見出し画像

幻の料理人

この話の主人公は料理人だ。彼の作る料理は絶妙でとてもおいしいので、人々から「幻の料理人」と呼ばれている。その幻の料理人が、あるお金持ちの家で仕えていた頃の話だ。その家の子供にはどうしても食べられない食材があった。それは椎茸だった。彼は「幻の料理人」と呼ばれたプライドにかけて、その家の子供が何とか椎茸を食べられるようにしてあげようと決意する。でもただの椎茸ではダメだ。普通の椎茸では彼はすぐに嫌がって吐き出してしまう。彼がどんなにおいしく料理してやったとしたも、嫌いな椎茸を食べているという先入観だけで、不味いと感じて吐き出してしまうのだ。僕が料理するのに不味いはずは無い、それなのに嫌いな椎茸を食べているという先入観から直ぐに吐き出してしまうのだ。

ここから先は

972字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?