蒼穹の見聞録-Lagra myth-3
輪廻中央都市部
高周波数共振によって重力変動による
膨大な質量をコントロールした世界。
ポジティブな楽園。
奈落に浮かぶ神々最後の砦。
六つの花びらが広がる様に拡大した巨大な都市部。
それが輪廻中央都市部‥
背中のランドセルユニットを背負い、
発光した展開翼が2人を進行方向に向けて飛ばしている。
中央都市部を飛行する2人のカーティ・スモール。
2人は姉妹の様だ。
姉のメンテが妹リリイに前方に向かう遥か上部の
神総司令本部を指差して話す。
メンテ「リリイ、今日から私達が配属される
神総司令本部よ!」
リリイ「本当に私達が動員されるの?」
メンテ「そうよ、胸を張って!」
メンテが頭より小さい胸をドンと叩く。
メンテ「大御神遥華様直属部隊が集う司令部か」
遥か上部に構える巨大な式が光り、
展開されていて、ゆっくり回る。
式から下の岩山から水が流れ、
球体の建造物に流れ落ちている。
リリイ「司令部って言っても8割はダミーでしょ、姉さん」
メンテ「固有結界で内部は入れないシステムなのよ」
リリイ「どうやって行くつもり?」
メンテ「司令部に続く固有結界のゲートが岩山の中にあるわ」
招待されていれば認証されて内部に入る事ができる。
しかし‥
リリイは疑問に思う
リリイ「遥華様が直々に配属先を指定された事なんて
一度も無かった。
これまでに無い大移動が行われているのは確かね」
メンテ「噂」
リリイ「え?」
メンテ「この輪廻に運び込まれた書物が引き金らしいの」
リリイ「書物?呪術書みたいなやつ?」
メンテ「ええ。その書物の正体が、実は人間って噂」
リリイ「どう言う事⁈」
メンテ「そこからはタブー。着くわよ」
詳細を知る者は限られている。
2人はパスコード認証を受け、
神総司令本部の内部に消えた。