蒼穹の見聞録-Lagra myth-7 hecto
私は書物
天魔の章を司る魂
名をエノク書‥
プロテクトがかかる
壮大に嘔吐が止まらない。
コイツが私を根掘り葉掘り
知ろうとしている。
蒼穹「心外な、蒼穹は別にヘラヘラとは」
エノク「どっちだって良い。
勝手に尋問すれば答えると
簡単に思ってるような奴」
大嫌い。こっちだって守秘義務がある
プロテクトのスキルが私の饒舌を
制限している事を蒼穹が
ようやく察した。
エノク「聞かないで。もう吐きたくない」
蒼穹「ゴメンエノク。
理解したくて守りたくてつい」
エノク「誰にでも領域が決まってるの」
蒼穹「不可侵領域っスか」
エノク「人間ってルーツを知る
だけでも凄く勇気必要なのよ」
蒼穹「どのくらいのリスク?」
エノク「精神崩壊するレベルよ」
蒼穹「oh‥」
エノク「その、私も言い過ぎたわ
ごめんなさい」
蒼穹「良いの良いの仲直り‥お?」
蒼穹の仮面がパズルを
解く様に解除されて行く。
私と瓜二つだ。
嫌味の一つ垂れても
一心同体の結合体‥。
今頃、先生がどんな剣幕を
しているかなんて
考えたくない。
私も共犯だ。
ラボに戻らなければ。
あんなに良い天候なのに、
私が生きていた世界でさえ
当たり前の気象変化如きで
騒ぐ程のものではない筈なのに‥
暗雲は輪廻全体を包み込もうとしている。
蒼穹「守るよ‼︎」
エノク「え、な、何蒼穹?」
蒼穹「エノクは蒼穹の大切な
片割れだから」
守る‥
その言葉の意味の
本当の重さを
私達はまだ知らなかった