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完璧な一日 1
11月22日朝
(12/8追記)
昨晩、少し遅くまで起きていてしまったので、目が覚めた時は7時を少し回っていた。でも、大丈夫。ラジオ体操はNHK+でやれば良い。
洗濯機を回し、テレビをつけてNHK+のアプリにアクセス。登録してあるので、朝6時25分からのEテレ『テレビ体操』にすぐに繋がる。
大きな画面で体育大学の学生さん?たちと一緒に体を動かしたほうが臨場感があって良い。みんなの体操、ラジオ体操第一、第二が日々違う組み合わせで順繰りに回ってくる。その合間のストレッチや軽い筋トレは2人いる先生それぞれのオリジナルだろうか。
8月の帰省時から急に思いたってやり始めて、ほぼ毎日、続けている。朝一番で体を動かすと、強張っていた節々や筋肉が少しずつ目覚めてくる。
子どものころはこんな簡単な体操にどんな意味があるんだろうと思っていたけれど、年をとればとるほどその効果は実感できる。
これはいい。これはすごい。
お手本の動きを正しくトレースし、大きく動かし、力を入れたり緩めたり、音楽合わせて一生懸命体を動かす。こんなにいい運動だったんだと年々実感が深まってくる。もっと動けなくなってときのために座ったままの体操もある。
これがタダで家でできるのだから、ありがたいじゃないか。NHK+でいつでもできるけれど、やっぱり時間どおりの朝6時25分からテレビをつけてやりたくて、早起きのモチベーションにもなっている。ほうっておくと、ズルズルと夜型になりやすい性格なんだか習慣なんだかのわたしだからこそ、ラジオ体操は頑張りたい。
体操が終わると、うっしー先生に教わった腰のストレッチ、肩のストレッチなどをして、コーヒーをいれ、洗濯物を干した。しばらく続いた冷たい雨があがって、朝からきれいな青空が広がっている。キリリと冷たい空気がぼんやりしがちな脳を刺激する。
冬がきた。
朝からガラガラと工事の音が響いていたが、長年、空き家っぽかった家がとうとう取り壊されているのだった。
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門のなかには、クラシックカーと呼んでいい昔っぽい平たく角ばったいセダンが埃だらけになってずーっと停まったままだった。
その脇にはみかんの木が大きく育って、春になればし青々とした葉をさらに繁らせ、青い大きい夏みかんがしだいに黄色く実って、採る人もいないから熟れて落ちて、くたびれたセダンをさらに傷つけていた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/163429266/picture_pc_58d8a26d4fdbe55c48141de58bd9f236.jpg?width=1200)
それでも誰も見向きもしない。
上から見るとずいぶん細長い2階家だ。
いつのまにかみかんの木は伐られ、パワーショベルがクルクルと器用に回りながら家を崩している。
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わたしは時々、昭和に建てられたであろう古い木造の家に、もう一度住んでみたいなどという衝動にかられる。
地震がきたら怖いだろうと思いつつ、そんな家が近所のあちこちにまだあって、散歩の途中で立ち止まってしまう。
住んだらきっと18歳で上京してきた当初の感覚が蘇ってきそうな気がする。心もとないながらも解放感でいっぱいで、不安と希望と寂しさと自由が、代わる代わるやってくるあの頃のこころもちで、毎日ぼんやりと日向ぼっこしていたい。
目の前を野良猫が通りすぎ、わたしを見てニャアと鳴く。拾っちゃうなぁ、きっと。
そんな夢想の候補だった家がまた1軒、壊されて行った。
家を壊すパワーシャベルの音に混じって、ビンや缶がぶつかり合う音もする。視線を右下に移せば、今日はビン、缶、段ボールの収集日だ。
収集の軽トラがマンションに横付けされていて、ブルーの制服を着た作業員のお兄さんが別の場所で回収してきたコンテナに、ビンはビン、缶は缶に分けながら、満杯になるまでまとめて行って、空いたコンテナはきれいに拭いてから畳んで、手際よく積み重ねていた。
慣れた作業なのだろうけれど、淡々と繰り返されるその動きがとてもきれいだ。
あ、役所公司の『PERFECT DAYS』か。
どこにでもあるPERFECT DAYS。
気づくか、気づかずに流してしまうかなんだろう。
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そして見上げれば、
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/163430426/picture_pc_1d0a9d79dca7de5ffcb173363cb20381.jpg?width=1200)
ベビーブルーの空に大根の月
タイトル写真は、青柳寧子さんの『冬の朝』という写真です。写真を使った記事として、わたしの『完璧な一日1』も紹介していただきましたが、この写真を使った人がほんとうに大勢いたようです。みんなの心にフィットしたんでしょう。
全体写真はこちらに掲載されていました。
前日まで曇りや雨が続いていた早朝の空。でも、今日は晴れるなと思わせる、そんなイメージをもちました。
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