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快挙! ついに1型糖尿病から解放される日がくる!

昨日、Kの車で移動中、飛び込んできたニュース。

素晴らしい! まさかこんな日が来るなんて!!

IPS細胞を使った次世代治療


わたしが1型糖尿病を発症したのは2012年2月。診断が確定したのが29日。3月1日までは看護師さんが注射にきて、2日から自己注射が始まった。それから毎日4回以上、インスリン注射を打っている。

これから死ぬまで一生打ち続けるのだと思ってきたし、すっかり慣れて時々は打ち忘れて糖質を摂ってしまったり、あまりに無意識の作業になったがために打ったかどうかわからなくなる、なーんてあきれた状況も頻発している。

いや、ちょっと頭が、記憶力が怪しくなってきたということもある。今後もっともっと年齢を重ねていくと、いつか自分で血糖コントロールができないなどという日も来るのだろうか。そんな不安が過ったりもした。

でも、うまくすればそんな不安からも解放されるかもしれないのだ。
ついにきたのか! この日が!

思えば1型糖尿病の患者と家族の会「日本IDDMネットワーク」のスローガンは1型糖尿病を治らない病気から治る病気へだった。悲願達成の目標は2025年までに!だ。その2025年を目前にしてとうとう光明が見えてきた。

こんな日が来ようとは。

正直、自己注射に慣れ切ったわたしは、別に今のまま一生注射でも構わないけどな、などという気分にもなっていたが、研究者の皆さんの弛まぬ努力と献身、諦めない気持ちの強さには感謝しかない。

まずはこの最後の治験を成功させて、iPS細胞での治療を保険適応にしてもらうこと。
そして、子供たちから治療を進めてもらいたい。
自分で対処できるベテラン患者は後回しで良いだろう。

奇しくも昨日、脳梗塞から半年後のMRI映像をようやく見せてもらえたが、入院のきっかけになった右側の梗塞部位の他にも小さな梗塞があちこちにあった。
先生はこともなげに「古い梗塞の跡ですね」というが、10年で5割と言われた2度目の梗塞を何より恐れてきたわたしにとって、信じられない映像だった。
もうとっくに、何度も梗塞は起きていた! たまたま影響の大きかった梗塞が昨年11月5日だったということなのか!
小さな梗塞なら日常的に起きているのか?
そんな不安に打ちひしがれるなか、原因は「糖尿病だから」と脳神経内科医はさらりと言う。
高血糖で血管が硬くなって詰まりやすくなるからだというが、せっせと注射を打つ1型糖尿病患者は、2型の人ほどそうそう長くは高血糖は続かない。急上昇急降下はしやすいから、それが血管を痛めていることは容易に想像できるけれども、1型の血糖コントロールとしてはわたしはかなり優等生だったのに、それでも脳梗塞は免れないというのなら、もう対処のしようがないじゃないか。

その疑問に脳神経内科医は答えてくれず、新たな不安にさらされたわたしにとってはIPS細胞での治療はとても大きな希望になった。

ありがとうございます、山中教授! 京大研究グループの皆さん!

記事内容をよく読めば、貼り付けるIPS細胞シートの適正な数、ほかの細胞への影響、その時必要になる免疫抑制剤の副作用など、まだまだ問題は山積みっぽいけれど、大きな一歩に拍手を送りたい。

※トップ写真は使用中の血糖測定用グッズと
インスリン注射セットです

1型糖尿病よもやま話(9月4日追加)新しいデバイス

ちなみに先週の糖尿病外来時に、持続測定用のリブレと注射針が新しくなった。
リブレはスマホや専用リーダーをかざして、血糖値(間質液中の糖の値)を測るものだけれど、リブレ2になったらいちいちセンサーにスマホをかざさなくても1分おきに勝手に測って、スマホにデータを送ってくれるらしい。

これは便利! 

ただスマホをいつも近くに置いておかないと、読み取り不能になって警告音が鳴ってしまう。ついついその辺にスマホを放置しがちな私にはありがた迷惑な機能なので、そのアラームは止めているが、同時に高血糖、低血糖もアラームで教えてくれる。設定も自分で変えられたので、上は240以上、下は60以下の時に鳴るようにしてみた。

いまのところ高&低血糖アラームを鳴らすことはないけれど、秋になって焼き芋なんか食べたら一発だなと思う。

1型糖尿病のプロテニス選手、アレキサンダー・ズべレフ

今朝3時からのUSopen準々決勝で、私のイチオシ、サーシャことドイツのアレキサンダー・ズべレフは、テイラー・フリッツにセットカウント1-3で破れた。

今回すでに優勝候補のジョコビッチ、アルカラスが早々に消えて、一気に世界ランク2位に躍り出たズべレフはまさに優勝候補筆頭だった。
ツアー優勝は何度もしているし、東京五輪では金メダルを取ったズべレフがとれていないのが、グランドスラムの優勝だ。

本人もはもちろんだろうけれど、ファンだって大いに期待していたのだけれど、ホームでもあるフリッツがすこぶる調子が良かったんだと思う。7-6、3-6、6-4、7-6、第1第4セットはともにタイブレークという大接戦だった。

