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完璧な一日  2

11月22日午後

朝いちばんに警察署から電話が入っていたようだった。日頃、迷惑電話防止のために留守電にしているので出られなかったが、留守録されていた。

お昼ごろになって留守録に気づき、聞いてみると、10月初旬に失くした落とし物が出てきたという。公共の割引カードだったので、警察に届けるように言われ、近くの交番から電話をかけたらT警察まで来てほしいといわれ、散歩の延長で遺失物届けを出してきた。そのカードが、たぶん即日拾われて、届けられていたらしい。

闇バイトやら詐欺電話やら、ずいぶんギスギスとした危ない日本になってしまったと思っていたけれども、どうしてどうして、まだまだ人々の良心はちゃんと生きている。

すでに再発行してもらっていたので、そのカードは廃棄処分してもらうことになったが、ここからまだ3カ月別の場所で保管されて、その後にまとめて廃棄という流れになるそうだ。落とし物ひとつでもここまで整然とシステム化されていたんだなぁと、そこもなんだか納得というより感心してしまった。

実は前日、カードの引き落とし明細を見ていて、身に覚えのない利用があることに気づき、怖くなって即刻利用停止して、不正使用報告をしたのだが、思い直してもう一度、ネット検索などしてみたところ、不正使用ではなく区の商品券の購入代金だと判明した。
利用店名「フェリカポケットマーケティング」という店を利用した覚えは全くなかったが、商品券は決済アプリで購入することになっていて、そのアプリを開発・管理している会社がくだんの「フェリカ~」だったのだ。
だったら、請求はここからくると説明があってしかるべきだろう。商品券購入時の説明には何も書いてなかったゾ。

まぁ、そんなどうでもいいことを読まされている方(あなたのことです)に申し訳ない気がしてきたけれども、とにかく不正使用じゃない、よかったぁ~~という安堵感がとてもとても心地よかった。

どんどん便利な世の中になっているけれども、同時に最新のシステムについていけない年齢を実感することが増え、日常生活はどんどん不安が増している。便利だけど、不安。便利だけど、怖い。となると、だんだん便利から遠のきたくなってくる。

ダメだぞー、ボけるぞ~と自分にハッパをかけつつ怖がらずにチャレンジして、失敗しても笑い、うまくいったら歓び楽しめるわたしでいたいけれども、いつまでそんなこと言っていられるんだろうとまた不安が過ったり。

そんな日々のなかで、落とし物が見つかり、カード問題もクリアになるなど、目の前の小さな問題がきれいに片づいていくことにえもいわれぬ爽快感があった。

自然に言葉が浮かび出た。
PERFECT DAY!
今日って、すごくいい日だな

午後になって散歩に出た。
お気に入りのコース、幽霊坂を上っていくと、坂の途中の右に折れる道との角の家に、取り壊しのお知らせが貼ってあった。


右が幽霊坂。かなりの急斜面を登ってからこの向きからだと左に折れると、小学校があるけれど、そこも現在改装工事中


あぁ、ここもか、、、、

門扉に貼られた解体のお知らせ
確かに内部は荒れ果てているけれど。
捨てられている洗濯機、ひょっとして手回しで
洗濯物を絞る古い古いタイプでは???
角を曲がると二軒屋。貸家だったのかもしれない。
家の周りはお寺とお墓。
お墓の隣の土地は運勢的に良いと言ったのは、あのメリーさんだった。
だから旧ジャニーズはお墓の隣の土地を探して
事務所にしたと聞いたことがあったな


こちらもかなり前から誰も住んでいないようだったが、玄関前には春は梅、桜、山吹と順々に咲く木々があり、あじさいが咲き、いまは名前はしらない花がやけに色鮮やかに咲いている。

検索したら「ランタナ」だそうで

ときどき掃除に入っているのかなぁと思われるような節もあり、ほんとうに無人なのかずっと謎の家だった。
その家もとうとう取り壊される。工事は12月に始まるようだ。

貸家のほうの玄関先に置き忘れられた狸の置物。なかなか良いものに見えたりするんだけど、、。
子供用のバケツなども転がっていた

消えていく景色を、わたしは記憶にとどめたい。
ところが、取り壊されて更地になってしまうと、あまりにも雰囲気が違ってしまい、そこがどんな景色だったのか、何があったのかさえさっぱりわからなくなってしまう。
記憶には止められそうにないから、せめて記録しておきたい。
そんな気持ちで古い建物のある風景を写真に撮っていたけれど、なかなかnoteにできていない。そのうち撮ったことさえ忘れてしまう、、、、

ということで、今日は2連発で消えゆく家々について書いてみた(PERFECT DAYはどこいった?)

消えゆく家々、消えゆく景色にどうしてこう郷愁を感じるんだろう。
22日から書き始めて今日は27日。書くスピードも年々、日に日に、落ちている。
だからかな。
消えゆくものについ自分を重ねている。

幽霊坂をもう少しだけ登ると、左手にある仙翁寺。方丈さんが書くひと言が今日も心に染み入ります。


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ぷれこ
まあまあ、こんな駄文にチップとは。俄然、やる気に拍車がかかります。一度書いてアップしたものでも実は何度も読み返し、読み返すたびに加筆、訂正、写真を挿入してみたりと絶えず変動しているものもございます。100%に近づけたくて悪戦苦闘しています。いただいたチップでホッと一息できそうな

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