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街角ピアノ   第2話

第2話

 僕は依然として作曲家になることはできていなかった。最近ではデモテープというのは音楽事務所が募集するだけ募集しておいて、実際は誰も聞いていないのではないかと疑心暗鬼になっていた。そう思い始めた頃、有名なハンバーガー屋のオーナーが僕に話しかけてきた。「君の演奏を聞いて感動したよ。昼間僕の店で30分だけ演奏してくれないか?僕は夜のバーやラウンジばかりで昼間のレストランで演奏するのは初めてだったが、そこでの演奏活動を始めるとある程度収入も安定し始めたので、僕は思い切って東京へ引っ越すことにした。東京に出ると僕の住んでいる地方とは違っていたるところに街角ピアノが設置されていたので演奏場所に困ることはなかった。僕はある大手のデパートで毎日6時30分になると演奏するようにした。

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