コートサイド解説の松岡修造なんて最後までズべレフが勝つと言い続けていたのにさ
いっぱい期待しちゃったじゃないか

そのズべレフは、ここでも何度か書いているけれど、1型糖尿病のために試合中に何度も血糖値を測り、高血糖時にはベンチで注射を打っている。今日の映像で確認できたけれども、ズべレフが使っている超速効インスリンはヒューマログのようだ。私も1年ほど前まで使っていた。
今はもう少し効き目が速いと言われているルムジェブを使っているのだけれど、効くのも速いけれど効果が消えるのも速い。ヒューマログは4時間くらいで食前の血糖値に戻るけれど、ルムジェブは2時間くらいで効果が切れてしまい、血糖値がゆっくり上がるパスタやうどん、焼肉などの油の多い食事の時には早めに落ちすぎて止まり、後でまた上がってくるなんていうことがけっこう起きる。
ルムジェブが出た手の時はヒューマログとルムジェブを併用していたのだけれど、0.5単位で打てるルムジェブのほうが細かくコントロールができるので、ルムジェブだけにしてしまった。 

すると、インスリン切れのあと上がりや早期にキレすぎて,血糖値が下がり切らないなんていう事態が頻発するようになったように思う。
もう一度、数ヶ月後、併用に戻してもらおうとしたらすでにうちの病院ではヒューマログは扱わなくなったという。

残念すぎる。ズべレフと同じなら余計にヒューマログが使いたいぞ!

血糖コントロールへの私なりのこだわりにも触れちゃおうかな


そういえばリブレの導入後、リブレをつけたら血糖測定器は出せないなんていうときもあった。

そうは言っても時々、数値が怪しいことがあるリブレ単体だとやはり不安だ。体感と数値があまりにも違っていて、このリブレの数値、本当にあってる?と、確認したいときがあるのだ。
病院の処方では併用できないとなると、自分で血糖測定器とセンサーを買わなきゃダメなのかと覚悟もしたが、やはり同様の懸念があちこちで頻発したらしく、リブレ使用時も血糖測定器は併用することになった。

血糖測定値の間違いは、インスリンを打ちすぎたり足りなすぎたりを引き起こすから、ほんとうに危険なのよね。
最初からそれを想定しててくれたら良かったけれど、1型患者自体が少ないから、細かいことまではお医者さんやデバイス開発会社もなかなか把握できないのかもれない。

そんなこんなで慣れたとはいえ、現状でも問題はいろいろあるけれど、それでもインスリンがなかった大昔だったら、私なんて今頃、確実に死んでたわけで、医療の進歩には感謝しかない。

生かしていただいているのだから、もう少し人のお役に立たなきゃいけないなぁとも思う。

せめてこんな駄文でも、血糖コントロールで悩んでいる人たちのお役に立てたらいいんだけどなぁと思う。

リブレ導入後、わたしのHbA1cは確実に上がっている。

血糖測定器だけだった時代は,ほぼ10年の間、ずっとA1cは6.0から6.3。2型糖尿病予備軍の人たちくらいの数値だった。
普通はそんなものかなと思っていたけれど、1型の人は7%前後の人が多いと聞いたことがある。
私は人よりインスリンが効きやすくて、血糖値と低く抑えられるのかなと思っていた。
確かにそういう傾向もあるようだけれども、同時に、低血糖状態がそれだけ多かったということではないかと今では思う。

最近では1型の場合、高血糖より低血糖に注意をするように変わってきている。低血糖がもたらす悪影響のほうがより深刻だとわかってきたようだ。
ところが私はA1cが低いことが大事だと思っていたので、6.2前後がキープできるコントロールに励んできた。低く抑えてきた分だけ低血糖がひん発していたのだと思う。

血糖測定器だけだと、自分のタイミングで測るだけだから、一番高い高血糖時の数値も一番低い低血糖時の数値も、測り損ねていることが多いはずだ。

いまはリブレをつけて持続的に測れるから高血糖も低血糖も余さず認知できる。低めに落ちていけばすぐに補食して、血糖値をあげている。高めに矢印が急上昇し始めれば、様子を見つつ追加のインスリンを少しずつ打ったりもする。
その結果、HbA1cの値は徐々に増えてきた。

今回なんて6.7だ。

前回はまだ6.4だったのに、毎年夏場は血糖値が下がりやすくてA1cも低くなりがちだったから、今回はまた6.2かな〜なんて期待していたから、6.7はとてもとてもショックだった。

でも、先生はリブレが打ち出した日内変化の表を見て、全く問題ないですよと太鼓判を押してくれた。

リブレのレポート〜ここ2週間の血糖変動


いいのだ、これで!
これで、いいのだ! ばかボンボン♪

普通の人には興味のないことまで延々書いてしまったな。
追加文のほうが元々の本文より長いってどうよ 笑

眠い!! 全米が始まってから連日
2時、3時に起きてそのまま朝までなんて日々が続いている。ズべレフ負けちゃったし、熱帯夜からようやく解放されるっぽいし、今夜からはたっぷり寝るぞ〜!

1型糖尿病歴12年半。ますます進歩していく医学とデバイス開発に感謝しつつ、この辺でやめときます!

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