蒼穹の見聞録-Lagra myth-13 hecto
暗雲(アザトース)の消滅。
だが、指令本部の緊張はまだ解けてはいない。
モニターに映る私を見つめる。
身を案じてくれている。
精神世界に知れ渡る書物。
天魔も神殺しも。
それがどんな代償を払う事になるのか
私は
最善の戦略を立てる。
32本ある聖釘を次々蒼穹に共有する。
最後の工程で私の手が止まった。
そもそも人と神が一体になるなど
あってはならない筈だ。
今後片割れが回収できたとしても
私が本来の魂に戻る為には
再び二分化する必要がある。
魂をバラバラにされる
悲痛の感覚‥
もう思い出したくない。
その時‥
暗雲が再び空間ごと広がると同時に
霊的な冷たさが全身を襲う。
背中からビクリと反応するレベルを超えた
恐怖と憎悪が霊的な冷気とともに空間を包む。
怖い‥冷たい‥凍えるどころじゃ無い。
書物にはこんな事象は無い。
交代した蒼穹のバイタルリングが
無防備に輝く。
さっきの奇襲を超えた何かが