寮の実態
どうもヨシダです。
ゲント大学の学生寮について説明させていただきます。
*注意*
本記事で紹介する学生寮はゲント大学に所属する寮を指します。
また、読者層を考慮し交換留学生に割り当てられる学生寮に限定します。
住居全般の探し方をお求めの際はこちらの記事をご覧ください。
はじめに
間違いなく言えることは、学生寮は安全牌であることです。
とりあえず住居の第一候補に据えて、何も考えずに申請を出して問題ありません。
逆に申請は出さなければなりません。やり方はこちらです。
そして申請したところで必ず住居を確保できるとも保証されない代物です。
学生寮を確保できなかった場合の対策としてこちらの記事を読むこともオススメします。
それはともかく、2022年度より(交換留学生の入れる)学生寮が多様化し、各寮の差が明確化したのに際して、それぞれの寮の実態を明かしていきます。
寮の申請を出す際に、入りたい寮の優先順位をつける過程がありますので、本記事が参考になればと思います。
大雑把なところ、ゲント大学の学生寮は安くて質素です。
寮の共用部分を掃除してくれる清掃員がいる点で実家より豪華かもしれませんが、原則最低限に作られています。とはいえ、多くの人にとってメリットの方が多いことでしょう。
次項で本記事で紹介する学生寮に共通した長所短所を並べていきます。
寮の長所
安い
異文化交流の生まれる場
必要な家具が揃っている
部屋が広め
住宅トラブルが起きにくく、起きても対処されやすい
大学から近い(少なくとも自転車で通える現実的な範囲内)
近くにスーパーや食事場がある
水道光熱費込みで使い放題(2022年の経済危機の際も贅沢に電気や暖房が使えた)
安定したネットの回線がある
駐輪場が併設されている
寮の短所
他の部屋や廊下、寮の外が騒がしい(立地により個人差あり)
共用部分が汚い
精神的に病んでて人と会いたくない時、共用スペースに行きづらい(個人差あり)
伝染病の蔓延リスク
冷蔵庫へのクレームが多い
支給される毛布がタオルみたいに薄い
宅配荷物が(直接)届かない
全ての部屋が原則均一化されているだけに、他所の部屋との少しの差が気になってしまう(隣の部屋の方が電気が明るい、棚が多めに設置されているなど。個人差あり)
キッチンの電気コンロの電源が10分おきに自動で切れる(おそらく防災対策)
続きましては、それぞれの寮とその特徴を説明していきます。
寮の種類
site Katienberg
Stalhof通りの片側の一列で並ぶ4つの寮(Home Groningen, Home Uppsala, Home Göttingen, Home Canterbury)を総称した場所名
交換留学生を主に受け入れている(色々な文化の人と関われる)
キッチンは10数人で共用
トイレとシャワーが自室にある(その分、他の寮より少し部屋が広い)
冷蔵庫も自室にある(冷凍機能と冷蔵機能のどちらか一つしか選べない)
有名な学生飲み屋街(クラブ街)が徒歩1分の距離にある
スーパーが徒歩1分の距離にある
Arts and Philosophy学部 や Business and Economy学部などのキャンパスから自転車で5分程度、住居課室から徒歩で30秒
駅から自転車で10分程度
木曜日の夜は飲み屋街から騒がしく、金曜日の朝は異様な匂いと不潔な臭いが漂う
家賃が他の寮より€100程度高い
Home Boudewijn
site Kantienburgとは真逆の存在
現地留学生を主に受け入れているが、稀に交換留学生も割り当てられる(ベルギー人と関われる)
キッチンは各階に一つ30人で共用、部屋の位置によってはキッチンまで徒歩1〜2分
冷蔵庫も30人で共用
トイレとシャワーは男女共用、照明は数分おきに自動で切れる
閑静な住宅街の中に聳える14階立ての建物なため、遠くからでも目立つ
スーパーが徒歩30秒の距離にあり、学食が(唯一)寮内にある
Arts and Philosophy学部 や Business and Economy学部などのキャンパスから自転車で15分程度、住居課室から自転車で10分
駅から自転車で10分程度
寮の一階にバーがあり、定期的に催しが開かれる。下の階ほど帰宅が楽とはいえ、騒音被害を受ける
家賃はHome Vermeylenと同等でsite Kantienburgより€100程度安い
Home Vermeylen
site KantienburgとHome Boudewijnを見事に足して割ったような存在
立地はsite Kantienburgと(真向かいで)同じだが、中身はHome Boudewijnの血を受け継いでいる
キッチンは各階に一つ30人で共用
冷蔵庫は自室にある
トイレは共用
有名な学生飲み屋街(クラブ街)が徒歩1分の距離にある
スーパーが徒歩1分の距離にある
Arts and Philosophy学部 や Business and Economy学部などのキャンパスから自転車で5分程度。住居課室は寮内に併設
駅から自転車で10分程度
木曜日の夜は飲み屋街から騒がしく、金曜日の朝は異様な匂いと不潔な臭いが漂う
家賃はHome Boudewijnと同等でsite Kantienburgより€100程度安い
部屋
トイレシャワー室の有無を除いて、寮の部屋はどこもほとんど変わらない
部屋に備え付けられているものは以下の通り
机
椅子
キャビネット
棚
ベッド
枕
毛布
シーツ
洗面台(鏡付き)
中央暖房
タンス
ゴミ箱
カーテン
インターネット回線
カーテン
各寮間の違いは以下の通り
