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『ウマフリ』執筆裏話 ―グローリーヴェイズ編


はじめに

 今回は『ウマフリ』に寄稿した、「『ウマ娘』で思い返された「メジロ」の栄光 ―世界に羽ばたいたグローリーヴェイズ」の執筆裏話をお届けします。

1.執筆着手まで

 いつかは『ウマフリ』さんでコラムを執筆する機会が訪れないかな、と思っていたのがグローリーヴェイズでした。というのも、グローリーヴェイズの半弟であるヘヴンズクライに一口出資しているからです。

 基本的に私は応援していた競走馬の産駒に出資するスタイル。しかし、ヘヴンズクライに関しては母系が決め手でした。この兄弟の母メジロツボネはメジロライアンとメジロラモーヌの血を引いています。『ウマ娘』における「メジロ家」のファンである私は、「メジロ」の馬と御縁が生まれる機会を逃したくない、と思ったのです。そのような経緯もあって、京都大賞典にあわせてグローリーヴェイズのコラムを、というご依頼をいただいた時は嬉しく思いました。

2.プロット作成

 書き出しを『ウマ娘』のイベントストーリー「A Gleaming Mejiro Gala」にすることは、元々考えていました。そこからメジロライアン・メジロラモーヌの血が繋がり、海外GⅠを制すというストーリーラインはすんなり決まりましたし、京都大賞典にあわせたコラムということで2020年の京都大賞典を取り上げることも前提となります。

 しかし、ここで判断しかねたのが、「メジロ牧場」についてどこまで説明を入れるべきか、ということ。「メジロの血が繋がって海外GⅠを制したことがどれほどドラマチックか」を強調する内容になる以上、メジロ牧場がレイクヴィラファームになった経緯について読者が理解している必要があります。競馬ビギナーの方を考慮するなら説明が必要と思いますが、クドくなり過ぎはしないか…と迷いました。

 こういう時に頼りになるのが『ウマフリ』の緒方きしん代表です。ご相談したところ、「アリだと思うが、そちらがメインになってしまう可能性があるかも」というコメントをいただきました。そこで、メジロ牧場の歴史の概説を入れつつ、グローリーヴェイズをその歴史の中でどのように位置づけるのかを検討しながらプロットを作成することにしました。
 結果として前半はほとんど「メジロの歴史」みたいな構成になりましたが、このパートを入れたことで、幅広い方に読んでもらえるコラムになったかな、とは思っています。

3.執筆

 プロットが出来上がり、執筆に入った後は中段まで一気に書き進められました。後段も一度は書いたのですが、そこでプロットの修正を行うことにしました。元々はグローリーヴェイズ産駒の今後に期待、のような形で締めるプロットでしたが、「世界に羽ばたくメジロ」をテーマにして、「メジロの未来」に想いを致す形に変更。ウシュバテソーロやスルーセブンシーズへの言及をこのタイミングで決めました。

 緒方代表にもプロット変更にOKを貰い、草稿を書き上げました。「2020年代こそメジロの血が必要とされている」というまとめ方は多少強引かな、とも思うのですが、そこも味だと好意的に解釈しています(笑)

 入稿後に緒方代表と一番議論したのがタイトルでした。当初はよりシンプルなタイトルだったのですが、緒方代表から「『ウマ娘』に着想を得たことが分かるタイトルの方が良いのではないか」というアドバイスをいただきました。グローリーヴェイズ自身はウマ娘になっていないので、その点の扱いが難しいな、とは思ったのですが、まずは「メジロ」のワードを入れる方向で一致。その後相談する中で緒方代表から「『ウマ娘』で思い返された」という枕詞をご提案いただきました。いつもいつも緒方代表にはお骨折りいただいています。改めて感謝申し上げます。

 ダイタクヘリオスやコントレイルのコラムを執筆した辺りで、私の書くものは自分で読んでいてもウェブ記事としてはヘビーだよな、と思っていました。そのためなるべく最近はコンパクトに読みやすいものを、と心がけているのですが、中々難しいですね…。今回も3500字を超えてしまいました。ライターとしてレベルアップすべく、今後も精進したいと思います。


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