからです。本部の人事に異動すれば制度を整えたりできるのでしょうが、もしかしたら現場にいても、皆が生き生きと働ける場をつくることはできるのかなとも思っています。

──これから女将塾で一緒に働くことになるかもしれない人たちへ、メッセージをお願いします。

私が女将塾から内定をいただいたのが大学4年生の12月と、かなりギリギリでの滑り込みでしたが、自分が納得するまで活動を続けて、本当に良かったと思っています。目標や挑戦を応援してくれる女将塾という会社で働くことができて、今とても楽しいですし、これからも、温泉旅館や旅行好きな方と一緒に女将塾を盛り上げていけることを楽しみにしています。

白骨温泉 お宿つるや 自慢のお風呂です!

女将塾で働くということ


25卒も歓迎!温泉旅館再生ベンチャーで働くことに興味をお持ちいただけた方は、ぜひ女将塾の採用サイトをご覧ください。