Home Boudewijn とHome Vermeylenの違い
Home Boudewijnにはコート掛けフックがある
Home Vermeylenの鏡はミラーキャビネット
site Kantienburgと他との違い
トイレとシャワー付き
site Kantienburgの部屋には洗面用の鏡とは別に全身鏡がある
洗面用の鏡は収納付き
椅子が二つある(他は一つ)
冷蔵庫がある
トイレ事情
site Kantienburg
● 各部屋に備わっている
● 3平米程度の広さで、シャワー室、トイレ、洗面機がある
● シャワー室内は狭く、立って体を洗う分に最低限の空間しかない
● 排水溝も狭くゴミを受け付けないので、使う度に詰まる。都度排水溝に指を突っ込んで、ゴミを別に捨てねばならない(特にコンディショナーは詰まりやすい)
● 床はプラスティックのタイル。風呂上がりに足がひんやりとすることはない
● トイレ本体は普通だけど、流す仕組みは壁の中に埋め込まれているので、少しの不具合も自力での対処が難しい
● 勿論、日本みたいなハイテクトイレではないので、冬に腰を下ろす際は要注意。お尻の心臓がびっくりします
● トイレットペーパーが入寮初日にあったかは覚えていないけど、なくても近くのスーパーで購入できる
● バスルームは個人用なので自分専用空間として寛げるが、全ての管理も自分で行う
● 抜き打ちで部屋の監査が入る。シャワー室の扉のシミまで以外と真面目に見られる
Home Boudewijn
● 部屋になく、多人数で共有する
● 各廊下に一つずつあるので、15人程度で共有する
● 1、2平米ほどのシャワー室で広さには多少のゆとりがある
● 1平米満たないくらいの脱衣スペースもあるが、荷物の置く位置に気をつけないと濡れる
● 床の素材はなんとも言えないけど、冬はひんやり。暖房の効きも弱いと感じる
● バスルームにもよるが、お互い顔を合わせない暗黙の了解のある所もあり、必ずしも男女で気まずいことはない
● 欧州人の風習か、あるいは自身の存在を示して人を寄せ付けないためか、シャワー室から、大音量の音楽が流れることが多い。大声で歌う人も
● 数分おきにバスルームの照明がシャワーに入ってから約5分おきに切れる。3回目にはシャワー室から出ないと灯りがつかない。長風呂傾向の人は真っ暗闇で体を洗うことになる
● 掃除は全て寮の清掃員が行なっていて、管理も寮で為されているので、その点で楽。毎日の掃除と管理で清潔感はあるが、治安の怪しいところだと、トイレットペーパーが常になくなっていたり、ゴミが転がっていたりする
● バスルームひとつにつきトイレの個室は二つ、立ち便器一つ、シャワー室三つ。混むことも鉢合わせることもあまりなく、基本使いたいときに使える
キッチン
site Kantienburg
● 十数人で共有
● 調理器具はキッチンに保管できる
● 利用者一人当たりロッカーが二つあり、ゆとりを持って使える
● キッチンに備わっているのは基本的に電子コンロ(2〜3台)と電子レンジ1台
● 冷蔵庫は各個人の部屋に一つあるので、キッチンにはない
● 電子コンロは10分間に一回電源が落ちる仕様なので、なかなか離れられない(都度電源ボタンを押す必要がある)
● 寮の特性上、全員留学生のため、多文化交流の場になっている
● ただし、キッチンの利用者傾向や時間帯によっては文化交流とはいえ、特定の文化の人や雰囲気に偏る場合がある。慣れない限りはキッチンが通いづらく感じるかも
● 多文化交流の特性上、色々な国の庶民料理に触れる機会がある
● 部屋のゴミもキッチンで捨てるため、キッチンに行き慣れないとゴミも溜まる
Home Boudewijn
● 30人で共有
● 調理器具はキッチンに保管できるが、かなり狭い
● ロッカーは一人ひとつだが、治安が怪しいと以前の住人の荷物が依然と占拠しているロッカーもあり、消える(盗まれる)ことも多々ある
● キッチンには電気コンロ4台、電子レンジ1台、トースター(1台)、冷蔵庫(2台)がある
● 冷蔵庫は部屋になく、キッチンのみにあるが、治安が怪しいと勝手に自分の食材を使われることあり
● 寮の特性上、現地のベルギー人が多く、ベルギーを学ぶ機会が比較的多い
● 但し、深夜までキッチンを利用し騒ぐ人が多く、キッチン周辺では騒音に悩む人もいる
● その反面、キッチンから遠い人もいる。半分は数十メートルの渡り廊下2つと防火扉6つこじ開けないといけない。自炊を諦める人もいる
● 他の寮では警備員が駆けつけ、23時頃にキッチンから追い出されるが、ボードウィン寮では確認されない。自力での対処と個人のモラルに依存する
● とはいえ、欧州学生の特性か、どんちゃん騒ぎほど24時には収まる。二次会のクラブへ出かけるからだ。タチが悪いのは音楽を流しながら『チル飲み』をする層。いつまでいるのかわからず、キッチンから音が漏れない程度に楽しむことを祈るしかない。
最後に
Home Boudewijn や Home Vermeylenの受け入れがまったばかりなため、これらの寮での生活実態は今後と大きく変わっていくでしょう。
その一方でsite Kantienburgにはこれまで留学生を受け入れてきた実績と留学生同士で支え合える環境から安定感があります。
これらの寮に明確な当たり外れはありません。
寮の細かい一長一短は慣れればどうでも良くなりますので、より重大な影響を持つビザの取り方( https://note.com/gentle_hosta588/n/nf19be90ef7d5)などに意識を傾けることをおすすめします。