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ボクサーの話

俺はボクサーだ。 四年前にボクシングに出会い、毎日トレーニングに励んでいる。 しかし俺には他のボクサーと決定的に違うところがある。 それは俺はボクサーのくせに減量がメチャクチャに苦手なのだ。 一流のボクサーとは普通自分をしぼる減量が得意なものだ。 それなのに俺はボクサーのくせに減量が物凄く苦手なのだ。 俺は昔から大食漢で食べることが大好きなのだ。 だからいつも無駄に食べてしまって全然痩せないのだ。ボクサーのくせにこれは致命的だ。 もし俺が無駄に食べる癖を直して減量が得意だったならばきっと今頃は一流の選手になれていたであろう。 それくらい俺は自分のボクシングの腕に自信があった。 俺が一流になれないのは減量が苦手なせいだ。 そう思っている。 減量さえ上手くできるようになれば俺はきっと一流選手になって日本チャンピオンだって夢ではないはずだ。 でも俺は無駄に食べてしまう大食漢の癖だけがどうしても抜けないのだ。 これはボクサーにとっては致命的だ。

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